MUSEUM

2018/12/17

博物館の新聞チラシ

 昨日の日経新聞に国立科学博物館のチラシが入ってきました。現在開催されている特別展「日本を変えた千の技術展」の宣伝チラシです。博物館、美術館の新聞折り込みチラシが入ってくるのは珍しい。それに国立の博物館のチラシです。
 チラシはどこの地域に配布しているのだろう。都内全域か。ちなみにこのチラシは朝日新聞には入っていません。チラシをよくみると、この特別展はNIKKEI(日経新聞)、BSテレ東との共催。なるほど、日経新聞が仕掛けたのかな。国立博物館だけではできないでしょう。
 ちなみに「日本を変えた千の技術展」は面白そう。チラシの裏にあるみどころMAPには、「国産初の自動式電気釜」「マツダコスモ」「ウォークマン」など面白そうな製品が並んでます。
 久しぶりに科博に出掛けてみますか。


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2018/12/05

秋田県立美術館へ

 仙台から秋田へ行ってきました。目的は秋田県立美術館です。2013年に設立された新しいミュージアムです。以前は平野政吉美術館として運営されていましたが、移転して、新しくつくられました。
 建物の設計が安藤忠雄。どんな建物かと楽しみにしていたのですが、ちょっと期待外れでした。見物は平野政吉美術館でも展示のメインであった藤田嗣治の「秋田の行事」です。巨大な作品ですが、常設で展示されています。
 企画展示室もありますが、広くはありません。そもそも美術館がそんなに大きくありません。もちろん、無駄に大きい必要はありませんが、ここは中途半端な広さであるように感じます。
 美術館を作るのは難しい。そんなことを思った秋田県立美術館でした。


 
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2018/08/06

濱田庄司 参考館

 昨日、益子まで行ってきました。目的は「濱田庄司記念 参考館」です。陶芸・メッセ益子には濱田庄司の邸宅がありますが、そこから少し離れたところにあります。
 参考館はいくつもの建物から構成されている濱田庄司の世界です。
「陶芸家 濱田庄司が自ら参考とした品々を、広く一般の人々にも『参考』にしてほしいとの意図のもとに、開設された美術館です」(公式ホームページより)
 濱田が集めた蒐集品の展示、濱田の別邸、そして濱田が使っていた工房、登り窯などをみることができます。これらを巡っていくと、濱田庄司の陶器をつくる思想に少しだけ触れた思いがしました。
 クルマでいくしかないちょっと不便な益子ですが、また行きたいと思います。

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2018/07/02

アサヒビールの美術館

京都で任天堂にいった後、アサヒビールの美術館を訪れました。正式にはアサヒビール大山崎山荘美術館という名称。前から気になっていたのですが、機会がなく、京都から太陽の塔へ移動する途中にあることを知り、立ち寄りました。
 この美術館、どのような歴史があるのか。
<アサヒビール大山崎山荘美術館は、関西の実業家・故加賀正太郎氏が大正から昭和初期にかけ建設した「大山崎山荘」を創建当時の姿に修復し、安藤忠雄氏設計の新棟「地中の宝石箱」などを加え、1996年4月に開館しました>(美術館ホームページより)
 本館は1932年頃の完成といいいますから、80年以上の歴史ある建物です。ここに安藤忠雄の設計による地中館「地中の宝石箱」が増築され、開館しました。
 本館では企画展示が開催されています。現在は「ウィリアム・モリス -デザインの軌跡」が開催中です。展示されている作品、資料は56ですが、モリス商会など海外からかり出されたものが中心で、充実しています。他の美術館に巡回して欲しい展示です。
 地中館にはモネ、シャニック、ボナール、マルケの作品が常設展示されている、快適な空間がつくられています。
 行くのにはちょっと大変だけど(すごく急な登り坂があります)、わざわざ足を運ぶ価値があるミュージアムです。

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2018/02/25

美術館のSNS

 世田谷美術館は先月休館があけ、今は「ボストン美術館 パリジェンヌ展」が開催されています。休館中にホームページもリニューアルされ、facebook,、twitterができました。今頃というちょっと遅れたSNSへの取り組みです。
 facebookをのぞいてみると、「いいね」は73人。Twitterのフォロワーは191人と少ないです。
 他の美術館はどうなのかと、地元目黒区美術館はいいね633人、フォロワーは9707人。大手のトーハクはいいね26,748人、フォロワー59,396人でした。多いとは言えないかな。比べる対象ではないですが、ユニクロは1,174,189人と一桁違います。
 ミュージアムのSNS活用を上手くやるのは難しい。たとえばサントリー美術館にはTwitterはありますがfacebookはありません。ホームページ、facebook、Twitterの3つを活用しての継続的な情報発信し続けるのは労力もかかる。
 でも、世田美のいいね73人は少ない。どうにかしないといけないのでは(余計なお世話ですが)。

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2018/02/15

そごう美術館の存在

 チケットをいただいたのでそごう美術館に行ってきました。この前、いつ来たか思い出せないほど久しぶりです。よこはまのそごう内にありますが、失礼ながら続いていること自体が不思議なくらいな美術館です。
 かつてはセゾン美術館、伊勢丹美術館など百貨店の中に美術館がありましたが、それらが無くなって久しい。そごう美術館はずっとやっている希有な存在です。そごう百貨店も経営破綻し、いまはセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入っています。その時期を経ても、美術館は残ってきました。経営陣に芸術への理解者がいたのでしょう。
 そごう美術館では「今右衛門の色鍋島 人間国宝の技と美」が開催されています。色鍋島の歴史と現在を見ることのできる見応えのある展覧会です。デザイン性と色彩豊かな色鍋島は魅力的。
 百貨店の中にある貴重なそごう美術館。その活動は密やかにですが、力強く続いています。

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2018/01/03

トーハクの賑わい

 上野の東京国立博物館に行ってきました。2日から開館していて「博物館に初詣」という企画をやってます。もうかなり前から2日からの営業です(今年で15年目とか)。上野は国立西洋美術館、上野動物園も2日からオープンしています。
 トーハクに2日に行くのは初めてです。2時過ぎに着いたのですが、チケット売場は行列。ちょっと驚きでした。本館に行くと、展示を見る人で賑わってます。海外からの観光客とおぼしき外国人も少なくありません。
 先日、運慶展を見たときには時間がなく、常設展示はざっとしかみませんでしたが、じっくり見ようとするとかなり時間がかかります。充実した展示だと改めて感じます。
「釈迦金棺出現図」(国宝)など特別展示があります。干支にちなんだ戌をテーマにした展示もあります。円山応挙の「朝顔狗子図杉戸」は、応挙らしいかわいい子犬が描かれている作品。
 正月を博物館で過ごすのもなかなかいいものです。楽しい時間を過ごしました。


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2017/10/31

気持ちのいい<富山市ガラス美術館>

 時間があったので「富山市ガラス美術館」にいくことができました。隈研吾さんの設計の建物<TOYAMAキラリ>にある現代グラスアートを中心とする美術館です。
<TOYAMAキラリ>の3階から5階には富山市ガラス美術館と富山市図書館が同じフロアにあります。エレベーターで昇っていくと、左のゾーンが美術館、右のゾーンが図書館で、真ん中を広い吹き抜けになっていて、開放感のある空間です。

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 隈さんらしい木をふんだんに使った設計。気持ちよく、心が和らぎます。建物をみるだけでも、わざわざ訪れる価値があると思います。こんな素敵な建物を使える富山の人が羨ましいです。


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2017/10/30

新しい富山県美術館

 富山旅行の目的のひとつが今年の8月に開館した新しい富山県美術館。富山には富山県立近代美術館がありましたが、ここを閉館して、移転して新しい美術館をつくり、館の名称も富山県美術館と改めました。
 金沢に住んでいた20年ほど前の頃、富山県立近代美術館には何回かいきました。当時は金沢には近現代のアートを見せる美術館がなく、近現代の豊富なコレクションをもつ近代美術館は魅力的でした。
 近代美術館は富山駅からは路面電車を使わなければいけませんでしたが、新しい富山県美術館は富山駅から徒歩15分ほどの富岩運河環水公園内にあります(ちなみにこの公園にあるスターバックスは世界一景色がいいとも言われています)。
 新しい美術館の外観には富山の主要産業であるアルミが使われている3階建て。エントランスから入り、エスカレーターで上階へ。展示室は2階、3階。現在は開館記念展「生命と美の物語 LIFE - 楽園をもとめて」が開催されています。
 ふつうのミュージアムだな、というのが展示室をまわった感想。もう少しわくわく感が欲しかったです。ともあれ、新しいミュージアムを見るのは楽しい。おすすめです。


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2017/09/30

すみだ北斎美術館にいく

 やっとすみだ北斎美術館にいってきました。昨年11月にオープンしたのですが、なにせうちからはかなり遠方です。なかなか足が向きません。上野のミュージアムとセットでまわりました。
 そもそもすみだ北斎美術館とは、葛飾北斎が90年の生涯のほとんどを葛飾区で過ごしたことから、墨田区が、
「この郷土の偉大な芸術家である北斎を区民の誇りとして永く顕彰するとともに、地域の産業や観光へも寄与する地域活性化の拠点として」(美術館ホームページより)
 設立した美術館です。
 このミュージアムの売りはなんと言っても建物です。著名な建築家・妹島和世さんの設計です。銀色の外見が特徴的です。

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 1階のエントランスで企画展のチケットを買い(平日だったせいか、列はありません)、エレベーターへ上階へ。展示室は3階と4階です。チケット売場のお姉さんが教えてくれたのを聞き流していて、最上階の4階にまず上ってしまいました。上階から降りてくるのが自然だろうと、思い込んでいたせいです。
 ところが企画展は3階から始まり、続きの展示が4階という流れです。同じ4階に常設展示があります。要は3階までエレベーターで昇り、見終わったら階段(もしくはエレベーターで)4階に昇る、というのが正しい順路です。細かいことですが、3階と4階は逆のほうがいいと思います。
 美術館の建物は想像していたよりずっと小さかったです。展示室は2フロアーだけですし、なにせ4階にはトイレもないほどのスペースです。
 開館まで紆余曲折があったすみだ北斎美術館ですが、運営は順調なんでしょうか。今後の動向が気になります。


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2017/06/16

ポーラ美術館の遊歩道

 ポーラ美術館に遊歩道があります。4年前にできたものです。「森の遊歩道」と名付けられた遊歩道は全長670メートル。
ホームページには
ブナ・ヒメシャラが群生する富士箱根伊豆国立公園内の自然をお楽しみ頂けます。
四季を通じて訪れる野鳥たちのさえずりや、時折姿を見せる小動物を愛でながら、自然の中で心休まるひとときをお楽しみください。

 とあります。
 自然と触れるだけでなく、各所に彫刻も置かれています。

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 遊歩道は入館しなくても入れます。箱根の隠れスポットかもしれません。


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2017/06/15

ポーラ美術館へ

 久しぶりにポーラ美術館へいってきました。いつ以来かとこのブログで調べてみたら(笑)、前訪れたのは2005年8月なので、12年ぶり。今年で開館15周年、記念展の「ピカソとシャガール」をみてきました。 
 ピカソ、シャガールという同時代に生きた偉大なアーティストを堪能できる企画展です。ポーラ美術館の所蔵作品に加えて、国内の美術館やパリのピカソ美術館からも作品が出展され、充実した内容になっています。開館記念展ということで、力が入っています。
 ピカソ、シャガーをまとめてみる機会はありそうで、なかなかありません。ましてや二人のアーティストの作品が同じ空間にまとまって展示されるのは、珍しいのではないでしょうか。
 ピカソは相変わらず魅力的ですが、シャガールもいいです。赤、青など原色をつかいながら独特の世界が描かれるシャガールワールドに惹きこまれます。
 ちょっと遠いけど、魅力的なポーラ美術館です。

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2017/05/07

美術館の友の会

 美術館・博物館には友の会なる制度(仕組み)があります。すべてのミュージアムで制度化されているわけではありません。友の会とは要はミュージアムの会員制みたいなもの。
 世田谷美術館の友の会を更新しました。会員は1年単位なので、毎年更新が求められます。去年、世田美の美術大学を受講するために、この美術館の友の会に入りました。世田谷区民以外は、友の会にはいることが美術大学に参加する条件になっているからです。が
 世田美の友の会は、年会費が4000円(個人会員の場合)です。企画展が無料で見ることができる特典がありますが、4000円という金額に見合うのか。深く考えると分からなくなります(笑)。
 地元目黒美術館の友の会は、年間2000円です。世田美の半分。これは美術館の格の違いでしょうか。ミュージアムの友の会も、言ってみれば寄付みたいなものです。継続することが大事なんでしょう、恐らく。

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2017/03/21

蔵の美術館

 昨日、「アートリンクとちぎ」ついて記事にしましたが、紹介した2つの美術館は蔵を再利用したスペースです。とちぎ蔵の街美術館は何回か訪れたことがありましたが、小山市立車屋美術館は初めていきました。
 小山市立車屋美術館は
「国登録有形文化財である小川家住宅の文化財的価値を尊重しつつ、地域活動の拠点や文化創造の場として活用することを目的に平成21年4月小山市立車屋美術館として開館しました」(artscapeより引用)
 と歴史ある建物を活用したものですが、美術館になっているのは旧米蔵を改修した建物です。敷地内には小川家住宅の主屋もあり、公開されています。
 こんなところに歴史が残っていたなんて。意外なことを発見した小山市立車屋美術館でした。

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2017/02/18

上野でフライデーナイトミュージアム

 昨日の朝日新聞夕刊に「フライデーナイトミュージアム@上野」という全面広告が2ページにわたって掲載されていました。フライデーナイトミュージアム、って何だ。プレミアムフライデーの便乗企画か? なんて思いました。
「フライデーナイトミュージアム@上野」は文化庁が主催するイベント。文化庁のホームページから引用すると、
<文化庁では,日本有数の文化資源が集積する上野公園(東京都台東区)において,プレミアムフライデーの初日である2月24日(金)から,国立美術館・博物館の夜間開館の機会を活かし,「フライデー・ナイト・ミュージアム@上野」を開催する予定です>
 とやはりプレミアムフライデー関連企画です。
 東京国立博物館,国立西洋美術館,国立科学博物館では金曜は夜8時まで開館しているので、それに合わせてイベントをしようという目論見です。開催日は2月24日(金),3月10日(金),3月17日(金),3月31日(金)の4日。ずっとやるわけではないんですね。予算の関係かな。ホームページもありますが、イベントは24日しか公開されていません。3月の予定アップはこれからです。
「フライデー・ナイト・ミュージアム@上野」は誰をターゲットにしているのか。普段はミュージアムに行く習慣がないホトに、行ってもらおうということ? 文化庁のホームページには
「夜に文化を楽しむライフスタイル」を上野から発信します」
 とあります。
 少しでもミュージアムに行く人が増えればいいのですが、なんか難しい気がします。」

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2016/11/23

美術館、博物館にいく割合

 先日、日経新聞で小さな記事として載っていた内閣府が行っている「文化に関する世論調査」についての話題。記事によれば、
「過去1年間に映画や音楽、美術、文化財などの文化芸術を劇場などで鑑賞した人は59.2%だった。2009年の前回調査(62.8%)から3.6ポイント減少した」(11月19日 日経新聞)
 とあります。前回調査とは(多分)平成21年。
「文化庁は『文化芸術の振興に関する基本的な方針』で、鑑賞活動をする国民の割合を2020年までに8割にする目標を掲げている」(日経新聞)
 と目標には届かないレベル。
 記事には
「鑑賞したものは映画(アニメ除く)が31.1%で最も多く、音楽(24.8%)が続いた」
 とありますは、美術はどうしたのかと出典をみると、
<映画(アニメを除く)」を挙げた者の割合が31.1%と最も高く,以下,「音楽(オペラ,オーケストラ,室内楽,合唱,吹奏楽,ジャズ,ポップス,ロック,歌謡曲など)」(24.8%),「美術(絵画,版画,彫刻,工芸,陶芸,書,写真など)」(22.5%)などの順となっている>(内閣府ホームページより)
 という数字。
 美術館・博物館などで鑑賞するのは1割強ということ。
 日本人は忙しすぎるのか、ミュージアムにいっている時間がないようです。

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2016/10/21

美術館のシルバーデー

 一昨日、仕事を休みにして恵比寿の写真美術館に出かけました。「世界報道写真展2016」のチケットをもらったので、見に行ってきました。平日、水曜の午後でしたが、会場にはいると、予想外に混雑しています。
 どちらかと言えば地味な報道写真展なのに、賑わっています。どうしたのかとちょっと思いながら、「杉本博司 ロスト・ヒューマン」のチケットを買い、会場へ。ここも賑わっています。「やはり、杉本博司は人気だな」と思いながら鑑賞しているうち、来場者に年配の方が多いことに気付きました。
 写真美術館の来場者は比較的若い人が多い。シニア層とおぼしき方は少ないというのがこれまでの印象です。どうしてかなと思い、美術館のパンフレットを見ると・・・・・・。疑問が解けました。この日はシルバーデーです。毎月第3水曜日はシニアは無料の日です。東京都のミュージアムはどこも実施しています。知りませんでした。そういえば、チケットを買うとき、65歳以上ではないかと確認されたことを思い出しました。
 平日の写真美術館の賑わいは、いつもとは違う光景でした。

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2016/09/04

成城学園の小さなミュージアム

 仕事の予約が入らなかった週末に、久しぶりに成城学園まで出掛けてきました。目的は「清川泰次記念ギャラリー」です。清川泰次のアトリエ兼住居を一部改築し、ギャラリーとして公開しているミュージアムです。世田谷美術館の分館として、世田谷区が運営しています。
 奧沢にある、これも世田美分館の「宮本三郎記念美術館」は小さいながら2階建てでミュージアムらしい建物ですが、「清川泰次記念ギャラリ」は小さな建物です。建物の一部は区民ギャラリーで、清川泰次の作品が展示されているのは、吹き抜けの空間ひとつです。いま、展示されているのは10点の作品と、銀座あたりのギャラリーよりの少ないかも。
 しかし、清川泰次の作品はどれも独奏的で刺激に満ちています。形と色が織りなす表現は、オリジナルな世界です。心地いい空間が広がります。
 こんな贅沢な空間を維持している世田谷区にはほとほと感心します。目黒区とはちょっと違うなあ。

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2016/07/19

益子陶芸美術館にいってみました

 先週の日曜日、予約がなかったので、女房の実家にいくついでに、益子まで足を伸ばしました。10年以上前に行った記憶がありますが、かなり久しぶりです。
 東京の自宅からは北関東自動車道ができたので(もう何年も前でしょうね)、約2時間で着きました。近くなりました。全国的にも有名な益子焼の産地ですが、なかなか足を運ぶ機会はありませんでした。
 益子焼では、益子陶芸美術館を中心に旧濱田庄司邸、笹島喜平館(木版画家・笹島喜平の作品を展示)など陶芸メッセ・益子として展開しています。
 じっくり見たいところですが時間もなく、益子陶芸美術館だけを拝見しました。企画展示と常設展示が併設された美術館で、陶芸作品を堪能することができます。
 陶芸をじっくりとみたのは久しぶり。こんどはもう少し余裕をもって鑑賞したいと思いつつ、現地を後にしました。

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2016/07/07

ヱビスビール記念館

 ヱビスビール記念館に行ってきました。恵比寿ガーデンプレイスにあるサッポロビールがやっている展示施設です。エビスではなくヱビスです。英語表記はMuseum of YEBISU BEER。ヱビスビールの歴史が分かるミュージアムです。Photo

ここでは無料の自由見学と有料(500円)のツアーがあります。友人が有料ツアーをとってくれて、参加してきました。ブランドコミュニケーターのお姉さんが40分で説明してくれます。前半はヱビスビールの歴史。後半は2種類のヱビスビールの試飲。なかなか楽しい見学ツアーでした。

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記念館の中には「テイスティングサロン」があり、様々なヱビスビールとおつまみが楽しめます。ここには入りませんでしたが、コストパフォーマンスが良いビアバーといった感じのようです。
恵比寿にこんな素敵な場所があるなんて知りませんでした。おすすめです。

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2016/06/08

宇都宮美術館で「ガレの庭」

 先週の日曜、がら空きの栃木県立美術館を出て、宇都宮美術館にいってみました。昨年、夏にパウル・クレー展をみて以来です。このミュージアムは宇都宮市の郊外にあり、公共交通機関は1時間に一本ほどのバスで宇都宮駅から30分ほどと、クルマを使えない人にとってはおおよそ便利とはいえません。
 しかし訪れた日の展示室は賑わっていました。「ガレの庭」展の最終日だったからかもしれません。「ガレの庭」は今年、東京都庭園美術館で開催されていたものの巡回ですが、なかなか人気。ガレのガラス作品が見事で、見始めると引き込まれてしまいます。
 展示室の賑わいをみると、美術館は企画次第なんだな、と痛感します。巡回展であろうが、人を集めることができる展覧会はやはり強いです。ミュージアムの素敵な空間に触れた宇都宮美術館でした。


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2016/05/19

西洋美術館、世界遺産に

 すっかり忘れ去っていたのですが、国立西洋美術館が世界遺産に登録の見通しというニュースには少し驚きました。詳しくは覚えていないのですが、イコモスから世界遺産に登録できないとされ、そこで終わっていたと思い込んでいました。だから驚いたわけです。
 日経新聞の報道によれば、
「2度の見送りを経た『三度目の正直』。都内では初めての世界文化遺産誕生となる」
 とやっと勝ち取った世界遺産です。
 しかし、何故過去2回は見送りで、今回はOKなんでしょう。
 世界遺産になるのは、国立西洋美術館を含んだコルビジェの建築なので、世界遺産に値するとされた理由が知りたいところ。1回ダメでも、再チャレンジできるのが世界遺産という制度なのか、とも思います。
 日本人にとっては国立西洋美術館が世界遺産になっても、いまひとつ実感がないのでは。日本人が設計したわけでもなく、これまでも普通に入れた建物だし・・・・・・。
 美術ファン以外はほとんど関心がなかった西洋美術館の存在。これを機に、美術館の魅力が広まることを期待します。

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2016/01/29

カマキンはまもなく閉館

 鎌倉にある神奈川県立近代美術館 鎌倉館(通称カマキン)が今週末31日で閉館です。最後の機会に昨日鎌倉まで行ってきました。平日の午後でしたが、チケットを買う列ができていて、20分待ちでした。あと4日で閉館ですから、ミュージアムファンはやってくるのですね。
 館内では最後の企画展<鎌倉からはじまった 1951-2016 PART3 1951-1961 「鎌倉近代美術館」誕生>が開催されています。ミュージアムのコレクションから選ばれた作品展示されていますが、いつもより作品の間隔が狭く、できるだけ多くの作品を見てもらおうという意思を感じます。コレクション展示に加えて館の設計者・坂倉準三のつくった館長の机などの家具も展示されています。
 また作品にはキャプションに加えて、作家の詳しい説明もあり、細やかな展示になっています。お客さんたちも最後の展示を熱心にみています。
 日本で最古の近代美術館であるカマキン。閉館は残念です。

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2015/11/02

神奈川県立近代美術館鎌倉のこと

 今朝の日経新聞・文化欄に神奈川県立近代美術館鎌倉の「鎌倉からはじまった。1951―2016」展の最終章「PART3 1951―1965『鎌倉近代美術館』誕生」展が紹介されています。建物の保存問題がかなり前から報道されていましたが、その結果はちゃんと伝えられていませんでした。
 結論は、神奈川県立近代美術館鎌倉は今回の展示で美術館としては閉館する。しかし、建物は改修工事をして保存される見通し、ということのようです。
 朝日新聞が9月に報道したところによると、
「県は10日、本館棟を保存する意向を明らかにした。本館棟を保存した上で、県と敷地を共有する鶴岡八幡宮に引き継ぐ方向で調整しているという」(9月12日 朝日新聞)
 とのことで、建物は保存されそうです。
 建物は残りますが、神奈川県立近代美術館鎌倉は閉館です。素敵なミュージアムがなくなってしまうのはとても残念。今回の展示にはぜひいきたいと思います。

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2015/10/07

大村さんと美術作品

 今年も日本人がノーベル受賞の嬉しいニュースです。大村さんの功績、半生、人柄などニュースで報じられていますが、驚いたのは美術館を設立していたということ。既に報じられていますが、2007年に私費を投じて韮崎大村美術館を作り、翌年韮崎市に寄贈しました。
 大村さんは美術愛好家でコレクターです。メディアで報じられてところによれば、
「特許料の大半を購入に充てた約3500点にのぼる作品群は『大村コレクション』とも呼ばれています」(Yahoo! ニュース)
 韮崎大村美術館のホームページをみると、コレクションは上村松園、片岡珠子、小倉遊亀、三岸節子など女流画家の作品が中心。若い頃からコレクションをされたということですが、これだけの作品を集めるのは並大抵のことではありません。
 これらの作品を含めまるごと韮崎市に寄付をしたわけで、美術好きにとっては嬉しいし、羨ましいことでもあります。大村さんは
「美術品は人類の共有財産。美術品を鑑賞する喜びを皆さんと分かち合いたい」
 とおっしゃっています。
 ノーベル賞と同じくらいの価値があるミュージアムです。

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2015/10/05

長谷川町子美術館は30周年

 用賀でFPの勉強会があったので、すこし手前でバスを降りて桜新町の長谷川町子美術館に寄ってみました。いま、美術館開館30周年記念 「長谷川町子が描いたサザエさん」が開催されています。
 通常、この美術館の企画展示は所蔵品コレクションを展示することが大半ですが、今回はサザエさんというこのミュージアムにとって本質的な展示です。ただ、ホームページに書かれた展示内容をみても、具体的な内容が想像できにくい。あまり期待しないでいったのですが、かなり充実した展示内容でした。
 展示は3つのパート①漫画の世界、②絵本の世界、③アニメの世界 に分かれています。「漫画の世界」はサザエさんの原画を展示の中心にして、漫画のサザエさんの歴史と長谷川町子の生涯を重ねあわせて展示しています。
「絵本の歴史」はことしのはじめに復刊された「サザエさんえほん」の内容展示。一部は原画が残っていて、興味深いものです。
「アニメの世界」ではサザエさんの家が楽しく再現されています。

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 長谷川町子の生涯を知ることができる「長谷川町子が描いたサザエさん」は魅力的な展示です。サザエさんは永遠なのかな、なんて思いながら館を後にしました。

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2015/05/10

ホキ美術館:写実絵画の世界

 千葉にあるホキ美術館にでかけてきました。日本初の写実絵画専門の美術館で、2010年11月に開館しました。千葉のJR土気駅からバスというちょっと不便なロケーションのため、なかなか行けなかったのですが、やっと訪れることができました。
 そもそも写実絵画とは何なのか。美術史をみれば写実主義という考え(思潮)があります。ネット出調べると「現実をあるがままに再現しようとする芸術上の立場」とあります。ホキ美術館のウエブサイトには
「画家が見たままに、そしてその存在を描いた作品。1年に数点しか描くことができないほど、画家が時間をかけて1枚の絵と向き合い、こつこつと緻密につくりあげた作品です」
 とあります。細密画と言ってもいいのかもしれません。
 この美術館にはホギメディカルの経営者であった保木将夫が集めた約350点の作品を所有しています。美術館は地下1階、地上2階の建物で、9つのギャラリーで構成されています。ここに約160点の作品が展示されています。これだけ多くの写実絵画をまとめてみる機会はめったにありません。多くの作品は日本人画家による作品です。どの作品も驚くほど細かく、丹念に描かれ、圧倒的な描写力に圧倒されます。
 昭和の森公園の隣、住宅街の一角にある美術館の建物も個性的です。展示室は外からみるよりずっとボリュームがあり、じっくり見ると1時間以上かかります。
 写実絵画というのは、わかりやすいですが、絵画から受ける印象をそのまま受け取っていいのか。もっと作品を読み込まなければいけないのでは。そんな思いをいだきながらの鑑賞でした。

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2014/06/22

栃木市の蔵の街美術館

 栃木県の栃木市は人口16万人ほどの市(栃木市という名前ながら県庁所在地ではありません)。ここにとちぎ蔵の街美術館という小さなミュージアムがあります。栃木市は蔵造りの町並みが残され、観光地として人気がある街です。
 とちぎ蔵の街美術館も約200年前に建てられた土蔵3棟を改修し、平成15年に開館した栃木市立の美術館です。地元ゆかりの作家の作品を所蔵し、公開しています。
 ウエブサイトには清水登之、喜多川歌麿、飯塚琅玗斎、橋本邦助といった作家の名前があります。美術史に詳しくない私にとっては存じ上げない作家が多いです。その中で高名な喜多川歌麿は栃木市とどんなゆかりがあったのかな。また奄美大島で暮らしながら創作活動を行った田中一村は栃木市の生まれで、田中の撮影した写真などを所蔵しています。
 現在は、「栃木市の美術と工芸」展が開催されています。蔵を改修した展示室は天井が低いですが、鑑賞には快適なスペース。派手さはありませんが、良質なミュージアムだと感じました。企画展も予定されています。機会を作って再訪したいと思います。

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2014/05/28

鎌倉の神奈川県立近代美術館

 鎌倉投信でお金の話を聞いた後、鎌倉駅へ向かう途中に神奈川県立近代美術館(鎌倉館)に寄りました。日本最古の近代美術館ですが、閉鎖問題で揺れています。
 美術館が建つ土地は鶴ヶ丘八幡宮のもので、2016年の土地契約満了をもって美術館を閉館とするというのが神奈川県の方針です。土地契約終了時に建物を壊して、更地で返還ということが契約にあるということで、異論、反論がでています。美術館の建物は著名な建築家・坂倉準三の設計。建築としても価値が高いとされているため反対論がでているわけです。
 展示室は2階。1階に降りると、そこには彫刻が置かれ、池の睡蓮が広がります。気持ちのいいスペースです。しかし、素人からみると、建物のどのあたりが価値が高いのか。よくわかりません。
 鶴岡八幡宮は休日のため多くの観光客で賑わっていました。その一方、近代美術館あたりはひっそりとして、来場者も少ない。ここを残すためには、よほどの理由がなければ難しいのではないか。そんなことを思いながら美術館を後にしました。


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2014/05/05

川村記念美術館へ

 連休の合間にドライブがてら千葉の佐倉にあるDIC川村記念美術館に行きました。実はこのミュージアムを訪れるの初めてです。編集の仕事をしていた頃、DIC(かつての大日本インキ化学工業)といえば、印刷で使う色見本の定番という印象がありましたが、いまはどうなんでしょう。
 ミュージアムのロケーションはよくはありません。特に東京方面からいくとかなり遠い。公共交通機関だとJRの佐倉駅もしくは京成佐倉駅まで行って、そこから無料の送迎バスで行くことができます。地元の人以外は、ちょっとした旅という感じです。
 ミュージアムのコレクションはDIC創業者の川村一族が集めたものを公開することを目的にして作られたもの。広大な敷地の中に、ミュージアムはあります。

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 コレクションは印象派から現代美術に至る西洋絵画、近代の日本画、彫刻など様々な時代の作品があります。現在は「コレクションは語る」と題して、コレクション作品と文字・言葉・テクストの関係に着目し、企画展示が展開されています。
 このミュージアムの売りのひとつに、ロスコ・ルームがあります。マーク・ロスコの「シーグラム壁画」7点を展示した部屋。もう少し広いスペースかと想像していましたが、意外とこじんまりした場所でした。
 素敵な美術館です。コレクションも充実しています。たっぷり時間をかけて、訪れないともったいない。そんなミュージアムです。

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2014/04/13

ポスカホリックを作ってみる

 どこのミュージアムショップでも売っているのポストカード。いちばん手頃なグッズなので、購入することも多いです。しかし、このポストカード、死蔵されているのが現状。せっかく買ったポストカードを出すのももったいないし、そもそもハガキを書く機会はめっきり減りました。
 ミュージアムのポストカードを活用するために「ポスカホリック」というものがあります。ポストカードを収めて、自分仕様の画集をつくるアルバムです。ポスカ(ポストカード)+ホリック(holic=中毒)=ポストカード中毒という意味かな。朝日新聞が商品化しています。
 先日、このポスカホリックのワークショップに参加してきました。現在三菱一号館美術館で開催中の「ザ・ビューティフル」展の関連企画として行われたものです。主催は経営学習研究所というお堅いところ。以前お目にかかったことのある理事さんからお誘いをいただき、参加してきました。
 ポスカホリックにポストカードを収め、感想を書きこんだり、チケットも貼り付けたりして、自分なりの画集を完成させる体験ワークショップです。面白いです。
 ポスカホリックという素敵なアイディア。まだまだ知名度は高くないようです。ミュージアムファンにはおすすめです。

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2014/04/09

宇都宮美術館のこと

 もう先月のことになりますが、宇都宮美術館にいきました。なんで今更先月のことを書くのかというと、先週末サザエさんの長谷川町子美術館を訪れ、来館者の多さに驚き、「それに比べて宇都宮美術館は」と思い出したからです。
 宇都宮美術館は宇都宮市の設立したミュージアムです。建物の設計は岡田新一。最高裁判所、警視庁などの設計で知られる高名な建築家です。このミュージアムはエントランスから展示室まで開放的な快適な空間がつくられています。

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 訪れたのは3月最終の日曜日午後。企画展として「第4回 宇都宮美術の現在展」を開催中でしたが、展示室は混雑とはほど遠い状態です。ゆっくり鑑賞できるのですが、日曜にこの来場者だと、平日はどのような状態なのか。おおよそ察しはつきます。
 企画展は正直いって刺激的ではありませんでした。しかし、常設展(コレクション展)は椅子をテーマにして、面白いものでした。コレクションの椅子そのものに座ってマグリット作品を見るという場も設けられていて、鑑賞を楽しめます。またカンディンスキーの質のいい作品も展示されていて、これは刺激的です。
 宇都宮美術館、いいミュージアムだと思うのですが、市民の利用度はどうなのか。公立美術館に共通する問題です。運営者は真剣にミュージアムの生き残りを考えているのでしょうか。

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2014/04/06

桜と長谷川町子美術館

 今年の桜も見納めになりそうなので、桜新町に出かけてきました。たまたま隣町の用賀でFPの勉強会に参加したので、花見ついでに長谷川町子美術館に久し振りにいきました。近所のバス停から乗って途中、深沢の桜並木を通り抜けるコースで20分ほどで到着。

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 この美術家にきたのは何年ぶりか。土曜日ということもあって、来館者が多いです。長谷川町子のコレクションを公開することを目的に作られたミュージアムですが、2階建ての展示スペースは程よい広さで落ち着きます。
 現在は収蔵コレクション展「春爛漫/一期一会」が開催されています。桜、春の風景を描いた作品が展示され、季節を感じます。展示されているキャプションをみると2000年代に描かれた作品もあります。長谷川町子が亡くなったのは1992年ですから、没後も作品が収集されています。ミュージアムとして持続的に活動が行われています。
 桜と素敵な作品を楽しんできました。

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2014/03/13

堺屋太一美術館の頓挫

 ここまできて、今更何を言ういう感じの堺屋太一さんです。昨年持ち上がった堺屋太一氏の自社ビルを新宿区の美術施設にする構想を、堺屋氏自身が計画を撤退するとのこと。一昨日の朝日新聞によれば、中山弘子区長宛に文書を提出したと報じられています。
 当初は今年の6月開館を目指していましたが、この美術施設構想に対し議会などが反対、異論が続出。その結果、区は文化芸術振興会議の中に専門部会を設置し、ここで審議を始めていました。専門部会のメンバーは部会長が垣内恵美子政策研究大学院教授。それに美術史家で文化勲章受章者の高階秀爾氏、世田谷美術館館長の酒井忠康氏など重鎮が揃っています。
 審議はまだ始まったばかりのようで、今週末15日に予定されていた会議は当然中止です。
 記事によれば15日の会議では堺屋氏へのヒアリング、現地視察などが予定されていたそうです。突然、逃げ出したということですか。しかし、この美術施設構想、問題の責任は曖昧なまま即断で進めようとした区長にもあるのではないでしょうか。しっかりと区民に説明して欲しいです。
 

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2014/03/04

美しい馬頭広重美術館

 栃木への小旅行、目的のひとつは那珂川町馬頭広重美術館でした。平成12年(2000年)に馬頭町広重美術館として開館し、その後町の合併により、那珂川町になったため、現在の名称になっています。
 建物は隈研吾の設計によるミュージアムです。隈研吾といえば、歌舞伎座、根津美術館、サントリー美術館などの設計が思い浮かびます。和の素材を使った建物が印象的です。那珂川町馬頭広重美術館も木を主体にした美しい建物です。建物の中に入ると、落ち着いた雰囲気に、隈研吾の作品らしい和やかさを感じます。いいミュージアムです。

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 この美術館は実業家の青木藤作が寄贈した美術品(青木コレクション)が所蔵品の中心で、この作品を公開することを目的に作られました。歌川広重の浮世絵。それに加えて歌川国貞、川村清雄、、小林清親など4000点をこえるコレクションです。
 素敵なミュージアムで、広重の版画をみることができます。ただ、ここに辿り着くのはかなり大変。JR宇都宮駅から車で1時間ほどかかりました。東京からだと3時間はかかりました。公共交通機関だと、東武宇都宮駅から2時間に1本ほどのバスで1時間40分ほど。帰りの便を考えると、かなり不便。
 多くの人が訪れることは難しそうです。美しいミュージアムをみながら、ちょっと複雑な気持ちになりました。
 

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2014/02/13

小さな吉祥寺美術館

 吉祥寺は魅力的な街ですが、うちからはちょっと離れているのでめったに足を運びません。思いついて吉祥寺美術館に行ってみました。武蔵野市立のミュージアムですが、場所は駅からほど近いコピス吉祥寺というファッションビルの中にあります。
 商業ビルの中にあるミュージアムでは森美術館が思い浮かびますが、2002年開館の吉祥寺美術館は小さな美術館です。展示スペースは企画展示室、浜口陽三記念室、萩原英雄記念室の3つ。企画展示室は147㎡ほどのスペースですから、画廊ほどの広さです。
 浜口陽三、萩原英雄の記念室があるということは、両作家の作品を保有しています。2人とも武蔵野市の出身ではないので、作家として活動した時期に武蔵野市に住んでいたということでしょうか。吉祥寺美術館では 日本画、油彩、版画、写真など約2000点の作品を所蔵しています。
 専門の建物ではなく、ファッションビルに設置するというは、経費的には負担がかからず良い選択肢かもしれません。今後はこんなミュージアムが増えていくのではないでしょうか。

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2014/02/10

今回のミュージアム・サミット

 2日目のミュージアム・サミットにはいくことが出来ませんでした。午前中は横須賀線が逗子までは走っておらず、会場への唯一の交通機関であるバスが運休で、辿り着くのは無理。登壇者など関係者、遠方からの参加者は現地に宿泊していたので、2日目もサミットは行われました。ただ雪のため、午後予定されていた参加者による討論(ワールドカフェ)が割愛されました。
 Ustreamで配信されていたので、それを見ました。今回のミュージアム・サミットのメインテーマは「ミュージアムが社会を変える」。1日目のテーマは「国の文化政策と政治家の役割」2日目が「ミュージアムがコミュニティを創る」。(詳しいアジェンダはここを)全体のテーマはすごく大きい。はたしてミュージアムは社会を変えることができるのか。かなりハードルが高い課題です。
 ミュージアム関係者にとって、今回のテーマはどれほど響いたのか。1日目の会場で感じたのは参加者が前回より少なかったことです。登壇者、主催者側に方はかなりの人数だったのですが、参加費を払って参加した人は何人くらいだったのかな。定員は80人ですが、その人数はいなかったような感じでした。
 前回のサミットでは参加者同士で討論する時間がかなりあったのですが、今回は2時間足らず。それも雪の影響でカットされてしまいました。ほとんど時間が登壇者の講演、発表をきく形式でした。ちょっと残念です。
 ミュージアム・サミットの内容が変わってきたのは、ミュージアムが置かれている状況がますます厳しくなっているということではないか。そんなことを思った今年のサミットです。

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2014/02/09

雪の湘南国際村へ

 首都圏を襲った大雪の中、昨日出掛けてきました。「第6回 21世紀ミュージアム・サミット」というシンポジウム(会議?)に参加するためです。2年ごとに開催されるミュージアム関係者が集う場です。
 一昨年も参加させていただいたので、今年も申し込んでいたのですが、生憎の大雪です。会場は湘南国際村にある湘南村センター。会議場と宿泊施設を備えた施設です。三浦半島の小高い丘の上にあり、天気が良いときは相模湾、富士山の眺めが素晴らしい絶好の立地です。
 しかし、雪の日は最悪でした。朝、YCATからバスが出ているのでそれに乗ろうとしたら、運転手さんが「スタッドを履いていますが、雪で坂を上れないので、ふもとでチェーンをつけた別のバスに乗り換えていただきます」といいます。いまさら別なルートでいく余裕もなく、言われた通り、バスを乗り継いで会場へ。
 ミュージアムサミットは予定の時間から少し遅れて開始。しかし、天気予報通り、雪は強くなるばかり。午後2時過ぎ、「(帰りの逗子駅行き)2時35分のバスは予定通りですが、その後はバスの運行はわかりません。お泊まりでない方(遠方からきた人、登壇者、スタッフはここに宿泊)はこのバスに乗ることを強くおすすめします」とスタッフからのアナウンス。
 そこまで言われたら帰るしかないでしょう。吹雪のような状態の中、京急の逗子までバスでいき、なんとか帰宅しました。京急はその時点では運行していましたが、横須賀線はすでに運行を中止していました。京急も夜には運行中止。危なかったです。
 サミットは今日も予定されているのですが、参加するか迷います。久し振りの大雪に困りました。

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2014/02/01

茅ヶ崎市美術館と平塚市美術館

 ドライブがてら茅ヶ崎市美術館に出掛けてきました。企画展目当てではなく、まだ訪れたことのないミュージアムに行ってみようと思い立ちました。茅ヶ崎市が運営するこの美術館は、平成10年(1998年)の開館です。開館してまだ16年目ですから、自治体が運営するミュージアムとしては新しいほうです。
 美術館の沿革をみると、計画のはじめは1990年。まだバブル景気のさなかにあった時代です。その後、バブルがはじけても、計画は進められ、1998年開館に至っています。
 美術館の建物は大きくはありませんが、3つの展示室、アトリエ、ハイビジョンシアター、カフェなどがありますコレクションは茅ヶ崎にゆかりのある作家や作品を中心に約1,500点。施設はミュージアムが備える基本機能を備えていますが、ハイビジョンシアターは90年代に作られた多くのミュージアムにあるものですが、今は使われていないようです。

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 建物も快適でいいミュージアムですが、茅ヶ崎市の隣の平塚市には平塚市美術館があります。平塚市美術館は1991年開館。バブル期に計画され、設立されたミュージアムで、建物も大きい立派です。

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 この美術館ではかなりのコレクションを持っているようです。展示室ではコレクション展が開催されていましたが、私以外に観覧者は2人でした。平日はこんな感じなのでしょう。
 茅ヶ崎市美術館から平塚市美術館へは車で20分ほどで行くことができます。これほど近いところに2つの美術館が必要なのかと思わざるを得ません。今後の管理を考えると、行く末が心配になります。


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2013/11/29

堺屋太一のビルが美術館に?

 一昨日の朝日新聞の東京版にいささかあきれる記事が載っていました。記事によれば、作家の堺屋太一氏が新宿に所有する自社ビルの1、2階を所蔵する絵画などを展示する区立の美術展示室にして欲しいと申し出ている。堺屋氏は、ビルの1、2階を無償で新宿に貸し出し、「区立美術愛住館」(仮称・愛住はビルのある地名)にする。中山弘子区長は乗り気だが、区議からは「公平性に問題がある」と異論が続出し、構想が中断しているというのが、その概要。
 問題点はいくつかあって、まず堺屋氏が代表理事を務める財団法人「堺屋記念財団」が指定管理者として区から費用を年間1500万円受け取るとる予定であること。区議が問題視しているのは、入札で決めるのが原則の指定管理者を、区長の独断で決めようとしていました。また、堺屋氏は所蔵する絵画約300点を寄付するとしていますが、そのうちの3分の2が夫人の画家・池口史子氏の作品。
 堺屋ビルの1、2階はすでに美術施設にするつもりで、入居者に立ち退いてもらい、施設の改装や設計をはじめています。この改修費は堺屋氏が負担し、氏の死後は区の寄贈したいといいます。
 まあ、滅茶苦茶な話です。堺屋氏の考えも公的な施設とは何かを理解していると思えない。独断で構想を進めた区長は更にひどい。記事にある中山区長のコメント。
「区は限られた予算の中で、文化的なブランド力を高められる。堺屋氏側にとっても公立美術施設にでき、お互いにメリットがある」
 一部の作家の展示しかしないであろう施設を作って、文化的なブランド力が高まるとは思えません。
 このまま施設が実現したら、新宿区の文化レベルは最低ということを示すことになるでしょう。いますぐ、計画をやめてください。

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2013/11/13

世田谷美術館の豊富なコレクション

 砧公園の中にある世田谷美術館にいくと、「世田谷区というのは別格だな」と思わざるをえません。人口は約83万人と政令指定都市並みです。美術館の規模も大きく、ローカルの県立美術館にも匹敵する存在感。
 先日の日曜に会期を終えた「アンリ・ルソーから始まる素朴派とアウトサイダーズの世界」を見ましたが、企画展ながらすべて世田谷美術館のコレクションで構成されていました。ふつうは○○美術館展といった企画でなければ、企画展では自館のコレクションだけでなく、他館からの借用品も加えて構成されるのがふつうの姿。経費節減という事情もあるのでしょうが、自館のコレクションだけで企画展ができるのは、豊富な所蔵品をもっているからです。
 「アンリ・ルソーから始まる素朴派とアウトサイダーズの世界」では、コレクションの核であるアンリ・ルソーと内外の素朴派およびアウトサイダー・アートの作品 更に作品と関連する近現代作家の作品で構成されていました。草間彌生の70年代のコラージュ作品、マックス・エルンスト、ジョアン・ミロのブロンズ像といった珍しい作品も展示され、こんな作品をもっているのか、驚きでした。
 世田谷美術館のコレクション数は約15,000点とかなり多い点数です。これだけの数を所蔵している公立美術館は少ないと思います。常設展示ではいま「気になる、こんどの収蔵品」と題して展示が行われています。2008年から2012年の5年間に収蔵された作品を公開しているのですが、この5年でもかなりの数のコレクションが増えています。
 もう少し足場がよければ頻繁に通うのですが、車でしかいけないところがちょっと残念なところ。しかし、わざわざ出掛ける価値のあるミュージアムです。世田谷区が羨ましい(笑)。

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2013/08/31

逓信総合博物館が閉館

 大手町にある逓信総合博物館にいってきました。このミュージアムは今日限りで閉館です。大手町というビジネス街の中にあるミュージアムは、その歴史を閉じようとしています。
 なぜ、逓信総合博物館に出掛けたのか。実は小学生の時、ここへ何回か通いました。詳しい経緯は、頭の悪い子供なので覚えていませんが、ワークショップ(当時はワークショップなんて言葉はありません)みたいなイベントがあり、参加したのがきっかけ。その後、何回か通った記憶があります。家から近くはないのに、交通費とかはどうしたんだろう。親にいただいたのでしょう。
 当時の展示は、電話がメインでした。最新技術として教えてもらったクロスバ交換機というのを覚えています。固定電話しかなかった時代は、交換機に技術の粋が集められていました。携帯電話が主流の今はどんなテクノロジーが使われているのでしょうか。時はは流れました。
 逓信総合博物館の展示には懐かしいものがいくつもありました。撮影がOKだったので、写真を紹介します。

 ダイヤル式の電話とプッシュホン。いつ頃まで使っていたのだろう。

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 公衆電話も変遷しています。

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ポケットベルを使った時代もありました。

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 電話というメディアはこれからも進化するのでしょうか。電話という古いメディアの今後を思った逓信総合博物館での体験でした。

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2013/08/24

難度が高いすみだ北斉美術館

 昨日の朝日新聞東京版に小さく報じられた「北斉美術館建築 予算増で再入札」は、なかなか興味深いものがあります。内容は墨田区が2015年に開館を予定している「すみだ北斉美術館」の建築工事入札のことです。入札を行ったところ工事業者が「難度が高くて採算に合わない」と辞退し、入札不調になっていたということです。
 この建物の設計者はプロポーザル方式で選ばれた妹島和世。記事によれば「建屋が複雑に絡み合い、見る角度によって外観が変わるのが特徴」の建物で、予定価格は11億1千万円とされていました。この「すみだ北斉美術館」は区の資料によれば地下1階、地上4階で延べ床面積3500㎡。朝日新聞によれば建物の建築工事費は約18億円。これは適正な価格なのか。専門家でないでよくわかりません。区は補正予算を組んで、予算を増やす考えです。
 しかし、地方公共団体の財政が厳しいこの時代に、新にミュージアムを予定するとはある意味大胆。墨田区の25年度一般会計予算は約1000億円ですから、18億円ほどの出費は大きくないとは言えます。しかし、高名な北斉といえども、1人のアーティストに特化したミュージアムを作るということには、ちょっと驚きます。
 妹島和世の設計はきっと素敵だと思いますが、ミュージアムの価値はあくまでその中身です。墨田区の覚悟はどれほほのものなのか。再来年の完成が楽しみです。

すみだ北斉美術館ウェブサイト

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2013/07/25

お台場のサンダーバード

 お台場の日本科学未来館で開催されている「サンダーバード博」に行ってみました。この館を訪れのは久しぶりです。子供がまだ小さい頃にきたとき以来かも。行き損ねてしまいましたが、今年の前半には「波瀾万丈! おかね道―あなたをうつし出す10の実験」なんて面白そうな企画展をやっていて、最近企画が充実している印象のサイエンスミュージアム。
 さて、サンダーバード博ですが、何故いまサンダーバードなのか。日本のテレビで放映されてから47年が経過し、新しい映像があるわけでもありません。日本では何度もテレビで放映され、DVD、Blue-rayもでているので、幅広いファンがいるでしょうが、ちょっと唐突な企画な感もあります。
 ともあれ、古いサンダーバードマニアとしては、見逃すわけにはいきません。展示は4つのパートで構成されていますが、マニアにとっては「サンダーバードギャラリー」がいちばん嬉しい。サンダーバード1号から5号、ペネロープ号などの精密な模型展示にはこころ踊ります。

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 展示の後半は「先端技術展示」としてサンダーバードで描かれたシーンを現在の日本の技術と比較して展示します。日本科学未来館らしい展示であり、スポンサータイアップ的な企画です。
 開催初日のはNHKのニュースでも取り上げるほどだったので、かなり期待して行ったのですが、展示のボリュームはそんなに大きくなく、入場料1300円(大人)はちょっと高いかな。混雑しているかと思い、夏休み前の先週に訪れたのですが、空いてました。時間とお金に余裕のあるかたにはオススメします。


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2012/12/16

科学技術館のいま

 久しぶりに科学技術館に行きました。北の丸公園、武道館のそばにある科学の博物館です。何十年ぶりのことでしょうか、子どもの頃きて以来です。目的は展示をみることではなく、とある研修会を受けるためです。いまだ健在なのにちょっと驚きました。
 研修は建物の中にある会議室で行われたのですが、さすがに年季を感じます。調べてみるとオープンは1964年(昭和39年)といいますから、東京オリンピックの年。そばにある武道館や代々木の体育館、国立競技場と同じ年齢です。さすがに老朽化は隠せません。
 研修が始まる時間に合わせて、朝の9時過ぎに九段下の駅から科学技術館に向かっていると、館の手前にかなりの行列ができています。優に100人はいます。「科学技術館はこんな人気か?」と思いながら館の入り口に着くと、行列のわけが分かりました。とある衣料メーカーのバーゲンです。地下にあるホールがバーゲン会場でした。
 いまやサイエンスミュージアムでバーゲンをやる時代です。科学技術館の運営は日本科学技術振興財団という公益財団法人ですが、ここが貸し出してビジネスをやっているのでしょうか。つまらないことですが、興味を持ちました。
 ロビーは賑わっていましたが、バーゲンへの人が多そうです。科学技術館も運営が楽ではなさそうです。

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2012/12/06

東京都写真美術館とファンドレイジング

 恵比寿にある東京都写真美術館のファンドレイジングを担当されている方のお話をうかがう機会がありました。ミュージアム関係者の間では、この館が民間からの資金集めに成功しているということは有名です。ファンドレイジングがなかなか定着しないミュージアムで、ファンドレイジングの専任者を置き、企業などからの協賛金を集めています。
 企業、学校、団体などからの協賛は「支援会員」という制度で、1口30万円(年間)。今年の11月6日現在で支援会員になっているのは258法人です東京とはいえ、ひとつのミュージアムでこれだけの企業からの支援を受けていることは、継続的な活動の成果だと思います。
 写真美術館の年間予算は平成24年度で10億円。そのうち東京都からの予算が6.8億円、ファンドレイジングを含めた館の活動で集める自主財源が3.2億円。総予算の内、3分の1が自主財源というのは公立美術館としては驚くべき数字です。都からの予算は平成7年の開館時には20.4億円もありましたが、それが今年度はその3分の1以下です。しかし、開館時に20万人弱だった来館者が、昨年度は42万人です。お金がなくても、来館者を増やすことがきるというわけです。
 うかがったお話で印象深かったのは、民間から資金を導入することの意味。民間から資金を集めることは、多ければ多いほどよい、と思いがちです。しかし、公立美術館は税金で運営されています。
「公立美術館としての節度を持つ」
 という表現で、ファンドレイジングの姿勢を示されていました。やみくもに資金を集めることが正しいことなのか。公立ミュージアムと民間との関係について、改めて考えさせられました。
 東京都写真美術館の挑戦はこれからも続いていくことでしょう。

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2012/12/01

歴博への小さな旅

 シンポジウムに参加するため、歴史民俗博物館にいってきました。通称歴博、正式には国立歴史民俗博物館ですが、はじめての訪問です。私にとっては洛中洛外図の歴博甲本、歴博乙本を所蔵する博物館という程度の認識のミュージアムでした。
 うちからだと遠いのが、これまで行ったことがない最大の理由。最寄り駅は京成線の佐倉ですが、そこから15分以上歩きます。バスもありますが、博物館の前までいくのは1時間に2本程度です。JRの佐倉駅からもバスで行くことができますが、これは1時間に1,2本でそれも14時台までしかありません。
 シンポジウムの合間に企画展、常設展示を拝見しました。常設展示が広いです。時代に沿って第1展示室から第6展示室まで6つの展示室があります(第4展示室はリニューアルのため閉鎖中)。原始時代から現代に至るまで、資料、模型、映像などを使い歴史の変遷が展示されています。開館は1981年ですが、展示は古びた感じがないので最近リニューアルされたのでしょう。広大な展示スペースは、じっくり見ると半日はかかりそうです。
 これだけの立派な施設ですが、平日のため来館者は多くありません。小学生の団体が目立つくらいです。何故、国立でこれほど大規模な博物館が、こんな辺鄙な場所に作られたのか、という疑問が浮かびます。恐らく大人の事情があったのでしょう。でももったいないです。もっと便利なところにあったら、いろいろな利用が可能でしょう。
 佐倉へのちょっと小さな旅になりました。

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2012/11/18

石ノ森萬画館の再開とサイボーグ009

 昨日、石巻の石ノ森萬画館が再開されたことをニュースで知りました。大震災で大きな被害を受けてから1年8ヶ月での再開は、「石巻地域の被災した主要な観光・文化施設の中では初めてとなった」(河北新報)とのことです。昨年4月に現地でみたのは萬画館の周辺建物は津波で流されたひどい光景でした。そこからの復活は、関係者、支援者の大変な苦労、努力があったかと思います。
 石ノ森章太郎と言えば、私にとってはサイボーグ009です。小学生の時、「週刊少年キング」を愛読していました。いまから考えると、「マガジン」「サンデー」と比べてマイナーな週刊マンガ誌と言えますが、当時はそんなことは思わず、毎週楽しみにしていました。サイボーグ009が最初に連載されたのは、この週刊少年キングです。Wikipediaによれば連載開始は1964年。その後、「マガジン」「冒険王」「COM」などに連載されたようです。
 当時は石森章太郎というペンネームの頃でしたが、サイボーグ戦士という卓抜した発想のマンガに熱中しました。マンガを読むだけでなく、石ノ森章太郎の『マンガ家入門』まで買ってきて、マンガを描こうなんて大胆なことを夢想したことも。折しもサイボーグ009は映画「009 RE:CYBORG」が公開されています。サイボーグ戦士たちの現代版のようです。
 復活した石ノ森萬画館。サイボーグ戦士のように強く生き残ってくれることを願っています。

石ノ森萬画館ウエブサイト

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2012/10/26

東工大で益子焼

 大岡山にある東京工業大学博物館「東工大で益子焼  ~知る・ふれる・つかう~」展が開催されています。東工大と益子焼とは、珍しい取り合わせの展示です。東工大と益子焼の関係はどこにあるのか。
 益子に居を構えて本格的に作陶をはじめた濱田庄司は、東工大の前身である東京高等工業学校窯業科を卒業しています。またた濱田に憧れ東京工業大学に入学し、濱田を師として益子の地で修行を積んだ島岡達三もいます。2人は人間国宝になっています。東工大というのは芸術家も輩出しているのです。
 本展は東京工業大学博物館の特別展示として行われているもので、益子の陶芸家15人が作品を出展。展示された作品は、鑑賞するだけではなく値段が付けられ、買うことができます。まさに「知る・ふれる・つかう」というわけです。
 東京からはそんなに遠くはない益子ですが、まとめて作品をみる機会は多くはありません。出展している作家は濱田庄司の次男・濱田晋作、晋作の次男・濱田友緒をはじめ、年齢、キャリアも様々な人達。その作風もそれぞれ個性があり、魅力的な器が展示されています。
 東京工業大学と益子焼という挑戦絵的な展示は、この大学の新たなものに取り組もうという姿勢を感じました。素晴らしい企画展です。会期は28日までです。

「東工大で益子焼  ~知る・ふれる・つかう~」

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2012/07/31

中国の「博物館強国」計画

 ロンドンオリンピックメダル獲得数でトップを走る中国ですが、文化の面でも力強い姿勢を見せています。昨日の朝日新聞夕刊に「中国『博物館強国』計画」なる記事があります。記事の出だしにこうあります。
「中国が国を挙げて、博物館の充実に力を入れている。長大な歴史を誇り、世界的にも豊かな文明をはぐくんだ力を内外にアピールし、文化でも東アジアの主導権を握ろうとの思惑があるようだ」
 中国政府は昨年、「中国博物館事業の中長期発展計画」を策定し、博物館強国を目指してプロジェクトを進めています。記事によれば
「20年までに全国の博物館を6千館と、現状の約3400館から倍増させ、全国の総入場者数も、現在の年間3億人から10億人に増やすとしている」
 わずか8年で今の倍のミュージアムを作るという無謀とも思える計画です。さらには、
「博物館を愛国主義教育の基地として学校教育と連携させることや、外国人観光客向けツアーの創設、全国の博物館グッズの売り上げを20年までに年間1億元(約12億円)以上とするなど、政治・経済的にも活用し、もり立てることをうたう」 
 ということです。愛国主義教育の基地、というのが中国らしい。
 中国政府は博物館強国達成のため、潤沢な文化予算を用意しています。例えば政府が08年に打ち出した博物館の入場無料化では、減収分を補填するために、09年は20億元(約245億円)、10年は24億元(約294億円)もの補助金を全国の博物館に交付したそうです。
 我が国の文化予算は(ちょっと数字は古いですが)2009年で1,015億円(文化庁調べ)。全体で1000億円しかない日本と、博物館の無料化への補填金だけで200億円以上の予算を使い中国。スケールが違います。日本の博物館はいまだ有料のところがほとんどという現状を考えると、ちょっと情けなくなります。
 経済発展の次は文化政策の充実。かつて日本にもそんな時代がありましたが、これからは中国。この国のパワーはこれからも続くのでしょう。

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2012/07/21

マニアックに楽しい特撮博物館

 特撮映画を熱心に見たのはもう何年前のことでしょうか。小学校の頃、東宝の怪獣映画、テレビでのウルトラQ、ウルトラマンなどのシリーズ。もう40年以上も前のことです。その頃の懐かしい記憶が鮮やかに蘇ってくるのが、東京都現代美術館で開催されている「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアでみる昭和平成の技」です。
 毎年、夏休みの時期にはジブリものの企画で集客をする現代美術館ですが、今年はちょっと変わった企画です。新世紀エヴァンゲリオンの監督庵野秀明が企画した特撮映画ワールドで、現代美術館らしからぬ企画ともいえます。
 しかし、特撮映画を見た世代にとっては懐かしく、魅力ある展覧会です。夏休みになると混雑するだろうと、その前の平日にいったのですが、それでも大賑わいです。驚いたのは若い世代が多いこと。女性もいます。特撮の同世代とは見えない若者たちです。
 展覧会では映画で使われた数々の模型、撮影セット、構想のスケッチなどなどが展示され、特撮映像が制作された技がさまざまな角度から紹介されています。大好きな海底軍艦の模型ももちろんあります(笑)。
 特撮映画と言えばなんといっても円谷英二の技術ですが、本展では円谷が作った東宝映画、ウルトラシリーズだけでなく、大映のガメラ、大魔神も展示されています。映画会社を超えた特撮ワールドが展開されているのが嬉しいです。またスタジオジブリが制作した短編映画「巨神兵 東京に現わる」も会場で公開されていて、これもワクワクする映像。
 会場にいると、遙か昔の楽しかった映像を思い出しました。今はCGで映像をつくれる時代ですが、当時特撮とはどれほどの価値、意味があったのか。そんなことまで考えさせられる素敵な展示です。マニアックなファンでなくても楽しめます。ぜひどうぞ。
 
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2012/07/14

橋下市長と文化

 昨日まで日経の文化欄に「橋下改革と文化」と題された連載記事がありました。橋下市長の文化に対する姿勢はかなり厳しいものがあると言われていますが、その内容をレポートした4回の記事でした。批判が中心と思って読んでみるとそうでもなく、橋下市長は文化にとって必要なことを行おうとしていることがわかりました。
 文楽協会や大阪フィルへの予算削減は批判もあるでしょうが、その一方で美術館、博物館の「地方独立行政法人(地方独法)」での一元運営とアーツカウンシル構想は興味深いものがあります。特に地方独立行政法人(地方独法)でのミュージアム運営は以前から大阪市が国に働きかけながら実現しなかったもので、橋下市長の突破力の期待が寄せられているようです。
 5つある国立の美術館は独立行政法人国立美術館という組織で運営されていますが、地方の美術館は行政の直営か外郭の財団が運営するかのどちらかです。また運営形態は指定管理者制度で行われているところも少なくありません。日経の記事によればこれまで国が独立行政法人を地方に認めてこなかったのは「指定管理者制度の導入を優先すべきだ」という理由が大きいとのこと。
 しかし、指定管理者制度はコスト削減を目的とするところもあり、ミュージアムの継続的な運営に対しては適さないとの批判も少なくありません。独立行政法人という形態がベストでないかもしれませんが、地方の美術館、博物館は独立採算の道を目指していかないと、存続は厳しいことは間違いがありません。
 橋下市長は文化行政の改革を語るとき、必ず口にする言葉が「自助・自立」だそうです。地方財政の困窮から、公的な予算だけで文化を支えることができないのは明らかです。新しい文化行政の枠組み作りが求められています。橋下市長の改革で、文化行政がどう変わるか。期待したいところです。

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2012/04/24

東京おもちゃ美術館で遊ぶ

 東京でミュージアムというと大きな展覧会をやっているところが思い浮かびますが、中には小さいながら個性豊かなミュージアムも少なくありません。四谷にある東京おもちゃ美術館はユニークな活動を行っているミュージアムです。
 東京メトロの四谷三丁目の駅から歩いて10分弱のところにある美術館は廃校になった四谷第四小学校校舎に入っています。この建物は昭和11年竣工という歴史があります。東京おもちゃ美術館は以前は中野にあったのですが、2007年地元住民の誘致をうける形で移転して、リニューアルオープンしたものです。
 東京おもちゃ美術館は認定NPO法人の日本グッドトイ委員会によって運営されている私立のミュージアムです。公立の美術館はどこも財政面で厳しい状況ですが、私立のミュージアムも状況は同様です。おもちゃ美術館は、独自の運営方法で、活動を継続しています。
 運営面での特徴で注目されるのは、一口館長とおもちゃ学芸員という制度です。一口館長は美術館基金への寄付をすることで、様々な特典があります。例えば1万円以上を寄付すると、寄付者の名前入りの積み木が入り口に飾られます。個人の寄付募集ですが、一口館長というネーミングがうまいと思います。
 またおもちゃ学芸員は、ボランティアのことです。一般的にミュージアムのボランティアは報酬はありません(ボランティアだから当然)。これに対しておもちゃ学芸員になるためには指定された講習を受けなければいけませんが、これが有料講習です。つまり、おもちゃ美術館でボランティアをするためには無償ではなく、お金がかかります。なかなか素晴らしいシステムです。
 おもちゃ美術館の来館者は子どもと親や祖父母がほとんどですが、おもちゃ学芸員の方はいきいき来館者に対応しています。とても楽しそう。この美術館では来館者よりボランティアのおもちゃ学芸員が主役ではないかと思えるほどです。
 東京おもちゃ美術館は、小さいながらとても魅力的なミュージアムだと思います。大人の方でも楽しめます。ぜひどうぞ。

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2012/02/25

国立美術館の収益が自己資金になるらしい

 昨日の朝日新聞に興味深い記事が出ていました。記事曰く
「国立の美術館や博物館などが入場料、グッズ販売などで得た収益金について、文部科学省は現行制度を見直し、各施設が独自に使えるようにする」
 とのこと。美術館、博物館事情に関心がない人には、よくわからないと思います。国立の美術館、博物館、能楽堂などは独立法人化されて運営されています。独法化はもう10年以上前で、文化に関わる法人は国立美術館、文化財機構(東京国立博物館はここに入ります)、日本芸術文化振興会(国立劇場、能楽堂など)の3法人あります(あと科学博物館が別法人)。
 独法化の運営では、それぞれの館が経営努力してあげた収益は国庫に召し上げられる仕組みです。これでは「職員の頑張りが報われず、民間的な経営理念が育たない」(朝日新聞の表現)ということになりかねません。これに対し文部科学省は現行制度を見直し、各施設が独自に使えるようにするととのこと。これは以前から問題として指摘されていたことで、やっと法人らしいまともな仕組みになるということですかね。
 記事を読んで驚いたのは
、「野田政権は、現在102ある独法を65法人に再編する方針。この改革で、3法人は「文化振興型法人」として統合されることが1月に閣議決定された」
 ということ。こんなこと知らなかった。新聞などマスコミでも詳しくは報じられていません。要は無駄なお金を削減しようということなんでしょう。
 この制度見直し、2013年にも実施する方針だそうで、これを契機に国立のミュージアムなどが変わっていくのか、まだまだ未知数なことが多いように思います。今後の動向に注目です。
 

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2012/02/06

100人で語るミュージアムの未来 その2

 この週末、「21世紀 ミュージアム・サミット」に参加してきました。このミュージアム・サミットは2003年に第1回が開催され、以後隔年で行われていて、今回が第5回になります。第1回から第3回までは国内外からミュージアム著名な関係者を招いての講演、討議が行われる形式ですが、前回の第4回は参加者が討議をしていく「100人で語るミュージアムの未来」が中心となる内容で行われました。
 今回のサミットは「100人で語るミュージアムの未来 Ⅱ」とされ、参加者が分科会に別れてミュージアムの抱えている課題と問題解決の方法について語り合う内容を中心に行われました。会場にはミュージアムで仕事をしている人(館長、学芸員、ボランティアなど)、研究者、企業人、NPOで働いている人など、ミュージアムに関わっている様々な人々が100人以上集いました。
 基調講演として、1日目に作家の池澤夏樹、2日目にジョン・ホールデン(英国シティー大学客員教授)がありました。参加者が討議する分科会は、討議のテーマは次の4つ。
・営む知恵 (ミュージアム・マネジメント)
・高め合う市民とミュージアム (ミュージアム・リテラシー)
・選ぶ、残す、伝える、使う  (ミュージアム×アーカイブズ)
・人が集まるミュージアムのつくり方 (ミュージアムの企画とパブリック・リレーション)
 
 ミュージアムの置かれている状況は、「冬の時代」とも言われ、どの館も厳しい状況です。その中で、ミュージアムに関わる人々は、改善、改革への取り組みのため、真剣に努力をされています。私はミュージアム・マネジメントの分科会に参加したのですが、ミュージアムに関わるプロの方に囲まれて、教えていただきながら、充実した討議をすることができました。
 ミュージアムのこれからの道筋を考えることができたミュージアム・サミット。とても有意義な時間を持てた2日間でした。
 
2012 ミュージアム・サミット

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2011/11/29

全米博物館協会からのメール便

 一昨日だったか、簡素なビニールに包まれたクロネコヤマトのメール便が届きました。なにか広告かと見てみると、宛名が英語で書いてあります。ELVIS.COMかなとよく見ると、と題字の入った冊子です。The American Association of Museumsの会報が来たことにやっと気付きました。
 The American Association of Museumsに9月だったか、入会しました。全米博物館協会と訳せばいいのでしょうか。アメリカのミュージアム学会に入ろうと探したのですが、どうやらこのThe American Association of Museumsが大きな組織のようで、何事も体験と入会してみたわけです。日本での学会とはちょっと違うようです。全米のミュージアムを束ねる組織、といった感じでしょうか。
 ともあれ、年会費90ドルを払って入会したThe American Association of Museumsですが、会報が送られてくるとは思っていませんでした。面白いのは会報の包装。なんといえばいいのか、密閉されていないビニール袋です。なんといえばいいのか、ポケットティッシュの袋を開けたような袋の大きなものです。こんなんで、遙かアメリカから来たなんて。おまけに日本側はクロネコのメール便です。ちょっとすごい。
 
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2011/11/04

面白い! カップヌードルミュージアム

 カップヌードルって最初に食べたのはいつなんだろう。思い出せない。こんなことを思いながら、「カップヌードルミュージアム」を楽しんできました。カップヌードルミュージアム、正式名称は安藤百福発明記念館。9月17日に横浜に開館したインスタントラーメンをテーマにした究極のテーマミュージアムです、
 場所はみなとみらい駅から歩いて10分弱。新しく建てられた5階建ての建物です。カップヌードルミュージアムですが、その内容の多くは日清食品の創業者であり、インスタントラーメン、カップヌードルの発明者・安藤百福の業績をたどる展示です。その内容は映像などを駆使した展示で楽しく作られています。安堵の仕事がよくわかります。
 今回時間がなく体験できなかったのですが、自分オリジナルのカップヌードルが作れる「マイカップヌードルファクトリー」とチキンラーメンができるまでを体験できる「チキンラーメンファクトリー」が大人気でした。特に家族連れ、カップルの方には絶好のエンターテイメントスペースです。

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 日清食品がやっているる企業ミュージアムなので、本来は無料なのが筋でしょうが、しっかり入場料500円がかかります。また、マイカップヌードルファクトリー、チキンラーメンファクトリーも別料金。しかし、平日ながら多くの人で賑わっていました。企業としてはお金をいただいて、商品の宣伝、広報ができるんだから、これ以上のことはありませんね。きっと休日は大混雑なんでしょう。
 ミュージアムとは何か。いくつものことを考えさせてくれるカップヌードルミュージアムでした。

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2011/10/23

贅沢なLOUVRE-DNP MUSEUM LAB

 東京・五反田にあるLOUVRE-DNP MUSEUM LABに久しぶりに行ってきました。ここはパリ・ルーヴル美術館とDNP大日本印刷による共同プロジェクトスペース。ルーブル美術館の作品を数点展示し、この作品について絵像、音声を駆使したマルチメディアコンテンツで鑑賞できるシステムが提供されています。
 定期的に企画展を行っていて、現在は今月8日から始まった「「来世のための供物展 古代エジプト美術から読み解く永遠の生への思い」が開催中です。 古代エジプトの祭礼についての考え方を7点の作品をもとに解説してくれるものです。このLOUVRE-DNP MUSEUM LABの特徴は映像、音声を活用した展示システムです。久しぶりに見た内容は、システムが進化していました。すごくお金がかかっている感じです(詳しくはここを)。
 展示スペースは展示室、シアター、ホワイエの3つですが、見終わったら1時間くらい経っていました。なかなか内容が濃い展示です。これだけの中身がありながら、入場は無料(事前予約が必要です)。土曜日ながら来場者も多くなくゆったりと鑑賞できました。なんとも贅沢なスペースです。

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2011/09/09

藤子・F・不二雄ミュージアムは新しくて、懐かしい

 今月3日に川崎市立の藤子・f・不二雄ミュージアムが開館し、昨日いってきました。場所は、川崎市生田のかつて向丘遊園地があったところです。向丘遊園地が閉園したこと、知りませんでした(ここで30年ほど前、会社の運動会をやったことがあります)。小田急の向丘遊園地駅からも歩けますが、登戸駅から藤子・F・不二雄のキャラクターが描かれたシャトルバスで10分ほどでいけるので、これが便利です。

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 ミュージアムは藤子・F・不二雄が川崎市生田に長らく住んだことにより、この場所につくられました。そもそも私の世代には、藤子・F・不二雄より、藤子不二雄に馴染みがあります。藤本弘と安孫子素雄のコンビが藤子不二雄。このコンビは、1054年から1987年まで続き、その後藤子・F・不二雄と藤子不二雄Ⓐになりました。
 藤子・F・不二雄の代表作は、オバケのQ太郎(共作)、パーマン、21エモン、そしてドラえもん、キテレツ大百科。一方、藤子不二雄Ⓐは忍者ハットリくん、怪物くん、プロゴルファー猿、笑ゥせぇるすまん。私としては「少年キング」(マイナーかな)で子供の頃読んでいた怪物くん、フータくん(これもⒶ)が好きでした。
 さて、ミュージアムは3階建てで、1階、2階が展示室。3階はカフェと周囲の環境と一体となったはらっぱになっています。1階は原画を展示を中心とし、作品と藤子・F・不二雄の生涯をみせてくれます。2階は企画展示室がメインになっていて、作品をビデオ映像を交えて紹介しています。

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 ミュージアム鑑賞の特徴として、来館者すべてに貸し出される「おはなしデンワ」という端末。ミュージアムで有料でサービスされている音声ガイドと同じものです。展示コーナーに番号が掲示されていて、その番号を押すと解説をきくことができます。大人用と子供用の2つのプログラムが用意されています。
 ミュージアムへの入場は日時指定の予約制で、ローソンで購入です。三鷹のジブリ美術館と同じ方式ですね。ただ、ジブリほどは混雑しておらず、いまのところ平日であれば空いていて、かなり前から予約をするほどではないようです。
 懐かしくもあり、新しさもあり、楽しい藤子・F・不二雄ミュージアム。自治体の財政状況が厳しい中、この時期にオープンするミュージアムは珍しいこと。その成果はどうなるか、注目です。

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2011/08/07

安藤忠雄の美術館・博物館

 一昨日だったかセブンイレブンで見つけて買ってきた『安藤忠雄の美術館・博物館へ』。Casa BRUTUSの特別編集版です。1300円と高いですが、このテーマでやられると買わざるを得ません。Cas BRUTUSでは前にも安藤忠雄の特集号をだしていて、こんどはミュージアムという企画とはなかなか商売上手です。
 160ページ余りの本ですが、中身が全部安藤忠雄が設計したミュージアムです。たくさんありますね。国内だけでなく海外での仕事も多い安藤ですから、こんなに多いのでしょう。こうして一冊もまとめられると明らかにひとつの個性が感じられます。力強さの様式とでもいうのでしょうか。パワー溢れる作品が多いことに気づきます。
 巻末に安藤が設計したミュージアム一覧があるのですが、国内だけでも32もあります。修士論文を書いたときに調べてリストを作ったのですが、そこにないものがいくつもありました。資料としても貴重な一冊です。
 でも、本でみるだけではつまらないですね。建築は現物をみないといけません。

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2011/07/28

節電と収蔵品保護

 首都圏の節電で、特に温度管理が必要なものはその対策が大変のようです。博物館、美術館は収蔵品の保存庫のため、空調を一定レベルに保つ必要があります。ここまで節電することはできません。その対応状況が一昨日の日経新聞夕刊で報じられています。
 東京国立博物館は契約電力2400キロワットの大口需要家で、15%削減の義務付け対象。電力使用の半分は館内の空調で、11万点の文化財の保護に微妙な管理が欠かせません。
「例えば漆で作られた仏像は湿度53~57%に保たなければ、カビが生えたり乾いてヒビが入ったりする」
 大変です。東京国立博物館では事務所の節電では追いつかず、3D映像などを鑑賞できる施設を7月から平日は休止し、別館の黒田記念館の夏季閉館期間を約1カ月延長して対応しています。
 東京国立近代美術館では、展示や収蔵品に配慮し事務所を中心にした節電していますが、
「さらに節電が必要になれば、展示室フロアの一部閉鎖も考えざるをえない」
 といいます。
 ちなみに、現在近代美術館で開催されたいる「パウル・クレー おわらないアトリエ」展では、出品者の貸出条件により室温が20度程度と低く設定されています。来場者が多い会場でも涼しかったです。展示室の温度管理は難しそうです。
 収蔵品の管理が重要な美術館、博物館に一律の節電を求めるのは無理がありようです。

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2011/06/20

府中市美術館へいってきた

 東京近郊にあるミュージアムでまだまだ訪問したことのないところは、まだまだ多い。東京都府中市にある府中市美術館もそのひとつで、やっといってきました。このミュージアムは府中の森公園の一角にあり、公園の中の美術館という点で世田谷美術館と同じ環境にあります。建物の大きさもほぼ延床面積をみると同じくらいの規模(8000平方メートル前後)です。
 府中市美術館が開館したのか2000年10月と比較的新しいミュージアムです。施設としては常設展示室、企画展示室、市民ギャラリー、図書室、創作室、カフェ、ミュージアムとして必要な機能はほぼ完備しています。そして洋画家の牛島憲之記念館もあります。
 美術館では現在企画展の「府中市美術館の50点」を開催しています。所蔵品(約1800点)から50点を選び展示しているもので、<江戸絵画><西洋絵画><近代洋画><現代美術>の4つのカテゴリーで構成されています。コレクションは江戸から現代まで幅広い年代をカバーしています。いろいろな作品をみることができるわけですが、その一方で特徴のない展示とも言えます。もう少しコレクションの方針を明確にしたほうがよかったのではないかと感じました。
 人口25万人ほどの府中市。そこにあるちょっと大きめのミュージアム。展示室は日曜にもかかわらず、人は少ないのがちょっと気になりました。

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2011/06/18

美術館の震災被害

 震災で被害を受けたミュージアムは、現在どんな状況なのか。今日の日経新聞文化欄では「美術館、震災後の課題次々 」と題し、今後の防災対策への課題がまとめられています。記事で示されている課題は、地震による建物、展示施設などの破損、原発問題、節電対策。
 地震により多くのミュージアムが被害を受けました。宮城県美術館では展示ガラスが割れました(日経新聞の写真を貼らせてもらいます)。企画展示室のガラスかな。ひどい状況ですね。

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 日経新聞によれば再開のめどはたっていないとのこと。水戸芸術館もかなりの被害を受けましたが、ウエブサイトによれば7月30日から企画展を再開します。
 地震の被害より甚大なのが福島原発の問題。福島県立美術館では
「6月に予定していた米国の個人コレクション展の開催を中止。秋に会期をずらしての開催実現を貸し主に働き掛けている」
 といいます。作品の貸出を受けられなければ、企画展の開催はできません。美術館では独自の対策を講じています。
「館の内外50カ所に測定器を設置し、定期的に詳細な放射線量のデータを包み隠さず報告。館内は事故前と変わらない低い数値であることを相手に伝えている」
 ここまで行っても貸し主は不安感をもっており、秋の開催実現は不透明とのこと。厳しいです。
 そして節電。この夏の電力不足問題に対して、企業、家庭に対策を求められていますが、ミュージアムも同じ状況です。収蔵品保護のためにはセ氏22度を維持することが望ましいとされるそうです。しかし、15~20%という節電要求ではこの規準を保つのも厳しい状況でしょう。
 ミュージアムの課題に対し、これまでにない発想で対応していかないと解決策は見いだせないかもしれません。記事では館の連携を指摘しています。ひとつの館、自治体では解決できなければ、ネットワークをつくっていくのも有効な方法かもしれません。
 

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2011/06/01

平塚市美術館へ

 東京近郊にはいくつも公立のミュージアムがあります。博物館はもちろん多くの自治体で運営されているのですが、美術館もいくつかあります。神奈川県の平塚市美術館もそのひとつ。見る機会がなくありませんでしたが、昨日行ってきました。美術館は平塚駅から徒歩20分ほどのところ。歩くのはちょっと距離がありますが、バスがあり、本数も多いので不便はありません。
平塚市美術館が開館したのは1991年3月。今年でちょうど開館20年です。市役所、中央図書館、博物館など公共施設がある一角にあります。

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 立派な建物です。設計は日建設計。いかにもバブル期に計画されたミュージアムだなと感じます。展示室は2つと市民ギャラリー、ホールもあります。常設展示室はなく、企画展に使う展示室で適宜コレクション展を行っています。
 建物の特徴は展示室前に広がる広い空間。ここまで、と思えるほど広大なスペースです。

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 ちょっと不思議なのは、これだけの広い空間がありながら、何故か美術館らしい非日常な感覚になれない。どうしてなんだろう。目黒区と同じほどの人口の平塚市。美術館は平塚市のほうが大きいです。単純に比べてもしかたありませんが。

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2011/05/10

100人で語る美術館の未来

 ちょっと前にでた『100人で語る美術館の未来』という本なのですが、最近読み終えていい本と思うので紹介します。本書は昨年2月に行われた「第4回ミュージアムサミット 100人で語る美術館の未来」(財団法人かながわ国際交流財団などが主催)の内容を中心に構成されています。
 このミュージアムサミットの内容はこれまで『ミュージアム・パワー』『ミュージアム新時代』という2冊にまとめられています。この2冊に比べて今回の『100人で語る美術館の未来』は編集に工夫があります。ミュージアムサミットの内容だけでなく、このサミットを受けての座談会とアート関係者へのインタビューを行い、収録しています。
 サミットの中身は、その会場にいないとビデオなどのビジュアルをみることができないので、本で読んでも実感として理解できないところがあります。ここに座談会、インタビューを加えることで、サミットの目指すところが分かりやすくなったと感じました。
 かなり盛りだくさんの内容です。ミュージアム関係者、特に現場の方は日々いるいろなことにチャレンジして、ミュージアムが置かれた状況と闘っていることが少しだけですが、理解できました。ミュージアムがお好きな方にはおすすめです。


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2011/05/03

アートと建築を巡る旅

 一週間ほど前に大学の生協で見つけた『日本の美術館ベスト100ガイド』。Casa BRUTUSの特別編集ムックですね。たぶんこれまでに取材したネタを使って編集した一冊だと推測します。ふつうだとパスするところですが、大学院でミュージアムについてかかわらなければいけないことになり、つい買ってしまいました。
 美術館ベスト100が選ばれていて、「いくつ行ったか」数えてみたら、わずか38。少ないですね。西の方面にはほとんど行ったことないですから。でも、日本には美術館ほんと沢山あるんですね。
 このムックの副題は「アートと建築を巡る旅へ!」。記事を読んでいて、行きたくなったのはホキ美術館。ユニークなデザインをした建物ですね。3月に修士論文が合格したら行こう、なんて考えていたのですが、いろいろあって行きそびれてます。連休終わったら、ミュージアムを巡りに行きたいです。

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2011/05/01

「被災ミュージアムの支援と危機管理対策」の第2回

 昨日三田の慶應で行われた公開講座「第2回被災ミュージアムの支援と危機管理対策」に参加してきました。先々週に行われたものを受けて、今回は「海外の危機管理に学ぶ  被災ミュージアム復興の課題」という論題で具体的な内容で、また登壇者も豪華でした。
 内容を紹介しておきます。
・被災文化施設の最新報告と課題
山村真紀(ミュージアム・サービス研究所)
・ドイツ・ドレスデン国立美術館の水害被災と諸外国の危機管理対策
岩渕潤子(慶應義塾大学大学院政策メディア研究科特任教授)
・被災したミュージアム支援のために
南條史生(森美術館館長)
・被災ミュージアムの復興支援と危機管理対策
鈴木隆敏(慶應義塾大学大学院アートマネジメント分野講師)
・特別講演「震災復興の基軸は文化と芸術」
近藤誠一(文化庁長官)
 第1回の講座で文化庁の課長さんが話された「文化財レスキュー」の具体的な実践内容が紹介されました。4月28日の日経新聞にも記事になっていましたが、宮城県石巻市にある石巻文化センターでの事例が写真を交えて奉公されていました。この石巻文化センターのことは、先日宮城県に行ったとき、ちょっと教えていただいたのですが、なかなか大変なようです。
 この石巻文化センターから今後、岩手、青森へと文化財レスキューは進んでいくそうですが、かなり時間のかかる仕事になりそうです。予算措置がしっかりなされるかどうかが、心配な点です。
 南條さんと、近藤文化庁長官の話が無料できけるなんてとても得した感じですが、これだけの登壇者なのに会場では超満員ではありませんでした。USTREAMでも中継されていましたが、視聴数は多くはなかったようです。このテーマに関心があるのは、ミュージアム関係者だけかもしれませんね。
 被災地のミュージアム再建、復興にはやるべきことは厖大にあります。これからも息の長い支援活動が必要なこと。まずは自分がなにをやるか考えなくてはいけません。そして行動ですね。

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2011/04/13

東京国立博物館でお花見

 先週末、東京のお花見はどうだったのでしょう。自粛ムード、ビールも品薄では盛り上がらなかったのかもしれません。桜の名所のひとつ、上野公園に出かけてきました。最近、ほとんど外出もしていなかったので、たまにはと東京国立博物館まで行ってきました。
 東博はいつもより短い午後4時までの開館。それに「写楽展」のオープンが延期になってしまい、この時期は常設展(総合文化展)だけの開催です。「博物館でお花見を」なる企画展が開催されていて、お花見や桜にちなんだ数々の作品が展示されています。
 この時期、博物館の庭園が解放されています。ふだんは入る機会がないところですが、綺麗に桜が咲いています。弁当とかは持ち込むのはダメでしょうが、移動式(クルマ)の喫茶販売があって、コーヒーは楽しめます。桜はちょうど散り始めてきたところで、あと数日が見頃でしょう。庭園解放は17日までなので、上野公園にいく方はよってみたらいかがでしょうか。

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2011/03/21

東北地方のミュージアム状況

 首都圏の美術館、博物館では、地震による一時休館していましたが、先週末から少しずつ再開してしています。しかし、東京国立博物館のようにまだ再開の予定が決まっていないなど、その影響は小さくないようです。
 東北地方のミュージアムの被災状況はどうなのか。地震直後に、ミュージアムの被災状況の情報共有サイトが作成されています(私もささやかに情報を提供させていただきました)。
東日本ミュージアムの被災状況、救援状況
 いくつかのミュージアムを調べてみると、岩手県立美術館が先週18日から再開していますが、青森県、宮城県はまだ再開していないところが多いようです。たとえばせんだいメディアテークは、ネットで広まっている写真をみると天井が落ちているところもあり、復旧には時間がかかりそうです。
 アートという点でみると、アーティスト、クリエイターによる被災地のためのチャリティー支援の活動団体「ACT FOR JAPAN」が立ち上がっています。ACT FOR JAPAN(FACEBOOKのLINKのため、ログインしないとみられなかもしれません)
 被災地のために何ができるか。知恵を絞らなくてはいなけないと、自らに言い聞かせました。

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2011/02/09

東博の「総合文化展」

 上野の東京国立博物館に行ってきました。学生証を出すと割引になるので、それが使える3月末までにできるだけ活用しないと思っていたのですが、なかなかいけません。久しぶりの東博です。せっかくですから「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」をみてきました。この展覧会については後ほど書くつもりですが、ちょっと驚いたことがあります。
 これまで「平常展」といっていた展示が、「総合文化展」という名称に変わっていました。どうやら、この1月から変わったようです。総合文化展、ですか。なんかデパートの展示会みたいですね。馴染みません。どうしてこんな名称に
してしまったのでしょう。
 確かに平成館で行われる特別展にはいくけど、その後平常展に寄ることはあまりない、という人も少なくないかもしれません。確かに平常展示を見ないで帰るのはもったいない、とは思います。それを、総合文化展と変えて、鑑賞者が増えるのでしょうか。疑問だなあ。
 東京国立博物館もいろいろ大変なのかもしれません。

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2011/02/03

群馬県立館林美術館にいってきました

 大学院の修士論文を書き上げる前に見ておきたかったのですが、時間がなく、いくことができなかった美術館にいってきました。群馬県立館林美術館。大学の先生から、設立やコレクションについて、ちょっと良くないことをきいたので、興味をもっていました。
 さて、群馬県館林は初めていくところです。東京からは近くはありません。うちからだと、まず渋谷に出て、そこから新宿湘南ライン経由、東北本線の久喜まで約1時間。そこで東武東上線に乗り換えて、多々良という駅で下車。そこから徒歩20分ほどで着きました。遠いです。館林駅からバスがありますが、本数は極端に少ない。美術館の周りは、公園以外ほとんど何もありません。なんで、こんなところに作ったんだろう、という疑問がわきます。場所が悪すぎです。
 美術館の建物を設計したのは、高橋靛一。展示室を構成する建物は緩やかな曲線を描くような形状。建物の中には階段がない1階建てです。美しい外観ですが、建物の外側に貼られたアルミパネルからは、冷たい印象を受けます。

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 この美術館、別館があります。洋風の建物なんですが、妙に浮き上がっています。美術館のコレクションの柱として、フランスの彫刻家フランソワ・ポンポンの作品があります。この別館はポンポンのアトリエを再現した「彫刻家のアトリエ」というものです。問題なのは、どうもこのポンポンのコレクションの内容のようです。確かな資料がないのここでは書くことを控えますが、ウキペディアにはとんでもないことが書いてあります。


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 群馬県には1974年に開館した群馬県立近代美術館があります。館林美術館は2001年の開館ですが、2つも県立美術館が必要でしょうか。なにやら事情があったのでしょうね。
 来場者、少なかったですね。この美術館の将来はどうなるのか、ちょっと心配です。

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2011/01/15

「地域の実験場」としての美術館

 今日の日経新聞文化欄にこんなタイトルの記事がありました。<展覧会だけでなく… 美術館、地域の「実験場」  多様な人材 アートで結ぶ > 。美術館が地域のアートへの様々な試みへの実験の場になっている取り組みを商会する記事です。
「展覧会の開催や作品の研究ばかりが美術館の仕事ではない。地域や異分野の人的資源を結びつけ、多様な実験や研究を実現するセンターとしての役割が問われている。求められる美術館を目指し、各地で始まった試みを追った」
 とあります。
 記事では、3つの事例画商海佐入れています。水戸芸術館の「大友良英 アンサンブルズ2010―共振」展の企画関連公募企画「音のあるまち」での取り組み。地元の団体「MeToo推進室」が関わって展示室の外でのイベントが行われています。
 また、東京都現代美術館で開催中の「東京アートミーティング トランスフォーメーション」展は、長谷川祐子事業企画課長と多摩美術大学芸術人類学研究所の中沢新一所長の共同企画。長谷川さん、学芸員として有名な方ですが、自らの名前を出しての企画展は珍しいのでは。「東京アートミーティング」は、現代アートと他の専門領域の出合いがアートの可能性を広げるという発想を込めた言葉、だそうでなかなか面白うそうです。
 富山県立近代美術館は、小中学校や高校の生徒が自分たちで内容を企画して発表するという「みんなのアート・ミュージアム」展を毎年開催していて、今年で4回目。記事にある生徒の作品は、いいですね。新校舎建築で取り壊される古い校舎をイメージしたインスタレーションです。
 記事で取り上げている地域におけるアート実験場という活動は、特にいま始まったわけではないですね。少なくない美術館でこのような展覧会の枠をはみ出た活動は行われていると思います。この流れが近年特に強まってきた、ということではないでしょうか。ミュージアムの現場は、どこも試行錯誤していて、まだまだ発展しそうです。

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2010/12/19

館を巡る明暗

 偶然でしょうが、昨日の日経新聞にいわゆる「館」、資料館、博物館について対照的な話題が2つ掲載されていました。ひとつめは<らいふ>欄にある「懐かしのヒーロー・CM 資料館にぎわう 」という明るい話題。記事によれば、
「胸を躍らせたあのヒーロー、記憶に刻まれたテレビCM――。アニメや広告といった、身近なメディアの歴史や面白さを学べる資料館・博物館が人気だ。映像などの展示物や関連資料が充実し、高齢者から子どもまで世代を超えて楽しめる」
 だそうです。国内で初めての広告専門の資料館「アド・ミュージアム東京」(電通の関連財団がやっているんですよね、確か)、アニメの博物館「杉並アニメーションミュージアム」、NHKが運営する「NHK放送博物館」が紹介されてます。どこも入場無料ですが、無料とは思えない展示がされていて、来場者の感動の声が報じられています。
 一方、社会面には「印刷局・JAXA・陸自… ハコモノ広報館寒風  仕分けで厳しい目 来場まばら、閉館も」なる記事。記事によれば、
「省庁や公益法人の仕事を展示物などでPRする広報施設に冷たい逆風が吹き付けている。行政刷新会議の事業仕分けでは『廃止』『予算削減』など厳しい判定が続出。年内で閉館に追い込まれる施設がある一方、予算削減に伴い有料化したものの来場者の大幅減に苦しむケースも。ネット時代に“ハコモノ広報”そのものの必要性を疑問視する声も少なくない」
 「お札と切手の博物館」(印刷局)、「JAXAi」(JAXA)、「りっくんランド」(陸上自衛隊)の3つの惨状が報じられています。
 同じ館、ハコモノなのに、この違いはなんでしょう。国がやっているのはやはりダメなんでしょうね。でもなあ、国の広報施設も意外と面白いんですけどね。今の時代には即さないんでしょう。

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2010/12/12

科学博物館の折り込みチラシ

 昨日の日経新聞にちょっと面白い折り込みチラシが入ってきました。上野の国立科学博物館で開催中の「そらと宇宙展」(これです)の広告チラシです。新聞のチラシで博物館の広告やるのって、初めてみました。なかなかです。
 大きなチラシには、キャッチコピー「歴史的日本の快挙をこの目で、肌で感じよう!!」ってあります。また、「『はやぶさ』『イカロス』をはじめ日本の航空・宇宙史に輝く100年の成果が上野に集結!」飛行機マニアではないんですが、これをみてるうちに、いきたくなってきました。そういう人のために、チラシには割引券もついてます。
 朝日新聞にもはいっているかな、とみてみましたがありません。チラシをよく見ると、この企画展、日経新聞の主催なんですね。チラシは自分とこの新聞に入れたってわけです。チラシ、どの辺のエリアまで入れたんだろう。チラシでの広告費って安上がりなのでしょうか。たとえば、駅貼りのポスターに比べた安いかもしれません。こんな折り込み広告もあるのだな、と感心しました。

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2010/12/02

平日の美術館

 昨日、修士論文のため調べ物があり、横須賀まで行ってきました。横須賀美術館のことを事例として取り上げていることから、いくつか資料を見る必要があり、美術館まで出向いたわけです。美術館の発行している資料をみるためですが、横須賀市の図書館にあるのはネットで分かっていたのですが、美術館の図書室にもあるはずなので、展示をみることも兼ねていってきました。
 横須賀美術館にいったのは、2回目です。前はクルマでいったので、こんどは公共交通機関でいってみました。京浜急行の馬堀海岸という駅からバスで10分ほどでが、この馬堀海岸駅が、ほんと寂しい。バスは1時間に3本ほど。あらかじめ時間を調べていったほうが効率的です。
 10時ちょっとすぎに美術館に到着。まずは、図書室へ。ここ、快適なスペースです。そんなには広くないですが、明るくて気持ちがいいです。私の他には、だれもいません。探していた資料は開架にはなく、お願いして貸していただきました。
 一時間半ほど調べ物をして、展示室へ。ここは貸し切りとまではいきませんが、鑑賞者はまばらです。平日の美術館て、こんな具合なんですね。ゆったりとアートを見させていただきました。
 さて昼もすぎたので、美術館にあるイタリアンレストランでビールでも飲んで帰るか、と覗いてみると、なんと満席です。ほとんどがおばさま方ですね。展示室はあんなにすいてたのに、レストランだけは混んでます。ランチ、安いのでも1900円もするのに。
 地方の美術館は、平日と休日の落差が大きいんです。これでいいのか、とふと心配になった横須賀訪問でした。

Yokosuka_museum


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2010/11/18

山口県立美術館の建物

 山口市には県立美術館があります。先日、ちょっと書きましたが、ここは歴史を感じさせる建物です。1979年開館、設計は鬼頭梓。モダニズム建築で有名な前川國男の設計事務所にいた人です。鬼頭はWEBで調べたところでは図書館のを多く設計しています。
 山口県立美術館の建物に入ると、吹き抜けの広々した空間が広がります。前川の設計した美術館、博物館に共通する空間の使い方だな、と思いました。古い、っていわれそうですが、このようま空間は美術館には必要だと思うんですが。
 ところで、県立美術館ってどの県にもあるんでしょうか。一度、ちゃんと調べてみようと思っているんですが(そんなに時間かからないのに)、やってません。わかっているのは、島根県、大分県、山形県には県立の美術館はありませんね。大分県はいま計画中のようです。山形県には山形美術館がありますが、これは県立ではなく、地元の新聞、放送局が出資した財団が作ったもの。
 山口県立美術館は、落ち着いてみることができる美術館でした。たまには、こんなちょっと古さを感じさせてくれるミュージアムもいいものです。

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2010/11/16

YCAMとは

山口は遠かったです。私にとって中国地方は縁がなかったところです。高校の修学旅行でいったきり(笑)。山口への行き方さえ分からない始末です。ともかく飛行機に乗って行ってきました。
 目的は昨日も書いたように・山口情報芸術センター、通称YCAM。東京あたりに住んでると、芸術とか建築に興味がある人でも「名前は知ってるがどんなとこか分からない」というところかもしれませんね。
 施設としておおまかにいうと、図書館と多目的に使えるスペースが2つと映画シアターが一つあります。そして、建物の設計が、かの磯崎新さん。
 行く前に建物を写真で見た印象は、かなり尖った感を持っていましたが、現物をみてみると、意外とまっとうだな、と感じました。伊東豊雄さんのせんだいメディアテークのほうがずっと尖っています。
 建物より中身が大切。このことは明日にでも。

Ycam


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2010/11/15

山口の美術館

昨日から山口にきています。この街は初めてです。目的は修士論文のために山口情報芸術センターの見学です。
iPhone なので、ながなが書けないので、とりあえずは昨日行った山口県立美術館、この建物、モダニズム建築でした。
詳しいことは明日にでも。

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2010/11/08

十和田現代美術館とArts Towada

 十和田現代美術館は2008年4月に開館し、現代美術をテーマにした地方美術館であり、建物の設計が西沢立衛さんということもあり、結構話題になっていたと思います。美術館の開館から2年たち、美術館の周辺に整備されていたアート作品の設置が終わり、Arts Towadaとしてオープンしました。十和田市の資料では、このArts Towadaの「グランドオープン」としてオープンという言葉を使っています。この意図はArts Towadaがいわば街を建物にしたミュージアムととらえているからです。
 その中で、十和田現代美術館はアート作品を集合的に展示する「ハコ」です。ただ、美術館の建物そのものも作品となるように求められて設計されているので、単なるハコではありません。従って、美術館だけをみるのではなく、Arts Towada全体の中で、十和田美術館をみていかないと、その意味は正しく分からないと思います。
 しかし、東京からいくのはやっぱり遠い。先に記事にした『観光アート』で十和田現代美術館、青森県立美術館、国際芸術センター青森をセットにして紹介していましたが、この3つを回るのは交通アクセスから考えると丸2日はかかります。十和田の人がちょっと羨ましいArts Towadaです。

Towada_art_center


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2010/10/23

いまとこれからのミュージアムを考える一冊

 現在開催中の「ヴェネチアビエンナーレ国際建築展」で、日本人初、女性初の総合ディレクターに選ばれたのが、建築家の妹島和世。その妹島とSANNNAなる建築ユニットを組む西沢立衛の著書『美術館との対話』は、美術館のいま、これからを語った一冊です。
 この本では西沢が5人と対話する形式で、美術館、アート、アーティスト、鑑賞者などについて、考えていきます。対談者は青木淳(建築家)、平野啓一郎(芥川賞作家)、南條史夫(森美術館館長)、オラファー・エリアソン(アーティスト)、妹島和世の5人。
 語られたテーマは、多様です。気になったものをランダムに書くと、脱象徴化する美術館、展示空間の変化(ホワイトキューブだけでない展示)、キューレーターがつくる美術館、街に溶け込む美術館(たとええば十和田現代美美術館)、アートは来館者、美術館、社会と成り立つ四重奏、などなど。美術館のいまを考えるヒントをいくつも与えてくれます。
 箱物、といわれた時代を経て、いま美術館は新しい段階へ進化しようとしているのかもしれないな、と感じました。まだまだ、日本のミュージアムの可能性はありそうです。
 
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2010/09/01

久しぶりの西洋美術館

 暑い中、上野の国立西洋美術館にいってきました。時間がなかったので企画展の「ナポリ・宮廷と美―カポディモンテ美術館展」はパスして、学生証で無料ではいれる常設展示へ。確か、常設展示ゾーン、改装して(もうかなり前ですか?)、展示ゾーンが少し変わっていました。
 ロダンの彫刻に迎えられて、二階へ。ここからは年代に沿って西洋絵画が展示されているのはこれまでと同じです。ただ、19世紀の絵画の流れの中で、「モネの部屋」ができています。12点のクロード・モネの絵画が展示されています。また、一階にはロダンの彫刻が置かれているホールもできていました。ここはなかなか快適な空間です。

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 さすがにいい作品が揃っています。たまには西洋美術館の常設展もいいですね。

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2010/08/23

コレクションを生かす美術館の模索

 一昨日の日経新聞になってしまいますが、文化欄に「公立美術館、企画展頼みに限界 所蔵品、市民と模索」という記事がありました。これによると、名品を中心とした企画展がこれまで美術館の売りだったのですが、公立美術館ではコレクション(所蔵品)を見直すところが増えています。
「『日本の美術館は自前のコレクションで人を呼べず、企画展頼みでやってきた歴史がある』と横浜美術館の逢坂恵理子館長は指摘する。ところが近年は不況のあおりで企画展開催や作品の購入予算が激減。手持ちのコレクションを見直し、市民に所蔵品への理解を深めてもらう動きが活発になっている」(日経新聞電子版)
 新潟市美術館は、カビ、クモ発生問題からの一連のごたごたがあり、その調査過程でコレクションの死蔵も明らかに。なんと過去の展示回数が0回、1回の作品がコレクションの6割以上を占めていたことが分かりました。新潟市では全コレクションのデータを公開。購入年や価格、購入元の画廊名などを公表。これまでの展示回数が一目でわかる「展示履歴」も付いるとか。公立美術館でここまでやるのは異例。しかし、他の美術館にも死蔵されているコレクションはありそうです。
 コレクションの活用という点では、横浜美術館の「横浜美術館フレンズ」。横浜美術館が4月からスタートさせたもので、ルネ・マグリットの絵画など10点を対象に、展示や保存活動にあてる資金を募るもの。1作品1万円の参加費を支払うと、支援する作品の展示期間中に名前が掲示され、学芸員のトークや懇親会への招待といった特典が受けられます。これいいですね。知っていたら参加したのに。
 また、他館のコレクションをまとめて借り受けて企画展を行う例も紹介されています。兵庫県立美術館は今夏、神奈川県立近代美術館の名画55点を借り、「麗子登場!―名画100年・美の競演」を開催。岡山県立美術館の「パスキンとエコール・ド・パリ展」は、同館所蔵の洋画家・国吉康雄の絵画と北海道立近代美術館が所蔵するジュール・パスキンらの作品を展示。公立美術館が作品を貸し借りするのは、これまでも行われてきましたが、これからはもっと増えていくでしょうね。
 楽な状況にある公立美術館はありません。今後の生き残りはどうなっていくのでしょうか。日経新聞はこう結んでいます。
「サポーターを増やしつつ、いかにコレクションに磨きをかけるか。美術館の手腕が問われる」

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2010/07/22

美術館がLED照明で変わる

 最近は家庭でもLED照明が広がっていますが、美術館にも展示品の照明にLEDを導入する館がでてきているようです。昨日の朝日新聞夕刊「美術館LED照明で変わる」ではLED照明を採用しているミュージアムの報告があります。LED照明には、鑑賞者にとっては展示品の細部まではっきり見える利点があります。
 東京・汐留のパナソニック電工汐留ミュージアムでは常設展示「ルオーギャラリー」の照明をすべてLEDに変えました。パナソニックなので、自社の製品を使えばいいのは便利(?)。照明デザインの担当者の弁。
「課題だった色の再現性が、技術の進歩で改善された。リニューアルされた美術館やギャラリーは大部分がLEDに変えている」
 東京国立博物館で開催中の「誕生! 中国文明展」でも展示の一部にLEDを使用。また、サントリー美術館、山種美術館は一部に使い、根津美術館は全面的に採用しています。
 LEDの特徴は、電球色から昼白まで色温度が変えることができる、作品に有害な紫外線や赤外線をほとんど含まない、小さな光線の集まりなので光を一方向に集めやすいなどがります。いいことずくめのようですが、まだ欠点もあるのでしょうね。たとえば初期費用が高いとか。
 根津美術館、LED照明だとは全然気がつきませんでした。美術館の展示も変わっています。
 

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2010/07/14

赤ちゃんといける美術館

 美術館に来ている人の年齢層は、意外と広がりがありません。印象派の展覧会であれば中高年、現代アートであれば若い世代中心といった具合。小さな子供連れの鑑賞者は珍しいですね。こどもを連れてはなかなか美術館には行きにくいでしょう。
 昨日の日経新聞夕刊にあった記事『赤ちゃんおいでよ 美術館  ママと作品作り 思わぬ才能発見も!? 』を読むと、鑑賞者の幅をひろげようととする美術館の試みを知ることができます。記事を引用すると、
「美術館が赤ちゃんでにぎわっている。子供向け鑑賞プログラムなどの対象年齢が下がり、0歳児から参加できる展覧会も。子供と一緒にアートを楽しむ若い世代が会場を活気づけている」
 東京都現代美術館、平塚美術館、水戸芸術館での赤ちゃんを対象にしたプログラムを紹介しています。東京都現代美術館は「こどものにわ」展にあわせたワークショップを美術館と同じ区にある子ども家庭支援センターで開催。これは
「『美術館に来たことのない親子、子供がいるために美術鑑賞をあきらめている親にきっかけを作りたかったから』と難波祐子学芸員は説明する」
 とあります。美術館の外でのワークショップは面白い発想ですね。
 平塚市美術館は1歳から2歳3カ月までを対象にした「子育て支援!プログラム 遊んでのびのび 『ベビーアート』」を昨年4月に開始しています。また、水戸芸術館では1組の親子に1人の女性スタッフが付き添い、展覧会を鑑賞できるイベント「赤ちゃんと一緒に美術館散歩」が人気だとか。
 美術館もパブリックスペースとして、新たな活動を行っています。記事を読んでみ、美術家にとって新たな世代開拓は必要なことと再認識しました。

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2010/06/13

新潟市美術館が休館

 昨日の朝日新聞文化欄に掲載された記事「地域への貢献 葛藤続く 展示品にカビ 新潟市美術館が休館」にはいささか驚きました。新潟市美術館のWEBをみると、6月7日から8月31日まで休館のお知らせがでています。市立の美術館がこれだけの長い期間休館とは異例です。
 新潟市美術館では今年4月から開催が予定されていた「奈良の古寺と仏像―會津八一のうたにのせて―」展が、会場を急遽、新潟県立近代美術館に変更される事態がありました。これは
「市美術館では昨年7月にカビ、今年2月にはクモなどが発生。文化庁は今月8日、管理体制に不備があるとして、国宝と重要文化財の貸し出しを許可しないと新潟市に伝えていた」(3月16日 日経新聞電子版より)
 という理由です。
 この「事件」を機に、館長の北川フラムさんが更迭されるなど混乱した状況になっていたようです。朝日新聞の記事によれば、この騒動を受けて新潟市が4月に設けた「市美術館の評価及び改革に関する委員会」の議論を踏まえ決まったとのこと。この委員会から、すきま風が入り込む非常口など施設の不備や、収蔵品のずさん管理などが指摘されました。
 記事によれば、北川フラムさんが館長に就いた2007年以降、美術館に長年在籍した学芸員3人が次々と異動するなど、外部からも批判される事態になっていました、昨夏には「新潟市美術館を考える会」が結成されるなど、事態はかなり深刻化していたようです。
 詳しい状況は当事者しかわからないのですが、美術館運営の不透明さが露見した事件ではないでしょうか。公立のミュージアムで外部評価を行っているところはほんの一部です。美術館運営とはどうすればいいのか、を問い直さねばいけません。

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2010/05/18

大きい江戸東京博物館

 この前の週末に、両国の江戸東京博物館に出かけてきました。この博物館は何年ぶりでしょう。ここへきたのは企画展や常設展をみるためではなく、図書室で調べ物をするためです。修士論文で、建築家の菊竹清訓さんの設計した博物館を研究対象としています。先週、菊竹さんの設計した川崎市民ミュージアムにいったのに続いて、同じ菊竹作品の東京江戸博物館を調べはじめています。
 図書室には、この博物館建設の公的な資料が保管されています。ちょっと遠いのですが、ここでしか閲覧できないので、出向きました。博物館に付随する図書室は、無料です。入場料は要りません。江戸東京博物館の図書室は初めて利用しましたが、デスクにはライトがついているなど、快適なスペースです。
 図書室はいいのですが、博物館そのものは、凄い威圧感です。ほんと大きい建物。高床式を模したデザインなのでしょうか。こんな大きい建物、必要なのかちょっと疑問です。江戸東京博物館の将来、どうなるのか。ちょっと心配。

Edohaku


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2010/05/10

川崎市民ミュージアムの今

「川崎市民ミュージアム」という施設のことは、これまでネガティブなことが本やマスコミで伝えられてきました。ただ、改革を行いつつあり、今は改善しているとも伝えられていました。これまで、一度も訪れたことがなかったのですが、大学院の修士論文で、研究対象としようとも考えていることもあり、出かけてきました。
 このミュージアムは名前の通り、川崎市立の施設です。博物館、美術館、映像ホールなどからなる複合施設で、かなり大きな建物です。設計は、東京江戸博物館、九州国立博物館などを手がけた菊竹清則さん。川崎市民ミュージアムと並べると、共通なイメージがわいてきます。
 このミュージアム、博物館ゾーン、美術ゾーンに分かれています。博物館ゾーンは無料展示ですが、訪れたのが土曜日の午後ながら、来場者は少なく、展示スペースは閑散としていました。ビデオ映像の展示が、古いテレビで流されていて、もう何年たっているのだろうと思わされます。
 美術ゾーンでは無料で「木村伊兵衛写真賞35周年記念展 」が開催されていて、藤原新也、石内都、岩合光昭といった写真家の作品が展示されていましたが、これもかなり人は少ないです。
 企画展示では「横山裕一 ネオ漫画の全記録」が開催中。ここはさすがに若者が多く来場していました(私としては余り魅力を感じませんでしたが)。
 いちばん気になったのは、このミュージアム入ってみても楽しさがほとんどないこと。美術館の魅力って、館の入ったときのわくわくする気持ちがいちばん大切、と思っている私にとって、川崎市民ミュージアムはほとんど魅力を感じません。
 地方ならともかく、首都圏でこれだけ賑わいのないミュージアムも少ないのではないでしょうか。川崎市民ミュージアム、ほんとに大丈夫なんでしょうか。

Kawasaki_simin_museum


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2010/05/06

「ハコもの」の行方

 朝日新聞で連載されていた「『ハコもの』の行方」が昨日の紙面で終わりました。日本各地で起こっている「ハコもの」行政の行き詰まりをレポートしてきた企画の最終回は、識者二人への問いかけです。博物館学が専門の矢島國雄・明治大学教授と文化庁・栗原祐司・美術学芸課長へのインタビューで構成されています。
 興味深かったのは栗原さん。この人、部類の博物館好きで、数千の美術館・博物館を訪ねて回ったそうです。凄いな。栗原さんは国の責任も指摘しています。具体的には博物館法の空洞化、行政の縦割りの弊害です。
 博物館法については、公立の館で学芸員を配していることを条件に「登録博物館」「博物館相当施設」と認定しし、館の質を保つ機能があったが、今は空洞化していると言います。
 また、文化庁の担当については、公立・私立の美術館・歴史博物館への支援と国立博物館の所管は美術学芸課、国立美術館は美術文化課と別々。栗原さん、なかなかキャリア官僚とは思えない大胆な発言です。
 美術館・博物館をよいほうこの行政の仕組みを変えることも大切です。それ以上に大切なのは、公立施設を使う市民の意識ではないでしょうか。美術館・博物館が存在し続ける意味を、行政は市民と考える場を作っていくことからはじめなければいけないと思います。

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2010/05/05

吉澤記念美術館の魅力

 この黄金週間、ほとんど外出もせずもっぱら勉強でした。そんな中、女房の実家(栃木)に日帰りでいってきました。いつもは酒の飲みゆえ、電車でいくことが多いのですが、たまには運転もしないと、とクルマで出掛けました。クルマでいくと、行動範囲が広がりますね。実家のそばに、いくつも美術館があり、時間がないなか、ひとつだけ訪ねました。
 佐野市にある「佐野市立吉澤記念美術館」。美術館を知ったのは所蔵品である伊藤若冲「菜蟲譜」が国の重要文化財に指定され、東京国立博物館で展示されたときです。この美術館の所蔵品は地元の旧家・吉澤家が保有するコレクションがもとになっています。吉澤コレクションが地元葛生町(現佐野市)に寄贈され、これをもとに美術館が作られました。吉澤コレクションはその数、約500点。地方の個人コレクションとしてはかなり多いと思います(コレクションの内容はここ)。

Yoshizawakinen_museum

 今、美術館では「橋本雅邦と門人たち/現代の院展作家たち 」が開催されています。橋本雅邦という画家も初めて知ったほど(無知な)私なので、美術館のWEBの紹介を引用させてもらいます。

当館の吉澤コレクションは、地元旧家の吉澤家で5代にわたって収集されたと考えられていますが、このうち4代目のコレクターにあたる吉澤晃南(1987~1951)は橋本雅邦を特に好んだといいます。 

 橋本雅邦のほか下村観山、西郷孤月、川合玉堂、吉川霊華、筆谷等観、桐谷洗鱗、島田墨仙といった画家の作品が見られます。あわせて、板谷波山の陶芸作品も展示されています。
 この吉澤コレクション、数もさることながら、質も高いです。企画展示を定期的に開催しているので、また訪れたいと思います。

Yoshizawa_museum


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2010/04/20

企業美術館が変わってきた

 昨日書いたように日本の美術館・博物館の3分の2は公立です。残りの3分の1には企業が運営している美術館が含まれますが、その数は以外と多いのではないのでしょうか(正確にはどれくらいあるんだろう)。昨日の日系新聞の文化欄に「企業美術館 街をにぎわす」という記事がありました。
 三菱一号館美術館の話題かな、と思いながら読んでみると、意外なところが紹介されています。まず、工作機械のヤマザキマザックが名古屋市に開館する「ヤマザキマザック美術館」。名古屋の地下鉄・新栄駅に直結というロケーションにあるこの美術館は、同社が保有する美術コレクションを活用しようと作ったもの。
「どんな美術館でも単体での黒字化は困難。ならば企業の宣伝広告費と割り切り、街中で一人でも多くの人に来てもらうべきだ」
 とは、館長を兼ねる同社の山崎照幸会長の言葉。企業としてはかなりの英断だと思います。
 また、鋼材加工のシマブンコーポレーションは、神戸市の自社商業施設内に「BBプラザ美術館」を開館。場所は阪急岩屋駅のそぐそば。ここも街中です。
 館長補佐の曽山秀樹氏は
「テナント全体の集客力向上と企業の文化振興の両立を考えたら自然とこの形になった」
 といいます。
 どちらも、街中に位置するミュージアムということも注目すべきですが、それ以上に興味深いのは、それぞれ工作機械や鋼材加工といった工業系の企業が運営していること。固い企業イメージながら、文化芸術振興に関わった活動をしているところが、失礼ながらちょっと驚きです。
 日本における企業美術館の方向性も、変わってきているようで、希望が見えてくる気がしました。

ヤマザキマザック美術館
BBプラザ美術館

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2010/04/19

公立美術館・博物館の今

「箱物」という言葉があります。自治体が作った公共施設が、作っただけでその後の運用が十分になされていないことを揶揄した表現です。その状況を生んだ自治体側の運営を指した箱物行政という言葉もあります。箱物というとき、多くは博物館、美術館、ホールといった文化に関わる施設を対象にしています。これらの施設は活用されていないことが多々ありからです。
 昨日の朝日新聞の一面トップに「ハコモノ文化岐路 博物館戦後初の減少」と題された記事がありました。関係者にはちょっと衝撃的なものでしょう。記事には、日本博物館協会が先月末に発表した08年度の調査が紹介されています。全国で実際に活動している館へのアンケートを行った結果によると、博物館法で定められている博物館、美術館は全国で4041。07年度より21館減り、戦後増え続けてきた博物館が初めて減少になったといいます。
 記事のデータで興味深かったのは、作品や資料の購入費ゼロの館はなんと57パーセント。06からの08年に学芸員系職員を新規採用していない館は72パーセント。大変です。全国にある博物館・美術館のうち公立は3分の2を占めます。自治体により運営されている館の状況は深刻です。
 記事では、閉館された館の所蔵品の問題が指摘されています。たとえば、琵琶湖文化館。滋賀県立の施設ですが、重要文化財197点、国宝18点を所蔵していますが、その行方は決まっていません。行き先も心配ですがそも所蔵品が良好な状態で保管されているのでしょうか。とても心配です。
 日本の文化振興は官主導で行われてきました。これが今、行き詰まっています。なにか打開策はないものか。もう国には頼れないかもしれません。
 

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2010/03/29

現美がちょっと変わってた

 うちからはそんなに近くないのですが、時々訪れたくなるのが、東京都現代美術館。久しぶりにいってみました。今は、「MOTアニュアル2010:装飾」が開催されています。このMOTアニュアルは、若手アーティストを紹介する展覧会で、今年で10回目です。「装飾」をテーマに10人のアーティストが様々な表現で展示室を飾っています。
 特に気に入ったのは、塩保朋子塩保朋子さん 《Cutting Insights》という作品。細かく切り込まれた大きな紙に、光があてられ、不思議な空間がつくり出されています。
 また、美術館のエントランスではマンガ家井上雅彦さんの「井上雄彦 エントランス・スペース・プロジェクト」が行われていて、井上さんの巨大な作品がエントランスの奥に展示されています。現美のエントランスは開放感があるすてきな空間ですが、そこをうまく活用した展示ですね。

Inoue

 エントランスを歩いていて気付いたのですが、そこにあったミュージアムショップがなくなっています。よく見ると、カフェの一階に引っ越していました。確か、以前は情報コーナーがあったはず。そういえば、情報コーナー、なくてもよかったかもしれません。ミュージアムショップがエントランスから引っ込んだせいで、エントランスが有効に使えるようになったわけです。
 現代美術館もちょっとだけ、変わっていました。いろいろ大変なのかもしれません。

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2010/02/22

海辺の横須賀美術館

 横須賀美術館にいってきました。場所は観音崎、目の前に海が見え、リゾートホテルとして有名な観音崎京急ホテルの向かい側にあります。2007年4月の開館ですから、まだ新しいミュージアム。自治体の文化予算厳しき中、2000年代になって作られた公立の美術館ですが、建物をみる限りなかなか贅沢な造りです。

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 美術館は地下1階地上2階。外観がカラスに覆われているのが特徴的。展示室は地下1階と地上1階の2フロアあり、展示室は広いスペースを確保しています。館内は白い壁で統一されています。

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 展示が企画展に加えて常設展示もあります。常設展では、「東京:まちの風景」と題されたテーマで織田一麿の石版画と朝井閑右衛門の油彩画が多く展示されています。お二人とも初めて拝見する画家です。それ以外に、萬鉄五郎、安井曾太郎、中川一政、松本竣介、児島善三郎、三岸好太郎・節子、などが展示されていて、所蔵作品は日本の近代画家の作品が多いようです。
 この美術館、海辺にあって環境はいいのですが、交通手段が京急の駅からバスというあまり便利な場所ではありません。神奈川県立近代美術館 葉山館と似たような環境ですが、このちょっと不便な感じが、美術館の集客にはどうなのか。美術館と立地という、地域の美術館にとっての小さくない問題を改めて考えさせられました。

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2010/02/15

永青文庫あたりを散歩

 突然、見知らぬところへ行きたくなって、文京区の永青文庫へ出掛けてきました。永青文庫が美術館だということは知ってはいたのですが、訪れたことはありませんでした。ここは、細川家の屋敷跡にあり、細川家、特に16代当主・細川護立の美術品や蔵書などの資料を保存、展示しています。細川護煕元首相は細川護立の孫にあたります。

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 歴史を充分に感じる建物です。今は企画展「細川サイエンス ―殿様の好奇心」を開催中です。この美術館での企画展示は、絵画などを中心とした芸術をテーマとしたものが多いので、今回の科学を主題とした展示は珍しいようです。展示品には重要文化財である渋川春海昨の「天球儀」を始め、貴重なものが多くあります。このようなものにはまったく素人な私にとって、どう評価していいのやら、少し困りながら見ていました。
 永青文庫は、住所で言えば文京区目白台にあります。椿山荘のそばです。有楽町線の江戸川橋から歩いたのですが、これが結構距離がありました。おまけにこんな長い階段を上らなければいけません。

Kaidan

 帰りは、都電の早稲田駅まででて、久しぶりに都電に乗ってきました(実はおれが目的?)。数時間のぶらり途中下車の旅でした。

Toden


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2010/02/13

埼玉県立近代美術館の個性は

 都道府県で所有している美術館は、当然ですがそれぞれの個性があります。初めて訪れた埼玉県立美術館は、美術館らしい印象が残らない建物でした。黒川紀章の設計ですが、特徴的なのはその外観。格子状の柱が建物の外側を取り囲んでいる独特なデザインです。

Saitama_museum1

 この柱の中に曲線状の建物があります。

Saitama_museum2

 同じ黒川紀章設計の国立新美術館外観に似ている感じ。
 建物に入ったときに、空間が広がっていて、「美術館にきた」と感じられる建物が好きなで、たとえば世田谷美術館とか、宮城県美術館、岩手県立美術館などがそうです。しかし、ここはそんな感覚に、残念ながらなりません。入り口から入ったロビースペースは狭くはないんですが、どうしてだろう。
 この美術館の常設展示は「MOMASコレクション」(MOMASはThe Museum of Modern Art, Saitamaの略称
と呼ばれていて、テーマを設定し、定期的に展示替えされています。1982年に開館したため、予算が潤沢な時期があったのでしょう。コレクションは、モネ、ルノワール、ピサロ、ピカソなどいわゆる有名画家の作品も所蔵しています。典型的な自治体型の近代美術館といってもいいでしょう。
 場所は、地方の美術館にありがちな、クルマでしか行けないということはなく、北浦和駅から歩いて5分ほどのところにあり、便利です。建物はいまひとつな感じですが、中身はしっかりとした展示がされていて、機会があればまた訪れたいミュージアムです。
 

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2010/01/11

My Museum、宮本三郎美術館

 我が家やから徒歩20分ほどのところにある宮本三郎美術館。ここは、なんとも贅沢なアート空間です。世田谷美術館の分館ですが、小さなミュージアムです。所蔵する宮本三郎の絵画と資料を、毎回テーマに沿った内容で展示しています。美術館の建物は、2階建てで、展示室は2階だけの大きくないスペースです。
 宮本三郎という画家は、かなりの数の作品を残したようです。この美術館にいくたび、見たことのない作品に出会えます。今開催中の「美を語る言葉」は、洋画壇きっての論客といわれた宮本の美術論や作品批評、そして自作についての解説などを、資料を交えて紹介しています。
 展示されていた資料には所有していたマティスの画集があったり、ドガ、ルオーに言及している文章もあります。そんな事実を知ると、たとえば『室内裸婦』(1937年)などは、マティスから影響を受けたとも感じられ、興味深いものがあります。
 それにしても、この美術館は贅沢な空間です。昨日も訪れたのが閉館間際の夕刻だったせいもあり、他に来場者はいませんでした。自分だけのミュージアムみたいです。色鮮やかな宮本作品に囲まれて、幸せな時間をすごしました。

Miyamoto_saburou_chirashi


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2009/11/30

新しい山種美術館にいく

 この秋、根津美術館とともに、新しいミュージアムとして話題の山種美術館にいってきました。以前の山種美術館は、確か半蔵門あたりから歩いたところでした。今度は住所でいうと広尾で、広尾高校のそばです。土曜日、大学の帰りにぶらぶらと歩いていきました。20分くらいかかったでしょうか。
 新しい美術館は、前と同じくビルの中にあります。エントランスが1階で、展示室は地下になっています。前よりかなり広くなった印象です。ビルそもものが新しく、ミュージアムも新しく気持ちがいいです。1階には狭いながらもカフェもあります。

Yamatane

 肝心の展覧会は、昨日で終わってしまった「速水御舟 日本画への挑戦」。速水御舟の繊細で、細部まで描き込んだ作品に圧倒されます。最終日の前日ということもあって、すごく混んでいました。オバサン、オジサン、そしておばあさん、おじいさんまで来ていて、展示室は多くの人。また、けっして広くないミュージアムショップは大混雑です。いやいや、もっと早くくるべきでした。
 この美術館、恵比寿駅からは歩いて10分程。我が家から近い美術館が増えたのは嬉しい限りです。

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2009/11/10

戸栗美術館のすごさ

 駒場の日本民藝館にいったあと、井の頭線一駅歩いて松濤の戸栗美術館へ。このミュージアムも久しく来ていませんでした。この美術館のコレクションの中核は東洋陶器で、日本の陶器では伊万里焼を多く所蔵しています。
 今、「鍋島と景徳鎮ー君主の磁器」と題された企画展示が行われています。鍋島は江戸時代、佐賀藩が将軍に献上するために焼かれたもの。一方、中国の景徳鎮窯では、明の時代に官や宮廷のためにやきものをつくる官窯が作られました。鍋島と景徳鎮、どちらも君主のためにやかれたという共通点を持ち、それをテーマに展示が企画されています。
 企画としてはまっとうというか、ストレートなものですが、これをコレクションだけで構成できてしまうところが、この美術館の特徴でしょう。コレクションから生み出された企画とも言えます。しかし、展示されている磁器はどれも上質で、美しさをもった素晴らしいものばかり。戸栗さん、よくこれだけの名品を集めたものです。
 しかし、景徳鎮の歴史はほとんど頭になく鑑賞したため、ただ見ただけになってしまいました。もったいなかったです。もう少し勉強して、出直さねばればいけません。

090820

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2009/11/09

柳宗悦の世界をみる

 招待券をいただいたので、久しぶりに駒場の日本民藝館にいきました。折しも、柳宗悦生誕120年記念特別展「柳宗悦の世界」が開催されています。館の全展示室を使って、所蔵品約400点が展示されています。この展示では、柳宗悦の業績を「民藝と個人作家」「茶と美」「琉球の美」「朝鮮を想う」「手仕事の日本」など9つのテーマに分け、柳が集めた品々が紹介されています。
 柳によって提示された民藝という概念は、日々使われる工芸品に美を見いだすことと理解していますが、その民藝は現在ではどのような意味を持っているか、と思いながら展示されていた作品を見ていました。テーマの中で興味深かったのは「手仕事の日本」。こんなところで、こんなものが作られていたのかと驚くものがいくつかありました。例えば、酒田で作られていた曲げ物がありました。隣県の秋田・大館の曲げものは知られていますが、酒田で曲げ物が作られていた事実は意外でした。
 入り口で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えて入館する珍しいスタイルのミュージアムです。特別展ということもあり、多くの来場者があり、玄関には靴が溢れていました。他のミュージアムにはない落ち着いた居心地があります。しばらく柳宗悦の世界に浸ってきました。

Mingeikan


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2009/10/18

新しい根津美術館

 新しい根津美術館にいってきました。約3年半の建築期間を経て、今月7日に開館。まったく新しい建物は、隈研吾さんの設計です。建物の中に入ると広がる空間は、ミュージアムに来たのわくわく感を起こさせてくれ、素敵な気持ちにさせてくれます。
 和を基調としながら、現代的なセンスもある建物で、さすが隈さんの設計ですね。やはり隈さんが手がけたサントリー美術館に居るときと同じ気持ちの良さです。

Nedu_museum

 以前の2倍という展示スペースで、開館記念展「新・根津美術館展 国宝那智瀧図と自然の造形」が開催されています。美術館所蔵の国宝「那智瀧図」(5年ぶりの展示)をはじめ、多くの重要文化を含む名品が展示されていて、あらためてこの美術館コレクションの充実度がわかりました。日本画、仏教彫刻、書、陶器、中国の青銅器など、どれも素晴らしい作品。印象に残ったのは、「吉田龍田図屏風」(江戸時代、17世紀)。切り取られた季節の風景ですが、頭の中には美しい自然を広げてくれる屏風絵です。
 美術館はまだ開館して間もないこともあり、私のようなおじさん(笑)、おばさんで賑わっていました。やはり、この美術館はお年寄りが似合うのでしょう。来年の9月まで、8部にわたり開館記念展が開催されます(来年4月には琳派の展示がされます)。この素敵な空間を楽しむため、また訪れたくなりました。

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