写真

2024/08/30

難しい「現代写真とは何だろう」

 難解な本でした。『現代写真とは何だろう』(後藤繁雄 著)は編集者、クリエイティブデレクターの著者が現代写真について論じた一冊です。現代写真の見方を解説するというより、著者の考える現代写真について語ったというのがその内容。
 現代写真そのものが(多分)難解であり、これを難解な方法で書いているため、難解な本になっている、という感想を持ちました。書かれる言葉は決してわかりにくいものではありませんが、文章はわからないところが多い。そして私にとっては取り上げた写真家、アーティストの写真の多くをみたことがないため、語られることがかなり理解できません。何らかの方法でこれらの写真家、アーティストの写真集、作品展のアーカイブをみないと、この本を理解はできない。
 これから現代写真をみていこうとするなら、手がかりになる本だとは思います。もっと写真をみろ、ということでしょう。

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2024/07/16

コンパクトデジタルカメラの人気

 ずっと使っているコンパクトカメラRX100 VIIが壊れました。突然、モニターが真っ黒になり、しばらくすると「電源を入れ直してください」とメッセージがでます。電源を入れ直しても同じ症状です。仕方ないので修理にだしました。
 見積金額がメールできて、なんと7万2000円ほどかかるとのこと。レンズ交換をするので、かなりの金額です。
 これならいっそ新しい機種を買ったほうがいいのかと、商品を探してみると、修理にだしたカメラはまだ現役です。発売から約5年経っていますが、後継機とか出ていない。
 レンズ交換ができないコンパクトデジタルカメラは人気がないのか。でも、今年3月に発売された富士フイルムのX100VIは大人気で買えません。正規の販売価格(富士フイルムのオンラインでの価格)は281,600円と高額。商品力があれば、高くても売れるということです。
 しばらくは修理から戻ってきたRX100 VIIを使います。

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2024/07/08

料理の写真を撮る講座

 時々、受講している藝術学舎の講座を受講しました。オンライン講座で、Zoomを使うのは久しぶりです。今回は<「おいしそう」を作り出す写真テクニック>という講座で、要は料理など食べものをいかに美味しそうに撮るか、そのテクニックを学ぶ講座です。
 大学の写真コースで学んでいたとき、料理の写真の摂り方は教わらなかった。ストロボとか照明の使い方は習いましたが。ということで、一から料理写真の撮り方を勉強です。最近、使っていなくて埃をかぶっていた三脚を引っ張り出して使いました。
 Instagramなど巷では料理写真が溢れかえっていますが、基礎から写真の撮り方を学ぶことはなく、とてもいい講座でした。これを機会に料理写真を極めてみようかと、無理だろうことを考えてます。

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2024/06/19

PENTAXの新型フィルムカメラ

 PENTAX、しぶといな。リコーが国内で21年ぶりとなるフィルムカメラの新型機を発売すると発表しました。キヤノン、ソニー、ニコン、オリンパス、富士フイルムなどのメーカーがひしめく中、PENTAXブランドのカメラは「まだやってる」と思っていました。20年ほど前に買ったPENTAXの一眼レフを持っていますが、最近ほとんど使っていません。
 デジタルカメラが当たり前の世の中で、中古のフィルムカメラで撮るのは、マイナーです。そんな中、PENTAXブランドの「ハーフサイズフォーマット」のフィルムカメラ「PENTAX17」を発売します。
 プレスリリースには、
「『PENTAX 17』は、リコーイメージング/PENTAXがこれまでのフィルムカメラ開発のノウハウを生かし、ベテランの技術者と若い世代の技術者が一丸となって技術を承継しながら、あえて全自動ではなく、人が操作する余地を残すことで、撮影者の個性や創造性が発揮できるモデルとして開発いたしました。」
 とあります。
 ヨドバシカメラのサイトでは既に予約を始めていて、価格は88,000円。微妙な値段。なんか、欲しくなってきた。

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2023/11/13

「見るまえに跳べ」(東京都写真美術館)

 先週、みたのに感想を書いていなかった「見るまえに跳べ:日本の新進作家 vol.20」(東京都写真美術館)は刺激的な展示でした。
<写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘するとともに、新たな創造活動を紹介することを目的として「日本の新進作家」展を開催してきました。20回目となる本展では、5人の作家を取り上げ、不確かな時代を生き抜くための原動力を探ります。>(美術館ホームページより引用)
 動画が写真(静止画)と同じほどの位置で展示されることが当たり前になっていますが、本展示では写真が主流でした。展示をみていると、写真しかできないこと、のヒントがあるように感じました。
<本展では、この「深い孤独」と向き合い、独自の方法で写真作品によって、生きるための原動力の在処を示す5人の作家をご紹介します。孤独の中にありながらも、人とのつながりを手繰り寄せようとする彼らの作品は、私たちのかたくなな心を溶かし、人生の豊かさとは何かを思い出させてくれることでしょう。>
 5人の作家の中で特に興味深かったのは星玄人の作品。新宿、横浜、大阪市西成区などで撮ったスナップが並びます。特に西成地区は凄いです。ここで人物を撮るのは相当の勇気がいるのではと、体験から思います。
 新しい世界をみせてくれた展示でした。

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2023/11/06

「即興 ホンマタカシ」@写真美術館

 ホンマタカシの日本の美術館で開かれる約10年ぶりの個展です。「即興 ホンマタカシ」は、ピンホールカメラの手法を使った作品が展示の中心です。
「作家は建築物の一室をピンホールカメラに仕立て、世界各地の都市を撮影した」(美術館公式サイトより)
 とサイトにはありますが、技術的にはどのように撮影したんだろう、と疑問がわきます。カーテンとか紙とかで遮光して、1点から光をいれたのか。感光はフィルムかな。
 テクニカル的なことに感心がいくわけですが、作品をどうみたらいいか。戸惑うところはあります。タイトルに「即興」とあるのは作家が即興として作品をつくっているといことでしょうか。でも、作品を観賞する側も即興で感じてもいいかもしれない。
 古い技法ながら、新しさを感じさせるホンマタカシの作品です。

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2023/11/05

「風景論以後」

 ご無沙汰していた写真美術館で、「風景論以後」が今週末まで(11月5日)と気付き、慌てていってきました。美術館のホームページでの予習もしないでいったのですが、熱量の高展示でした。美術館のホームページから引用すると、
「どこにでもある風景を現実の側からとらえ直す、視覚芸術を通じて、文化、社会、政治との関係から風景を表現していくそのラディカルな方法は、1970年前後の写真家、映像作家に大きな影響を与えました。 本展では、こうした風景論をめぐる日本の写真映像表現を、当時の資料を交えて歴史的に再考するとともに、今日の現代作家にいたるまでの写真映像と風景の変容を、コレクションを中心に包括的に検証いたします。」
 2000年代からさかのぼる形式で年代別に作家作品を展示されています。中平卓馬、大島渚、若松孝二の作品、資料は貴重なもの。特に<永山則夫『詩 無知の涙』ノート>が保存されていたのには驚きました。
 意欲的な企画だと思います。

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2023/11/03

BRUTUS「写真はもっと楽しい」

 雑誌「BRUTUS」で写真特集<写真はもっと楽しい>を今頃。先月出た号ですが、開かないまま放置していました。BRUTUSで写真特集は久しぶりか。今号は日本の写真家(この呼び名がいいのか、アーティストと言うべきか)が登場しています。
 誌面に登場しているアーティスト、ほぼ知らないです。それぞれの作品には魅力的な作品もありますが、大きく心が動く、という作品は少ない。まあ、雑誌の誌面なのでまっとうな作品評価はできないですが。
 特集の中では平野太呂の「世界のエルヴィス、大集合」が面白い。エルヴィスのそっくりさんを撮った作品ですが、いまさらながら驚き、感動します。
 古い写真ファンにとっては篠山紀信、沢渡朔の対談が嬉しい。お二人とも1940年生まれ、当年83歳。お元気そうです。
 動画全盛のいま、写真の状況はどうなのか。少しだけ、盛り返しているのかも。

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2023/07/29

中平卓馬×森山大道:2人展

 中平卓馬と森山大道、二人の写真家は同じ1938年(昭和13年)生まれです。「挑発関係=中平卓馬×森山大道」(神奈川県立美術館葉山)をみてきました。森山大道はいまだ現役で活躍していますが、中平卓馬は2015年に亡くなっています。二人は伝説的な写真誌『PROVOKE』の同人になり、また共に逗子に住んでいたこともあり、交流がありました。
「本展は、そうした半世紀以上にわたる二人のつながり――出会い、交流、共同作業、相違、交差、反発、共感、畏敬――をあらためて美術館という空間に引き込み、ぶつけ、検証する、はじめての試みです。」(美術館の公式サイトより)
 本展では特に「神奈川県内で撮影した写真を中心に展示」されています。また、森山大道が2021年に撮影し写真集として発表された「Nへの手紙」(Nは中平卓馬)も展示されています。
 刺激的な展覧会です。

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2022/12/03

星野道夫 悠久の時を旅する

 写真家・星野道夫の作品を個展をみるのははじめてかもしれません。早逝した著名な写真家ですが、作品をじっくりみたことはありませんでした。「星野道夫 悠久の時を旅する」(東京都写真美術館)で星野道夫の類い希な写真キャリアと自然と動物をとらえた作品に感動しました。
<本展では、20歳のときに初めて足を踏み入れたアラスカの村の記録から、亡くなる直前まで撮影していたロシアのカムチャツカ半島での写真までを一望すると同時に、貴重な資料展示を交え、旅を終えることなく急逝した星野道夫の足跡を辿ります。>(本展公式サイトより)
 星野道夫のプロフィールで、田中光常の助手だったことを知りました。また、大学の先輩であったことも。
 命懸けで写真を撮った星野道夫の生涯と写真をみた素敵な写真展でした。

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2022/10/20

T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO をみる

 T3 PHOTO FESTIVAL TOKYOという写真イベントが開催されています。これをご存じのかたは、かなりの写真マニアです。どんな内容なのか。
T3 PHOTO FESTIVAL TOKYOは、「次世代の写真文化を育むアジアのハブ」をビジョンに、(1)写真展、(2)トーク&イベント、(3)学生プロジェクトの3つを柱に展開するフォトフェスティバルです。>(公式サイトより)
 2020年から東京駅・東側エリア(八重洲、日本橋、京橋)の公開空地等を使った都市型屋外写真祭として実施されています。今年は10月1日から30日までの開催です。
 東京駅から京橋、日本橋エリアのビルと工事現場に写真とメッセージが展示されています。プロの写真家の作品に加え、美術大学・専門学校から選ばれた学生たちが、作品を展示があります。
 街と写真というテーマで展開される写真祭ですが、どこまで写真ファンに広がっているのか。そのあたりは気になりますが、写真は見ごたえがありました。森山大道の写真もあります。面白い企画で、ずっと続けて欲しいです。

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2022/10/13

「野口里佳 不思議な力」展

 野口里佳の作品をまとめてみるのははじめてかもしれません。東京都写真美術館での「野口里佳 不思議な力」は作品がすんなりはいってくる展示です。
野口はこれまでに、水中や高地、宇宙といった未知の領域と人間との関わりをテーマにした作品を手がけてきました。近年では、日常や周囲に満ちる無数の小さな謎の探求を通して、見るものの感覚や想像を解き放つような表現を追求しています。>(美術館公式サイトより引用)
 いつも暮らしている中からの作品をつくっている野口里佳。単に撮るだけでは作品にはなりません、当然だけど。どのように作品に昇華させていくかが、アーティストの力なんだろうな。
 展示は、
<写真と映像、ドローイングによって構成される本展は、初期作品〈潜る人〉(1995年)から最新作〈ヤシの木〉(2022年)までを出品作品に含み>
 と作家の軌跡をたどることができます。
 写真作品が並ぶ中で、「夜の星へ」と題された映像作品に妙にひかれました。野口里佳の世代でも動画は当たり前、ということなんだな。
 展示は来年1月22日までです。


 

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2022/09/25

2つの写真展

 暑いとか、用事があるとか言い訳してみにいってなかった二つの写真展にいってきました。
 ひとつはワークショップで教えていただいた金村修さんの<金村修 “Sold Out Artist”>(CAVE - AYUMI GALLERY)です。写真家、映像作家として活躍する金村さんの新作です。
「本展では都市の風景で構成された4点の映像作品をギャラリー空間へと投影する映像インスタレーションを発表します。」(ギャラリー公式サイトより)
 映像インスタレーションに加え、新作のコラージュとドローイング作品も手に取ってみることができます。とても刺激的な展示でした。
 

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 もうひとつは赤尾富美さんの「瞑想幻想曲×変奏即興曲」(ナダール)です。作家の赤尾さんとは大学の写真専攻のコースでご一緒していました。
私は木々の花を撮っているが、「それら」の向こう側を撮っているのだと思う。
その向こう側にあるものはこの先も変わらず、それを追うのも変わらないだろう。
私は写真や絵画から音が聞こえる。心が疲れた方、是非この音を聞いて欲しい。
(作家ステートメントより)
 素敵な表現の作品です。
 
 いずれも今日(25日)までですが、お時間のあるかたはぜひ。

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2022/09/18

型落ちのエプソンプリンターが高い

 今月末に世田美でとあるグループ展に出展するので、写真を印刷することに。A3の用紙サイズでのプリントだったので、どんどんプリントに頼んでもいいのですが、うちの写真用プリンターでやったほうが少しは経済的と久しぶりに稼働させることに。
 プリントをし始めると、3枚ほどプリントしたあたりからプリントがスムーズに出来なくなってしまいました。いくら待ってもプリントが進まない。設定が悪いのかと四苦八苦して、なんとかできるようになりました。
 プリンターはエプソンのSC-PX5VII。購入したのは3年前の7月で、新品で84,000円ほどと高価でした。その後バージョンアップした新製品がでて、型落ちのプリンターになっています。
 しかし、アマゾンでは新品が119,600円で売られている。楽天では中古が239,600円 で。後継の新型は90,000円くらいなのに。ネットをみてみると新型が品切れ状態です。SC-PX1Vという商品ですが、発売されたのが一昨年の6月で発売当初も品切れ状態が続いていました。
 高価なプリンターがそんなにバカ売れするとも思えません。生産を絞っているのか。ちょっと不思議です。

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2022/07/13

ニコンが一眼レフカメラ開発から撤退

 昨日、メディアで報じられているニコンが一眼レフカメラ開発から撤退というニュース。
「ニコンが一眼レフカメラの開発から撤退したことがわかった。1959年から60年以上にわたって一眼レフを手掛けプロの支持を集めてきたが、人工知能(AI)や画像処理技術を導入し市場で主流になりつつあるミラーレスカメラの開発に集中する。」(7月12日 日経新聞)
 この報道が事実かはわかりませんが(ニコンは現状報道を認めていません)、ニコンの置かれた状況を示し、あり得るだろうと思います。私の知るところでもニコンのカメラから他社に乗り換えをした人が何人もいます。
「ニコンはもうダメだ」という声もききます。しかし、これはどうなのか。ニコンの業績は回復しています。2021年3月期には売上高約4500億円で、約340億円の赤字(営業損失)でした。しかし、2022年3月期では売上高5396億円、営業利益は499億円に回復しています。
 ニコンでの売上でカメラ事業は3分の1です。すぐにニコンのカメラ事業がダメになる(撤退する)可能性は極めて低いとみるのが妥当でしょうか。
 イメージセンサーを内製できない課題はありますが、これはニコンにはどうしようもないこと。今後の課題は、ミラーレスカメラので主戦場が動画に移っている現状に、どのような策で対応していくか、でしょう。
 かつての日本光学工業がカメラをつくり続けるか。まだ、わかりません。

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2022/06/20

量販店か、メーカー直販サイトか

 カメラのストロボが調子が悪くなり修理しました。カメラのホットシューにつけても同期せず、フラッシュが発光しません。テストボタンを押すと発光するので、ホットシューとの接続部(マルチインターフェースフットというらしい)が不具合でしょう。
 引き取り修理にして(この申込にもょっとトラブルがありました)、1年の補償期間を過ぎているので、修理費がかかります。メールで修理費の承認をして10日ほどで修理完了して、ストロボが戻ってきました。
 修理費は1万2千円ほどかかりました。この製品はヨドバシカメラの通販サイトで買いました。商品によってはソニーストア(メーカーの直販サイト)で買っています。ソニーストアで買うと追加料金なしで3年補償がつきます。製品の価格はヨドバシカメラより高いことが多いのですが、クーポンを使うと安くなることもあります。
 修理費が発生したことを考えると、結果的にはソニーストアで買ったほうがお得だったことになります。単に安いだけで購入サイトを選んではいいけないのだな、と実感した出来事でした。

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2022/05/10

写真新世紀の終了

 ちょっと前ですが「写真新世紀」の冊子が送られてきました。写真新世紀はキヤノンが主催する公募の写真賞です。昨年の公募が最後に、賞が終了です。送られてきた冊子には案内文が添えられています。ここには、
「1994年から発行して参りました写真新世紀誌。長きに渡り本当にありがとうございました」
 と書かれています。
 表現としての写真は、ほかのメディアに比べ存在感がなくなりつつあります。時代の流れは動画です。写真新世紀では写真、動画の区分けをしていませんが、「写真新世紀」という名称はいまのものではないとも思えます。
 カメラメーカーとして大手のキヤノンですが、写真から動画へと主役が推移する状況のなかで、章の維持は難しかったということでしょうか。いずれにしても、写真が問われていることは間違いありません。

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2022/05/06

いまなぜか、写真についての本

 このところ写真についての新刊が目立ちます。3月に光文社新書『「現代写真」の系譜 写真家たちの肉声から辿る 』(圓井義典)、4月に同じく光文社新書で『写真はわからない 撮る・読む・伝える――「体験的」写真論』(小林紀晴)がでています。また少し前ですが1月には『写真論――距離・他者・歴史 』(港千尋)が中公選書ででています。
 歴史的な視点、写真を鑑賞する視点で写真を論じていて、興味深く読みました。特に『写真はわからない 撮る・読む・伝える――「体験的」写真論』は写真家・小林紀晴による体験的写真論で、写真を撮るものにとっては参考になることがたくさんありました。
 しかし、何故いま写真論なのだろう。時代は写真(静止画)から動画へと移っています。スマホで写真を撮ることは日常になっていますが、アマチュアにとってカメラを使っての写真撮影はマイナーではないかと思っています。いま、写真の価値を見直そうということなんでしょうか。

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2022/04/20

今年のKYOTOGRAPHIE

 京都に来ています。昨日、大阪で写真を撮り、午後京都に。目的のひとつは京都国際写真祭 KYOTOGRAPHIEをみるためです。昨日は2カ所の展示をみて、今日もいくつかみる予定。
 今年の展示はちょっと少なめな気がします。ちゃんと比較したわけではありませんが。詳しくは明日書かせてもらいます。

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2022/01/25

「写真」という雑誌

 昨年あたりから写真雑誌が相次いで休刊しています。「アサヒカメラ」、「日本カメラ」といった写真投稿マニアには重要な雑誌が休刊になりました。巷ではオンライン動画が広がり写真は厳しい状況に追いやられています。まして、紙のメディアは縮小しています。
 その状況の中、ふげん社が「写真」と題された雑誌を創刊しました。
「写真術の誕生から180余年。21世紀の到来とともにデジタルカメラやスマートフォンの普及によって、誰もが気軽に写真を撮り、多方向に発信・受容してコミュニケーションできる世の中になりました。ソーシャルメディアの台頭は写真を取り巻く環境を一変させ、我々はリアルとバーチャルのはざまでカメラと映像に囲まれて暮らし、写真はもはやあらゆる媒体に変容する、我々の日常環境そのものとなりました。これからの写真に何が可能なのか、この激動の時代に求められる写真表現とは何なのか。
雑誌『写真』はいまこそ写真とは何かを問い直し、写真そのものが持つポテンシャルを最大限追求するとともに、見るものを魅了するイメージと濃密な記事内容で、いつまでも人々の記憶に残るような誌面、五感にうったえかける物質としての印刷物というコンセプトで創刊されました。」(銀座 蔦屋書店のウエブサイトより引用)
 創刊号を予約していて先日届きました。予約したときは「アサヒカメラ」のような写真雑誌だと思っていたのですが、かなり違っていました。写真を「みる」というより「読む」メディアです。なんか難しいなあ。
 この「写真」は年2回刊の予定とか。創刊号は多くの写真家などクリエーターが参加し、かなり力が入って充実した内容になっています。次号からはどうなるのか。行方はわかりません。

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2021/06/21

東京タイムスリップ 1984⇔2021

 写真表現のひとつのやり方として定点観測があります。同じ場所で時間をあけ、撮影していくもので根気はいりますが、魅力ある作品になることも多い。定点観測とは少し違いますが、昔撮った場所の写真を、同じ場所で時間を経て再度撮ることも面白い。
 善本喜一郞の「東京タイムスリップ 1984⇔2021」は、タイトルの通り、1984年と2021年の東京風景を同じ場所で撮影した内容の写真集です。1984年はモノクロ、2021年はカラー写真で撮影した作品を見開きページでみせています。写真をみれば懐かしい感情になります。37年の年月を経ていますが、風景はあまり変わっていないところが意外と多いです。風景が激変していると面白さが増すのですが、そんな場所の写真は撮られていなかったのかな。
 紀伊国屋書店ではベストセラーになっている本書ですが、どんな人が買っているのかな。やはり、オールド世代なのか。若い人も買っていると、先日善本さんはトークショーでおっしゃっていました。
 素直に写真作品を楽しめる一冊です。

 

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2021/05/09

カメラという金のかかる趣味

 道楽と一言にいいますが、これはどんなこと指すのか。ネットのコトバンクによれば、「本職以外の道にふけり楽しむこと。趣味として、ある事柄を楽しむこと。また、ものずきであること。その人。好事家(こうずか)」とあります。
 写真を撮るとことを趣味にしている人は「道楽だよ」と自虐的に言うことがあります。これは、写真を撮ることがおけながかかる、ということです。もちろん、スマホだけで写真を撮って、プリントしなければお金はかからない。でも写真を趣味をする人はそんなわけにはいかない。
 最近、ライカとか中判デジタルカメラを持っている人に出会いました。ライカは高いカメラとして有名です。どんなモデルがあるかはほとんど知らないのですが、中には100万円以上するカメラもあるみたい。百万ですよ。軽自動車が買えそう。
 中判デジタルカメラというのも最近知りました。カメラでレンズから入った光を電気信号に変換する半導体がイメージセンサー。サイズが大きいイメージセンサーを使っているカメラが中判デジタルカメラ。センサーが大きいから画質もいい、ということらしい。この中判デジタルカメラもライカほどでないにしても高い。
 ライカ、中判デジタルカメラでなくて、ふつうのレンズ交換式カメラも安くありません。慣れてくると交換レンズが欲しくなります。これが高い。カメラ本体より高かったりするレンズもあります。
 道楽には深入りしないほうがいいですが、ひょっとすると抜けられなくなっているかも。



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2021/05/07

カメラの修理

 カメラの調子がおかしくなりました。サブで使っているコンパクトデジカメなんですが、ピントを合わせる機能がよくないです。細かいことは省きますが、要はちゃんとピントを合わせて撮影ができない状態になっています。
 修理をしようとネットでやってみると、「持ち込み修理」の扱いということ。以前、このカメラは引き取り修理でした。日通さんが梱包の段ボールを持ってきてくれ、カメラを回収してくれます。これはいいサービスでした。
 でも、なぜかこのカメラは「持ち込み修理」になってしまいました。持ち込みはサービスステーションにいかねばいけません。サービスステーションはたくさんなくて、東京は秋葉原だけです(以前、品川にもあったのだけど)。サービスステーションも混雑していて、待ち時間が長かったりする記憶があります。
 そこでメールでの問い合わせをして、症状確認をして、結局引き取り修理をしてもらえることになりました。購入がメーカーのサイトからだったから、3年ワイド保証になっていたのも良かったかも。
 製品の修理は大事なことだけど、その質はどうなんだろう。ちょっと心配です。

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2021/04/17

日本カメラの休刊

「日本カメラ」の休刊が発表されました。カメラマニア、特にフォトコンテストに応募するような人にとっては、重要な雑誌だったはずの「日本カメラ」がその寿命を終えます。ホームページによれば73年の歴史です。「アサヒカメラ」が休刊になったとき、「日本カメラ」はまだやっている、と思ったのですが、やはりダメだった。
「日本カメラ」を出しているのは日本カメラ社。出版社としてはカメラ関係の雑誌、ムック、書籍だけを出版しています。「アサヒカメラ」さえ休刊した状況では、カメラ雑誌をやっていくのは厳しい。日本カメラ社は書店向けの告知で「会社を解散させていただく」とあります。会社を精算して、たたむということでしょうか。それにしても唐突です。日本カメラ休刊の発表は4月15日で、最終号の発売は4月20日です。
 時代は動画に移り、写真雑誌は継続していくのが厳しい。「日本カメラ」というメディアが終わりを迎え、写真のこれからはどこへいくのか。まだまだ何かが起こりそうです。

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2021/02/25

オンライン展示会のCP+

 カメラマニアにとっては楽しみにな展示会がCP+。何年か前に行った記憶があるのですが、最近はご無沙汰でした。毎年、2月末に開催されていますが、昨年は直前に中止になりました。今年はオンライン開催です。現状をみるとオンラインはやむを得ないとも思えます。
 しかし、現在リアルな展示会は開催されています。展示会会場のビッグサイト、幕張メッセのサイトをみると、多くの展示会が予定されています。昔、仕事で関わっていたSECURITY SHOWも去年は中止ですが、今年は今のところ来月初旬に開催予定です。
 CP+はプロとアマチュアとも対象にしている展示会なので、オンラインという選択をしたのでしょうか。わざわざ会場に行かないでいいのですが、カメラ実機をみることができないのは残念。展示会にいった帰りに中華街に寄る(会場は毎年パシフィコ横浜)という楽しみもなくなりました(笑)。

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2021/02/24

ドアノー、パリと音楽と

 写真家ロバート・ドアノーといえば、「市庁舎前のキス」があまりにも有名です。恵比寿の写真美術館の入口へ至る壁に大きなプリントがあり、ドアノーの名前は知らなくても、この写真はみたことがある人が多いでしょう。
 ザ・ミュージアムで開催されている「写真家 ドアノー/音楽/パリ」を見てきました。本展は音楽をテーマにした写真約200点を展示する内容で、日本初公開作品もあります。
 ほとんどの作品が人物をモチーフにしていますが、どれも構図が素敵です。そして、音楽が流れる空間をさりげなく表現していて、写真がおしゃれです。でも、音楽と言ってもシャンソンとかオペラなので、親しみのない私にはきこえてくることはありませんが(笑)。
これだけのまとまったドアノーのプリントをみるのははじめてで、この写真家の作品とじっくり向き合うことができました。
 パリは魅力的な街何だろうな、きっと。そんな当たり前のことを思い出させてくれるドアノーの写真です。

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2021/02/10

キヤノン写真新世紀の終了

 写真家にとってひとつの目標であるのがキヤノンが主催する「写真新世紀」です。年一回行われる公募展で、今年で30周年です。が、今年限りということが発表されています。
「写真新世紀の公募は、今回で最後になります。インターネットやSNSといった情報発信における技術革新が進み、個人が自由に情報を発信し、制作・表現の場が多様化し、グローバルに広がったという社会的背景もあり、30周年となる今年度を節目に公募は終了します。」(公式ホームページより)
 昨年は過去最高の応募数だったのにも関わらず、終了です。「写真新世紀」という言葉がもう古くなってしまったのでしょう。時代は写真から動画に移っています。「写真新世紀」の受賞作は写真だけでなく動画作品もあり、「写真」という枠組みに閉じ込めておくのは、無理があるのでしょう。
 また主催するキヤノンの業績も良くありません。
<キヤノンは30期以上にわたり、一度も通期で「減配」することなく配当を維持または増配とする”非減配”を続けていたが、2020年12月期で、それが途絶えてしまう見通しとなった>(2020年10月26日 Yahoo!Japan ニュースより)
 これも影響したのかな、と思っています。いずれにせよ、写真家にとっては厳しい状況になっています。
 

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2021/02/03

オリンパスの次はニコンか

 写真を学ぶ大学に入って2年足らずですが、この間にカメラを巡る状況は激変しています。現象として現れているのはオリンパスのカメラ事業売却です。赤字の事業を切り離し、企業としての生き残りを賭ける判断を下しました。
 そして今、ニコンが厳しいです。東洋経済オンラインで「カメラは生き残るか」と題された記事が連載で掲載されています。その第1回は、「ニコン、巨額赤字で迎える正念場」です。記事によれば、

ニコンはカメラ事業を本当に継続できるのか――。多くのカメラユーザーはいま、大いなる不安を抱いている。
2020年4~9月期のニコンの営業損益は466億円の赤字(前期は175億円の黒字)に転落。2021年3月期も750億円の営業赤字(前期は67億円の黒字)と、過去最悪規模となる見通しだ。

 

 深刻な状況です。なにせ「売り上げの約4割(2020年3月期実績)を占めるカメラなどの映像事業が大赤字だからだ」です。昔ですが高校生の頃、ニコンのカメラは到底手にいれることが出来ない崇高なものでした。ニコンF。カメラマニアなら誰でも憧れたでしょう。
 そして今、いくつかの要因でカメラ事業を継続できるかとも言われています。ニコンユーザーはどんな思いなんだろう。名門ニコンの行方が心配です。



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2021/02/01

写真館のいま

 先週末、新聞の折り込みチラシに写真館の広告が入っていました。写真館のチラシで、成人振袖展示会の案内です。恵比寿の三越にある写真館(写真室)です。そういえば、恵比寿の三越は2月で閉店なんです。この写真室は移転して営業するとか。
 このチラシをみて「写真館はいまどうなっているのか」と思いました。うちのそばにあった子どもを対象とした写真館が閉店したのは、かなり前。昔からあるある地元の写真館はほとんどなくなってしまいました。
 ネットで調べてみると、昨年11月に帝国データバンクの調査がありました。
<コロナ禍で消えた“ハレの日”需要が大打撃 「写真スタジオ」で倒産急増、過去10年で最多確実に>
 というプレスリリースです。
 これによれば、
「デジタルカメラやスマホの普及が進んでも、写真需要は近年横ばいで推移するなど持ち直している。『写真』そのものが付加価値の高い商品として受け入れられ「子供向けポートレート』などハレの日需要を開拓・拡大させてきた点が貢献したとみられる」
 と写真館のビジネスは「近年は『ハレの日』需要の掘り起こしに成功し、業容が持ち直しつつあった」とあります。
 しかし、他の業界同様に、
しかし、コロナ禍でハレの日イベントの多くが中止・自粛を余儀なくされ、需要は急減」
 です。
 写真館ビジネスの今後も不透明のようです。

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2021/01/29

90万円のカメラ

 スマホで写真を撮ることが日常になり、カメラの売上げが落ちていると報じられています。そんな中、キヤノンのミラーレスカメラのEOS R5、R6が発売以来品切れ状態です。R5はヨドバシカメラ価格で506,000円、R6は335,500円と高額です。価格に見合った性能を備えていれば、カメラマニアは手に入れたいと思うのです。
 ソニーが本体価格が約90万円のカメラミラーレスカメラ「α1」を発売します。有効画素数約5010万画素、秒間30コマ連写が特徴。細かいスペックをみても、どこが90万円の価値があるのか、素人には分かりません(笑)。
 朝日新聞の記事によれば、
「デジカメのプロ向け市場で2強とされるキヤノン、ニコンの牙城がじょうの切り崩しを狙う」(1月28日朝日新聞)
 とあります。
 プロ用のマーケットでは、ソニーはまだまだなんです。今後の展開が気になります。







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2021/01/22

写真美術館にいく

 昨日、久しぶりに恵比寿の写真美術館にいっていました。今週末で終わる展示があり、見ておかなければと。なにせ年間パスポートを買っているので、これを活用しなくてはいけません。いま、「日本初期写真史 関東編」、「瀬戸正人 記憶の地図」、「138億光年 宇宙の旅」の3展示が行われています。
 ところが昨日は開館記念日とかで、美術館の企画展(「日本初期写真史 関東編」、「瀬戸正人 記憶の地図」)は無料だったのです。でもこれはホームページにも掲載されていません。なので、来場者も多くはありません。いつもと同じほどゆったりみることができました。
 「瀬戸正人 記憶の地図」は「タイと日本を往還しながら、半世紀以上にわたりアジア各地の人々の暮らしや表情、風土や自然、また社会にレンズを向けてきた」瀬戸による生活感のある写真に惹きつけられ展示です。
 「138億光年 宇宙の旅」は当初予定されていた星野道夫展が中止になり、「NASAの画像を中心に、観測衛星や惑星探査機、宇宙望遠鏡等がとらえた美しく驚異的な天体写真を選りすぐってご紹介します」という展示です。急遽差し替えられたものですが、なかなか見応えがありました。
 もう少し来場者が増えてくれると嬉しいのですが、なかなか難しそうな写真美術館です。

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2020/10/11

写真講座のある状況

 写真の講座に先週参加しました。藝術学舎(京都芸術大学がやっているカルチャー講座のようなものと言えばいいのか)のとある写真講座です。全5回で夜景を撮ることを目的としている講座です。
 藝術学舎は秋の講座から対面授業を再開しるので、校舎にいっての授業です。この講座、去年も参加したのですが、参加者は定員(20名)で満席でした。しかし、今年は参加者はわずか5名です。
 コロナのせいなのか。それにしては少なすぎる。純粋な写真講座は人気がないのか、って気もします。他のカルチャーセンターの写真講座はどうなんだろう。そもそも写真講座があるのだろうか。
 時代は写真から動画に移っている中、写真講座の今後は厳しいかも。そんなことを思いながら写真を撮っています。

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2020/10/07

「日本カメラ」という雑誌

 今年の6月、「アサヒカメラ」が休刊になり、カメラファンには衝撃でした。「アサヒカメラ」はたまに買っていたのですが。これがなくなったので、カメラ雑誌はほとんど読まなくなっていました。ふと思い出し、「日本カメラ」を買いました。
 創刊が1948年ということですから、72年間も続いている雑誌です。「アサヒカメラ」がなくなったので、その読者が流れているのでしょうか。それとも部数的は苦しいのか。
 今月号(10月号)の特集は「全自動フィルムカメラの魅力」です。なんともマニアックな企画に思えますが、カメラファンにとっては、当たり前の(?)企画なんでしょうか。
 カメラ雑誌には定番のフォトコンテストも充実しています。入選者をみていると、年齢層が高いです。金賞をとった方にコメントが載っているのですが、写歴が40年を超えている方がお二人。長く撮らないと、写真は上達しないのです。
 ずっと続いて欲しい「日本カメラ」です。 

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2020/09/20

安いネットプリント屋さん

 ふだんの生活では写真をプリントすることはめったにありません。スマホやPCの画面でみて満足しています。しかし、写真を習っているので、プリントアウトする必要が時々あります。以前は写真専用のプリンターでプリントしていました。エプソンのプリンターですが、フツーのプリンターよりずっと高価です。意を決して買ったものです。
 でも、あるプロの方からネットプリント屋さんもいい、と勧められました。どんどんプリントというところです。確かに安いです。例えば2L判は20円。ヨドバシカメラでは88円。A4サイズは140円でこれがヨドバシカメラだと495円。
 もちろん送料はかかりますが、ネコポスを使えば225円です。枚数によってはエプソンのプリンターで印刷するコスト(プリンター用紙)より安いかも。当日12時までに注文すれば(東京の場合)翌日ポストに届きます。
 どうしてこんなに安いのか、不思議。これで儲かっているのかと思うくらいです。このプリント屋さんをしばらくは愛用しそうです。

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2020/07/06

森山大道のTokyo

 先々週の日曜美術館「アートシーン」でインタビューで登場していた森山大道。80歳をすぎても、まだ写真を撮り続けています。森山大道の写真集『Tokyo』が出版されました。本の帯には、
「森山大道が唯一無二の混沌を活写! 世界初、スナップで巡るガイドブック」
 とあります。
 全編モノクロで東京をスナップした写真です。森山大道らしい独特の視点に魅せられます。見出しShinzyuku,Ueno,Kanda,Roppoingi,Tokyo Bayなど英語表記です。ひょっとすると元々はオリンピックのインバウンド向けを意識して企画された写真集かもしれません。
 撮影年月日は記されていませんが、作品にはマスク姿の人を捉えたものもあるので、近作も含まれているようです。写真集ながら19センチ×13センチほどのコンパクトサイスで1650円です。
 いまの森山大道、Tokyoを見ることができる一冊。

Tokyo

 

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2020/06/26

デジタルカメラの現状

 昨日の記事で書いたオリンパスのカメラ事業の売却について、朝日新聞に驚くデータが載っていました。2010年と2019年を比較すると、
「カメラ映像機器工業会の統計では、19年の出荷額は5871億円。ここ10年で3分の1ほどに減った」(6月25日朝日新聞)。
 です。台数ベースでみれば、1.2億台から0.2億台へと6分の1になっています。
 一時、Instagramのブームでデジカメが売れているという報道がありました。確かに朝日新聞に載っているグラフでは2017年は前年より増えています。が、翌年からまた下落しています。このペースで落ちていくと、どうなるんだろう。
 オリンパスはカメラ事業の売却でマーケットでの評価が上がっています。25日の株価は4ヶ月ぶりの高値とか。日経新聞にある専門家のコメントは、
「縮小する市場から撤退するのは会社として正しい判断。競争力のある医療事業への注力を期待したい」 
 です。カメラ事業は縮小する市場です。将来性ないな。厳しい。

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2020/06/25

オリンパスのカメラ事業売却

 オリンパスは個性あるカメラをつくってきました。フィルムのハーフィサイズカメラ「オリンパス・ペン」はかっこいいカメラでした。でも最近はあまり目立たなくなったのは気のせいでしょうか。スマホでの撮影が日常化する中、デジタルカメラの苦戦が伝えられています。
 そのオリンパスがカメラ事業を投資ファンドに売却です。
「オリンパスの映像事業はミラーレス一眼カメラやコンパクトデジタルカメラが主力で、ICレコーダーの事業もある。関連する人員は全世界で約4270人。スマートフォンなどの台頭に伴うデジタルカメラの世界的な需要減少で、2020年3月期まで3期連続で営業赤字を計上していた」(日経新聞電子版)
 仕方ない、という感があります。
「オリンパスの20年3月期の映像事業の売上高は436億円。総売上高(7974億円)の5%強にとどまる。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、4月の同事業の売上高は前年同月比で6割近く減少していた」
 厳しいです。
 デジタルカメラの将来は、明るくなさそうです。

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2020/06/02

アサヒカメラの休刊

 ちょっと驚きました。「アサヒカメラ」が休刊と発表されました。AERAdotに掲載されたお知らせには、

月刊誌「アサヒカメラ」(毎月20日発行)は2020年7月号(6月19日発売)をもって休刊します。
コロナ禍による広告費の激減により、誠に残念ではありますが、これ以上維持していくことが困難となりました。

 

 コロナ禍による広告費の激減、というのは多くの雑誌にあること。なにか、休刊の言い訳っぽい気がします。直近の部数は「3~5月の平均発行部数は約3万1500部」(6月1日 朝日新聞)と少ない。返本を考えれば実売2万部ほどか。コロナ禍がなくても、いずれ休刊していたでしょう。
「アサヒカメラ」は高校生のとき読んでました(古い)。木村伊兵衛、森山大道、中平卓馬などの写真が掲載されていました。日本最古のカメラ雑誌ということですが、残念ですが時代に流れからは外れていました。
 写真のいまを考える「アサヒカメラ」の休刊です。



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2020/05/31

ソニーのVlog用カメラ

 このブログは再来月で満16年になります。記事は約5800です。ブログを始めた当時は新しいメディアでした。それから16年、もはや過去のメディアになったのかも、と感じます。
 ソニーがVlog撮影に特化したデジタルカメラを発表しました。その名もVLOGCAM ZV-1という、まさにVlog用カメラです。オープン価格商品ですが、本体のみが9万1000円前後とされています。安くないです。
 VlogとはVideo Blogの略。Vloggerなんて言葉もあるようです。なにせブログ世代はVlogにはついていけません。しかし、ソニーがVlogに特化した9万円のカメラを発売する。こんなマーケットがあるということに驚きます。
 このカメラの機能をみると、これは魅力的。ソニーのデジタルカメラ持っているのに、欲しくなりました。危険です。

VLOGCAM ZV-1


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2020/04/24

カメラは嗜好品

 今日の日経新聞にキヤノンの2020年1~3月期の連結決算について記事が掲載されています。これによれば、
「純利益が前年同期比30%減の219億円だった。同時期としては11年ぶりの低水準だ」(4月23日 日経新聞電子版)
 と業績に陰りがでている感じ。
 この原因は、
「1~3月で落ち込みが大きかったのがカメラを主力とするイメージングシステム部門で、営業利益は81%減の9億円だった」
 カメラが不振です。コロナの影響が大きい。
「中国などからの製品供給が滞ったほか、外出規制でカメラを使う機会が減り、販売台数が落ち込んだ」
 と供給も需要も落ち込み。
 田中稔三副社長はのコメントが重い。
「カメラは嗜好品のため世界経済の混乱後も回復に時間がかかる」
 そうなんですよね。今更言われないでも分かってますが、カメラは嗜好品です。プロのカメラマンには反論されるでしょうが、大体そうなんです。
 キヤノンはどう反撃するのか。かなり興味深いものがあります。









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2020/04/11

カメラの清掃も休み

 今週の月曜日にサービスステーションでカメラの清掃をしてもらってきました。レンズ交換式のミラーレスカメラです。カメラに詳しい方はお分かりでしょうが、ミラーレスのレンズ交換式は構造上イメージセンサーにゴミが付きやすい。この前清掃したのは昨年の12月ですが、3月に5000枚ほど撮ったので、ちょっと早いですが、やってもらいました。
 思いついて先週に予約したのですが、その翌日に緊急事態宣言がでて、8日からはサービスステーションが当分の間、休みになってしまいました。早めにやっておいてよかった。
 カメラはソニー製ですが、キヤノン、ニコンなど他のメーカーもサービス窓口は休業になっています。清掃といった緊急ではないサービスはもとより、修理受付も停止しています(WEBから受付できる)。プロのカメラマンとか、仕事でカメラを使っている人は困るだろうな。
 いろいろなところに影響がでています。とりあえずカメラは壊れないことを祈ります。

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2020/02/15

CP+の中止

 写真を愛する人たちが楽しみにしていた展示会<CP+>が中止になりました。今月27日から開催される予定の「カメラと写真映像のワールドプレミアショー」という展示会ですが、2週間前に中止決定です。国内での大規模な展示会中止は初めてかもしれません。
 展示会の開催は、難しい判断のようです。以前、仕事で関わっていた「セキュリティショー」が3月3日から開催されます。この展示会は日経新聞が主催ですが、昨日(2月14日)の発表では、予定通り開催としています。
 3月1日の東京マラソンは予定通り開催です。でもホームページにはこんなお知らせが。
「中国在住の皆様におかれましては、今回の措置を踏まえ、東京マラソン2020への参加を自粛していただきますようよろしくお願いいたします」
 厳しいお達しです。東京マラソンは、オリンピックの代表選考もあるので、中止には出来ないでしょう。
 新型コロナウイルス感染症の猛威は、いろんなところに影響を与えています。



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2020/01/29

サードパーティー製の魔力

 料理の写真をちゃんと撮れるようになりたいので、まずは照明かなと、たまたまカメラのフラッシュがキャシュバックキャンペーンだったので購入しました。メーカー純正品のフラッシュです。品物が到着した後、ネットで調べてみると、純正品ではないサードパーティー製のフラッシュもあるのを発見しました。国内メーカーや海外メーカー(中国)のものなどいくつもあります。
 フラッシュはカメラに装着せずに、別なところにおいて撮る方法があります(オフカメラ)。これをやるためには、コマンダーとかレシーバーっとかワイヤレス通信する機器が必要(ケーブルつないでやることもできますが)。これもサードパーティー製がいくつもあります。安いです。国内メーカーでも純正品の半分近い値段です。中国製だともっと安い。
 純正品が安心なのは分かっているんですが、安さにもひかれます。なんとも悩ましい選択です。

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2019/10/18

カメラの修理

 先日来、カメラの調子が悪くなりました。正確に言えばレンズです。キットで購入した標準ズームレンジを装着すると、F値が表示されず、測光が出来ません。レンズからカタカナという音がします。他のレンズに付け替えると正常に測光するので、レンズが悪い。昨日、秋葉原のサービスステーションに持っていきました。
 標準ズームレンズが使えないのは困ります。修理をしなくてはいけないと、ソニーのホームページを見ると、サービスステーションの数が少なくない。東京、名古屋、大阪、沖縄の4カ所です。これはカメラだけの修理窓口ではなく、すべての製品の修理窓口です。東京は以前は品川もあったのですが、今は秋葉原だけです。
 他のカメラメーカーはどうなんだろう。キヤノンは東京と大阪の3カ所。ニコンは東京、名古屋、大阪の4カ所。大体同じです。プロのカメラマンさんはカメラ壊れたらどうしているんだろう、と疑問になります。いまどきのカメラは電子部品の塊だから、自分ではまず治せないでしょう。
 レンズの故障からいろいろ考えました。

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2019/10/08

使いこなせないカメラの機能

 先週末にはいくつかのテーマのため、栃木、千葉方面に写真を撮りに出かけました。風景とか、人物とか、スポーツとかを撮りました。大学に入って半年ほど経ちましたが、まだまともな写真をできません。5000枚ほどは撮影していますが、自分でいいと思えるのはほんのわずかです。全体の1,2%ほどでしょうか。
 とにかく、カメラの機能をまだマスターしていません。マラソン大会の写真を撮ったのですがスタートシーンでうまくピントが合っていない写真が多い。カメラのオートフォーカス設定がシングルAFとかいうモードでしたが、これとは別に動いている被写体を撮るモード(コンティニュアスAF)というのがあるのを、後になって気づきました。
 フォーカス、露光、画質効果などたくさんの設定モードがあるのですが、まだ把握していません。おそらくカメラ機能の1割も活用していないのではと思います。機能の全部は使わなくてもいいのでしょうが、もう少し活用したい。
 少しは機能を意識して写真を撮れればいいのですが、いまもその余裕はありません。いつになったら上達するのだろう。

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2019/09/10

カメラを掃除すること

 はじめてですが、カメラのクリーニングをしてもらいました。キッチンとかエアコンとかの掃除はやってもらったことがありますが、カメラの掃除は初体験です。写真好き、カメラマニアには当たり前のことのようですが、一般人には馴染みがないカメラのクリーニング。
 要はカメラのイメージセンサー(画像を電気信号に変える半導体)にゴミがついてしまうので、そのクリーニングです。難しいけどミラーリングのカメラだとここにゴミがつきやすい。というかほぼついてしまう。
 ソニーのカメラなので、銀座にあるソニーのサービスにいって掃除してもらいました。預けてから約1時半。お掃除完了。自分ではできない作業です。レンズ交換式のデジタルカメラは、これが必須です。
 フィルム代はかからないけど、お掃除代はかかるデジタルカメラです。

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2019/07/28

BRUTUSの決闘写真論

 決闘写真論、って何だと思いながら、BRUTUSを読みました。対談、対話の形で写真家、アーティストが写真を語る写真の特集。森山大道と山田智和、梅佳代と森村康昌、石内都と横田大輔などベテランに若いアーティストが対する対談が多く、さすがBRUTUSという感じ。
 決闘に加えて「現代写真の基礎知識」と題して内外の写真家37人のプロフィールを紹介。また「世界の写真家101人 交流関係図」もあり、これは労作で、保存版。
 ちなみに「決闘写真論」は、1976年に「アサヒカメラ」に連載されていた篠山紀信と中平卓馬の対談のタイトル。翌年、単行本が刊行されましたが、この装丁が平野甲賀です。記事に平野甲賀と息子の太呂(写真家)の対談があり、甲賀が70年代のことを語っています。これが面白い。
 写真の今日、明日を知る刺激的な企画です。

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2019/07/18

ソニーの6100万画素のミラーレス

 ソニーが新しいミラーレスカメラを発表しました。有効画素数6100万画素のフルサイズミラーレスカメラ「α7R4」で、9月6日発売。イメージセンサーを自社で作っている強みから6100万画素という大きな画素数を実現。先日発売された富士フィルムGFX100の1億200万画素よりは小さいですが、デジタルミラーレスとしては最高かな。
 今使っているのはソニーの2400万画素のミラーレスです。これでも充分データ量は大きいのに、この2倍以上の6100万画素だときっと膨大でそうね。データ管理が大変でしょう。
 発表された製品情報からは静止画に加えて動画撮影での使用を想定しているようです。S-Log3記録ができたり、XLRアダプターキットが用意されていたりと、プロの動画撮影に対応した仕様です。創作領域が広がるでしょう。
 肝心の価格は40万円前後とか。このスペックでは高くないと思いますが、それにしても手が届きません(笑)。

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2019/06/23

宮本隆司とピンホールカメラ

 恵比寿の写真美術館にいって、まとめて3つの写真展をみてきました。その中で企画展の「宮本隆司 いまだ見えざるところ」は特に印象的でした。ちょっと前、世田美のコレクション展示で廃墟となった建築を撮った作品がありましたが、今回はアジアの辺境、都市を旅して撮った写真、ポートレイトが展示されています。
 その中で興味をそそられたのがピンホールカメラで撮られた写真です。宮本隆司は人が入れるピンホールカメラをつくって徳之島で撮影しています。大学のスクーリングで「ピンホールカメラ」科目があり、実際にピンホールカメラを作りましたが、ダンボールを使っての当然小さなものです。人が入って撮影するピンホールカメラなんて、これまで作った人いるのかな。
 宮本隆司の創作意欲に驚いた写真展でした。

 

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2019/05/29

立木義浩写真展「時代」

 立木義浩はスター写真家です。同世代の篠山紀信と並び、60代以上の世代でその名前を知らない人はほぼいないでしょう。写真展「「時代 ―立木義浩 写真展 1959-2019―」(上野の森美術館)をみてきました。
 タイトルでわかるように、立木が写真家として活動した全ての時代を網羅する写真が展示されています。1970年「anan」の表紙を撮ったのが32歳のとき。立川ユリをモデルにした写真が何枚もあります。今もって斬新です。
 展示は会場1階が俳優、著名人を撮ったポートレート、2階はスナップで展開されて、立木の作品を堪能できます。
 平日にもかかわらず会場には多くの鑑賞者がいました。年配の方も目立ちました。写真展で珍しいこと。
 「集大成ではなく通過点」という写真展。若い世代にもおすすめです。

 

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2019/05/24

アサヒカメラの今月号

 久しぶりに「アサヒカメラ」を買いました。特集が「カメラ・写真の流儀案内」なので。流儀案内、とは敷居が高そうですが、中身は「ホワイトバランスのとり方」、「ピントの合わせ方」「手ぶれを防ぐ撮り方」など基本的なものが載ってます。
 初心者にはとてもためになる記事であり、熱心に読みました。写真を撮るには、まず基本が大事ということを、今更ながら思いました。
 でも「アサヒカメラは写真を撮り慣れた人が読書ではないのか?」という疑問がわきます。CAPAじゃないんだから(笑)、専門的な技術を教えてくれる雑誌かと思い込んでいました。入門者的な内容も求められているということでしょうか。
 創刊93年という「アサヒカメラ」ですが、模索している様子もあり、ちょっと気になります。

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2019/05/18

デジタルカメラのメーカー

 写真にはカメラが必要です。デジタルカメラを持っていないといけません(手作りのピンホールカメラなんてのもありませすが)。どんなカメラが世の中で売れているのかと気になります。ネットとか店頭とかで調べると、一部のメーカーに人気が集中している感があります。
 レンジ交換のデジタルカメラであれば、キヤノン、ニコン、ソニーが3巨頭。それにパナソニックが続く。オリンパス、ペンタックスもあるのですが、存在感が薄いです。
 ずっとペンタックスを使っています。高校の時、ペンタックスSPという一眼レフを持っていました。いま、ペンタックスは新しいカメラをだす体力もなさそうです(そもそも会社がリコーです)。
 スマホ写真が全盛で、デジタルカメラの売り上げは減少しています。カメラメーカーは淘汰されていくのでしょう。ペンタックスそれにオリンパス、どこまで続くのか。心配です。

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2019/05/17

写真美術館の年間パスポート

 大学の写真に入ったのだから、少しは写真をみる癖を付けないと(笑)、恵比寿にある東京都写真美術館に馴染もうとしてます。ホームページをみていたら「年間パスポート」というのがありました。
特典は、
展覧会を無料または割引でご観覧いただけます。
です。具体的には、
(1)収蔵展:無料
有効期間中は何度でもご観覧いただけます。
(2)企画展:4回まで無料
有効期間中お好きな企画展を4回まで無料でご観覧いただけます。
(3)誘致展:割引
(4)同伴の方1名様まで展覧会を無料または割引でご観覧いただけます。

価格は3240円。ただし、有効期間が、2019年4月2日(火)~2020年3月31日(火)と年度単位なので、年度途中から入ると元がとれません。
先月入って、ひとつみてきました。
写真美術館に頻繁に行く人にはおすすめです。

年間パスポートについて

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2019/05/04

ヒューマン・スプリング

 東京都写真美術館で志賀理江子「ヒューマン・スプルング」をみてきました。志賀理江子の新作個展です。
 会場に入ると、長方体の物体がたくさん置かれています。この長方体のまわり4面にカラー写真が貼られています。少年を撮したひとつの写真はどの長方体にもあり、残りの面は、長方体によって様々は写真が貼られています。写真のインスタレーション展示です。
 こう文章で書いても、よくわからないでしょうね。展示されている場にいかないとわからない。最初はどのようにみたらいいのか戸惑います。しばらくすると慣れてきます。そしてずっと居たくなります。
 志賀理江子は第33回木村伊兵衛賞(2007年)を受賞しています。なんとも不思議な空間「ヒューマン・スプルング」はあさって6日までです。

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2019/05/03

大石芳野「戦禍の記憶」

 久しぶりに東京都写真美術館に出掛けました。大学で写真を習い始めたわけではなく(笑)、ちょっと前に「日曜美術館」で特集されていた大石芳野の「戦禍の記憶」をみるためです。写真家・大石芳野は存じ上げていますが、作品をまとめて見るのは(恐らく)初めてです(困ったものです)。
 ミュージアムに展示された作品に、静かに圧倒されます。日本にいるだけなら、決してみることのできない光景と、人たちが撮られています。すべてモノクロですが、カラー写真より遙かに存在感があります。40年にわたり、戦争の犠牲になった人たちを撮ってきた大石芳野さんの写真に見入ります。
 戦禍の場に加えて、原爆が落ちされた広島、長崎の写真もあります。被爆された人たちです(これはなぜか美術館のホームページには記載されていません)。
 会場は連休中なので多くの鑑賞者がいましたが、外国人と思われる方も目立ちました。様々な人がこの世界にはいる。そんなことを未熟にも感じた写真展でした。

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2019/04/29

大学に入る

 今月、大学に入りました。通信教育課程ですが、ここです。専攻は写真で、なんと実技系。
 ひと月程前、写真教室にいきたくなり、ネットで学校とか教室を探してみたのですが、どこもイマサン。そうしたら、京都の大学のホームページに行ってしまいました。これが運の尽き。
 10年ほど前かな、大学院を検討していたとき、ここの通信大学院も検討しました。そのころは人形町あたりにサテライトキャンパスがありましたが、こじんまりとしたものでした。今は、信濃町に立派な建物ができています。スクーリングもここでやります。これなら出来るだろうという判断。3年に編入です。
 さてそどうなるか。誰にも分かりません(笑)。

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2017/12/21

肌理と写真

 写真家・石内都の個展「肌理と写真」を横浜美術館でみてきました。タイトルにある<肌理>をテーマに石内都が選んだ写真で構成されています。石内都の個展をみるのは2008年の「ひろしま/ヨコスカ」以来です。
 1977年から現在まで40年にわたる石内の作品が展示されています。特に70年代の風景をモノクロで撮影したシリーズ<Apartment>、<連夜の街。<互楽荘><金沢八景>は初めて拝見しました。同時代の写真家のイメージを連想させながら、石内都の意志を感じる興味深い作品群です。タイトルの肌理と風景を切り取ったモノクロ写真がどう繋がっているのか。考えてましたが分かりません(笑)。
 また、石内都のライフワークとも言える「「ひろしま」」の未発表作品も展示されています。石内の深い思いを感じる作品です。
 平日だったせいか、来場者は少なかったのが気になりましたが、充実した企画展だと思いました。

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2017/07/27

藤原新也:沖ノ島

  チケットをいただいたので「沖ノ島」をみてきました。藤原新也が撮影した沖ノ島の写真展です。
 世界遺産へ登録された沖ノ島は、福岡県の玄界灘にある周囲4キロの小島。宗像大社の神職がたった一人で毎日祈りを捧げている神聖な場所。女人禁制であり、一般の人の入島も厳しく制限されています。この沖ノ島へ藤原新也が入り、撮影した約70点が展示されています。
 島から出土したご神宝が国宝に指定され「海の正倉院」と呼ばれている沖ノ島。島の情景に加えて、数々の国宝も撮影されています。一般人は入ることがほぼ不可能な世界遺産。そこで撮影された貴重な写真ばかりで、見応えがあります。会場は日本橋の高島屋で、開催期間は二週間だけという展示。なんとももったいない感じです。
 会期は8月1日までです。興味のある方はぜひ。

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2016/04/27

有料画像サイトというもの

 大昔、編集者をやっていた頃、新聞社、通信社に雑誌に掲載する写真を借りに、しばしば通いました。確か、朝日新聞の中に通信社があったのですが、名前は忘れました。当時は当然、デジタル写真などなく、紙焼きの写真を買ってくるシステムでした。写真一枚でもちょっとした記事ができるから不思議です。NHKのおはよう日本の「世界が注目 ネット動画」みたいに今時は動画で番組が作られます。
 先日、キッチンスペースにカメラマンさんが来られ、モデルさんを撮影されました。ここでの写真は雑誌や広告ですぐに使われるのではなく、有料画像サイトに掲載される目的で撮影された作品です。その辺りの事情はカメラマンさんが下見にきていただいた際にうかがうことが出来ました。
 ネットで調べてみると、有料画像サイトはいくつもあります。クック・バイで撮影された写真が掲載されたのはPIXTA(ピクスタ)ですが、他にもプロのデザイナーが使うサイトはいくつもあるようです。
 言うまでもありませんが、画像はデジタルなので、大昔のようにどこかへ出向く必要はありません。ネットでダウンロードすればいいので、瞬時に手に入ります。
 わざわざモデルさんを使って撮影しないでも、有料画像を買ってくれば済んでしまうとも思えます。便利な時代です。写真の流通もすっかり変わってしまったようです。

ちなみにクック・バイで撮影されたのは→https://goo.gl/KusVRY

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2013/07/26

再び消えるペンタックスという社名

 デジタル一眼はずっとペンタックスを使っています。フィルムカメラのSP、デジタルで名機の評価を得たK-10DからいまはK-7を愛用しています。ペンタックスのカメラは一眼のマーケットでもシェアは高くなく、キヤノン、ニコン、ソニーには及びません。ペンタックスユーザーははっきり言ってマイナーです。
 会社としてはかつては旭光学工業という社名で発足し、その後ブランド名を会社名にしてペンタックス株式会社になりました。しかし、経営不振からHOYAに吸収合併され、HOYA株式会社の一部門になりました。この時点でペンタックスという社名はなくなりました。手元にあるK-7の取説も「HOYA株式会社PENTAXイメージング・システム事業部」となっています。
 そして更に2011年にHOYAはペンタックスのカメラ部門をリコーに売却し、リコーのカメラ事業と統合。ペンタックスリコーイメージング株式会社ができました。ここでペンタックスという社名が部分的に復活しました。しかし、今月初め、「ペンタックスリコーイメージング株式会社」は、2013年8月1日から社名を「リコーイメージング株式会社」にすることが発表されました。再びペンタックスという社名が消えてしまいます。
 カメラ業界も再編の歴史があります。かつてはミノルタ、ミランダ、マミヤ、ヤシカなどのカメラメーカーもありました。ミノルタはソニーに売られ、ミランダ、ヤシカは今はなく、マミヤは大判カメラのみをやっています。
 長い歴史の中で、生き残っているペンタックスは高い技術力を持っているからでしょう。シェア、ビジネスの規模は昔にくらべ小さくなったかもしれませんが、いい製品を出し続けています。最近ではコンパクトな一眼Q7を発売。これも特徴ある魅力的なカメラです。
 社名は消えても、PENTAXというブランドは生き残って欲しい。古くからのカメラファンの願いです。

Pentax_k7


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2011/03/09

写真表現の多様さを感じる写真美術館

 昨日、大学まで出かけた帰りに恵比寿の写真美術館によってみました。久しぶりです。この日、来場500万人達成記念とかで、入場無料です。ラッキーでした。開館から16年余りで500万人、年間31万人ほど。写真の専門美術館としては健闘していると思います。
 現在開催されている3つの企画展をみると、写真という表現の多様さを感じることができます。「APAアワード2011
第39回社団法人日本広告写真家協会公募展」、「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史」、「芸術写真の精華 日本のピクトリアリズム 珠玉の名品展」がその3つ。内容を乱暴にまとめると、広告写真、大昔の写真、絵画表現を目指した写真というところでしょうか。
「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史」では、全国のミュージアムで所蔵する幕末~明治期の写真・資料が多く展示されています。古い写真ってこんなたくさんあるのに正直驚きました。「芸術写真の精華 日本のピクトリアリズム 珠玉の名品展」では、絵画を模倣した写真「ピクトリアリズム(絵画主義)」の名品を展示、具象絵画のような表現は、写真という新しい表現手法で絵画を描こうとした試みを見ることができ、とても面白いです。「APAアワード2011第39回社団法人日本広告写真家協会公募展」は、まさしく今の広告写真。日本の広告写真って、やはりすごいなと思います。心に響く写真があります。
 写真という技術を使って、人間は様々な表現をしてきたことの一端を知ることができます。ここが写真の面白いところなのだろうな、と思いながら美術館を後にしました。

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2011/02/12

CP+、賑わっていました

 カメラ好きな人多いんですね。昨日、雪の中横浜で開催されているカメラの展示会「CP+」に行ってきましたが、大賑わいでした。去年は平日に出かけて、すいていたので安心して休日にいったらかなりの人出です。来場者は昔からのカメラマニアから若い人まで幅広い年齢層です。また女性も多く、女子カメラブームも本物を実感します。
 キヤノン、ニコンの両巨頭。ソニー、オリンパス、パナソニック、ペンタックス、カシオ、リコー、富士フィルム、ビクターとたくさんのメーカーが出展しています。これだけのカメラメーカーがあってどこもやっていけるのですから、たいしたものです。
 気になったのは、スティルカメラ領域では馴染みが薄い日本ビクターのカメラ。静止画とハイビジョン動画が撮れるバイブリッドカメラが出ていました。カメラのデザインがムービーカメラとスティルカメラを混ぜ合わせたような形状が面白いです。多用途に使えるところが、メリットでしょう。でも売れるかな。
 日本の産業で、世界の市場で優位のあるデジタルカメラ。各メーカーとも元気。これからの進化が楽しみです。

Cp2


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2010/09/25

PENTAX K-5登場

 今週初めに発表されていたペンタックスの新型一眼レフ、K-5。突然っていう感じです。相変わらずカメラメーカー(ブランド)としてはマイナーなペンタックスですが、時々新製品で驚かせてくれます。キヤノン、ニコンを使えばいいのに、私は一眼レフはなぜかペンタックス。現在はK-7で撮っています。
 発表では
「新商品のK-5は、多くのユーザーから高い評価をいただいている「PENTAX K-7」をベースに、を撮像素子には高速、低ノイズの新型CMOSイメージセンサーを採用。高性能画像処理エンジンPRIME IIとの組み合わせで高い解像感と階調豊かな再現性を実現しました」(ペンタックスの資料から)
 とあり、「「K」シリーズ最上位モデル」とのこと。
 いやいや、欲しくなりますね。

K5

 最近のペンタックス、なかなかユニークなカメラWを出しています。ボディカラーとグリップで120通りのカメラが作れるk-rこれはおもちゃ? と思ってしまうカメラ。これ以外も遊びすぎでしょ、としか思えないラインアップです。ちゃんと儲かっているのか、と心配します。
 HOYAに吸収されたペンタックスですが、独自の道をいっている気がします。このブランドからなかなか離れられない理由はここにありそうです。


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2010/08/31

森山大道が語る路上スナップの極意

 写真家・森山大道は写真をどのような方法論でとっているのか。これまでも「昼の学校 夜の学校」などで、自身の写真への取り組みを語っています。光文社新書の新刊「路上スナップのすすめ」では、森山の写真で中心的な表現ともいえる路上スナップをテーマにして、どのような考え方、やり方で森山が写真をとっているかを語った一冊です。
 本書は、森山大道の撮影に、森山の写真集をプロデュースしている仲本剛が同行しながら、文章にまとめられています。森山の写真と仲本の文章で構成されているドキュメンタリー風写真術とでも言えばいいのでしょうか。ちなみに仲本は1968年生まれで森山より30歳年下です。
「砂町」「佃島」「銀座」「羽田」「国道」の5つの章でで構成され、このうち「銀座」「羽田」はデジタルカメラでの写真です。
 森山の写真を、新書に収める、という作業は大胆なことだとも思いますが、それは成功していると思います。新たな森山写真の魅力を知ることができました。楽しい一冊です。
 
Moriyama_daido


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2010/03/13

CP+に行ってきた

 仕事のため、横浜で開催されている「CP+」に出掛けてきました。知らない方も多いかと思いますが、このCP+は、カメラのショーです。かなり昔、高校生の頃だったか、「カメラショー」にいった記憶があります。確かどこかのデパート(高島屋だったかな)でやっていたのでは。当時は当然フィルムカメラの時代、なんか大人の世界だなと思っていました。
 どうやらそのカメラショーが、いつのまにか、CP+になったんですかね。Camera & Photo Imaging Showの略称で、今年が第1回です。展示会としてはそんな大きな規模ではないですが、主要なカメラメーカーはほとんど出展しています。デジタルカメラが全盛ですが、各社さまざまなカメラを出品しています。
 見ていて、今更ながらに思ったのですが、日本って、カメラメーカーたくさんありまね。キヤノン、ニコン、ペンタックス、オリンパス、パナソニック、ソニー、カシオ、富士フイルム、リコー。これだけのメーカーがやっていけるのは、ある意味すごい。家電業界でもここまでの数ないでしょう。
 トレンドとしては、小型の一眼レフカメラが注目でしょうか。オリンパスPENがヒットしたようですし、パナソニックも商品を投入しています。ソニーはこれから発売する予定のモックを展示していました。
 次々と新商品が登場する日本のカメラ業界は、おもしろいマーケットです。

ペンタックスK-xのカラーバリエーションは、綺麗。欲しくなります。

Cp1

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2010/01/25

木村伊兵衛とブレッソンの出会い

 恵比寿の写真美術館でやっている「木村伊兵衛とアンリ・カレティエ=ブレッソン」へ。ストレートな企画展です。写真にちょっと詳しい人なら、思いつくようなテーマかも。ブレッソンの写真展は、2007年に国立近代美術館で開催されていて、その時期、常設展示で木村の作品も合わせて展示されていました。
 今回の写真展では、木村、アンリ両者の代表的な作品が展示されています。木村であれば、秋田をテーマにした一連の作品。また、アンリでは有名な「サン=ラザール駅裏、パリ」があります。これだけまとまって二人の写真家が撮影した作品をみられる機会は、多くはないでしょう。
 面白いと感じたのは、会場の冒頭にある2枚の写真。木村が撮ったアンリの写真と、アンリが撮った木村の写真が並べられていること。こんな作品があったのですね。それぞれ、撮る人と撮られる人の人柄が感じられる作品です。
 また、展示の最後に、両者が撮ったカラー写真があります。木村とアンリ、どれぞれが当時しては新しい素材に挑んで、作品に仕上げています。アンリはカラー写真を撮ることには消極的だったようです。それに対して、木村の作品は、モノクロ作品とはかなり違った作風を感じ、とても興味深いものがありました。
 木村と、アンリ。その作品を見ていると、なぜか落ち着いた気分になりました。写真の基本がそこにあるのかもしれません。

Kimura


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2009/09/20

100種類のカラーが選べる一眼レフ

 ペンタックスから先日発表された一眼レフカメラにはちょっと驚きました。K-xと名付けられた新モデルは、そのボディーカラーが特徴的。「PENTAX K-x 100colors,100styles.」なるオーダーカラーシステムが設定され、ボディーカラー20色、グリップ5色が用意されていて、その組み合わせは自由。つまり20×5=100種類のカラーから選べるシステムです。
 カメラに限らず、カラーバリエーションというアプローチは、消費者にとっては楽しい選択肢です。しかし、生産する側からすれば、色によって販売量の差があるため、生産量の読みが難しく、やっかいな氏システムでもあります。カメラとは同列に論じられないかもしれませんが、黄色のボディーカラーのクルマが長続きしないで、販売中止になるケースも、やはり販売量が少ないせいでしょう。
 ペンタックスのカラー100種を選べるシステムは、受注生産で納期は約2週間とのこと。オーダーにしては早いと思いますが、どのような生産工程でやっているのでしょう。
 このK-x、一眼レフのエントリーモデルです。ペンタックスにはすでにK-mというエントリー機種がありますが、xはそれを発展させ、例えば画素数はCMOS1240万画素1(K-mはCCD1020万画素)もあるスペック。こんなカメラがレンズキットで69,800円。安くなりました。
 しかし、カラーバリエーションというのはある種魔力です。こんなのを見ると、思わず買いたくなってしまいます。危険。

Fea_img02

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2009/05/22

PNETAX K-7が登場

 久しぶりにワクワクしましたよ。PENTAXのWEBで予告が掲載されていた新しいデジタル一眼レフが、昨日発表されました。K-7、がその型名。K10D、K20Dときて、次はK30Dか、なんて噂されていましたが、K-7ときました。
 WEBには「プレミアム・スモール」とキャッチコピーがあり、
「小型化」と「ハイスペック」を両立させたデジタル一眼レフカメラ
 とあります。撮像素子は1470万画素のCMOSセンサーで、ライブビュー、動画撮影機能も搭載。それ意外にもいろんな機能があるようです。シンプルなデザイン仕上げで、K10D、20Dに比べて変わっています。
 最近、音沙汰がなかったPENTAXですが、久々の新型登場ですね。K20Dのときは何とか踏みとどまったけど、これは欲しいな。困りました(公式WEBから引用して、写真を貼らせてもらいます)。


Fea1_00

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2009/03/10

これも写真なんですね。やなぎみわの世界

 この人の作品をみていると、写真とは何なのかと思わざるをえません。東京都写真美術館で開催されている「やなぎみわ マイ・グランド・マザーズ」は、写真家やなぎみわが2000年より発表し続けている「マイ・グランド・マザーズ」のシリーズ全体を公開するものです。
 このシリーズでは公募でモデルになった若い女性たちが思い描く50年後の自分の姿を、写真という表現形式で描いたものです。やまきみわの写真は、綿密な準備をしたうえで撮影されているとききます。構図を練り上げ、大道具、小道具が用意され、モデルの衣装も周到に準備された上で撮影とか。更に、CGも駆使されて作品に仕上げられていくようです。
 肉眼で捉えているものをそのまま正確に表現するのが写真であるなら、やなぎの作品は写真とは言えないでしょう。写真という技法で、やなぎは物語を伝えているように感じます。具象絵画では表せない饒舌な物語が、そこにあります。
 やなぎの作品では「エレベーター・ガール」しか知らなかったのですが、彼女はさらに先をいっていたのですね。これからも目が離せません。

Yanagi_miwa


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2008/12/01

石内都:detailの先にみえるもの

 写真家・石内都の写真展「ひろしま/ヨコスカ」が目黒区美術館で開かれています。石内は1947年生まれ。女性写真家として初めて木村伊兵衛賞を受賞しています。石内が育った横須賀の風景を切り取ったデビュー作品「絶唱、横須賀ストーリー」から、広島で、原爆被災者の衣服などを撮影した「ひろしま」まで、石内の仕事を丁寧に辿っています。
 70年代後半に撮影された作品「絶唱 横須賀ストーリー」、「アパートメント」、「連夜の街」では、同時代の写真家の影響をいくらか感じ取ることができまが、細部にフォーカスした写真は独特の視点を感じます。
 80年代後半、同年代の女性たちの手、足、体の部分をアップして撮影した写真は、肉体の存在感だけでなく、人間の感情までも撮そうとする石内の意志を感じます。
 そして、最新作の「ひろしま」。被爆者の衣服を、美しく、丁寧に撮影した作品では、そこにあった生と死のことを思わないわけにはいきません。
 会場には写真に加え、4本のビデオ作品が映し出されています。このうち、2本のタイトルに「detail」というwordが使われています。石内の作品をみていて感じるのは、まさにこのdetailへの視線です。建物の細部、肉体の細部、そして焼け残った衣装の細部。deailを写真という方法で追求しているとも思えます。石内の描くdetailの向こうには、何があるのでしょうか。まだ、私には見えていません。
 石内都、彼女の思いを知りたいと思っています。

Ishiuchi

 

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2008/06/02

森山大道の今

 東京都写真美術館で開催されている「森山大道展」は、写真家・森山の本格的な写真展です。いまから、35年ほど前、高校の時に読んでいた「アサヒカメラ」で、森山はすでに連載をもつ人気写真家でした。その森山も今年70歳、ベテランとなってながら、創作活動は盛んです。
 Moriyama本展は、「Ⅰレトロスペクティヴ1965-2005」と「Ⅱ.ハワイ」の2部構成。「レトロスペクティヴ1965-2005」は森山の軌跡を追う、回顧展的な内容。これに対し「Ⅱ.ハワイ」は最新写真集「ハワイ」からの作品を大型プリントで展示するもの。
 会場には、多くの若者が熱心に作品に見入っていました。最近の写真ブームから、予想はしていましたが、女性が多いのにはちょっと驚きました。70歳にもなろうとする写真家の作品展に、これだけの若い鑑賞者が訪れるのは、ちょっと異例なことではないでしょうか。森山の写真は、一般的な写真のイメージとは対極のところにあります。ほとんどの作品がモノクロ。アレ、ブレ、ボケと形容される独特の表現。およそ美しいとはいえない日常の風景を切り取る写真。どこが若い女性の心に響くのか。ちょっと不思議です。
 森山の写真を見ていると、なにかこころがざわざわしてきます。でも、見ていると引き込まれる魅力があります。なんとも不思議な写真です。これだけの森山の作品を、一挙にみられるまたとない機会です。

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2008/05/27

ペンタックスファミリーというもの

 愛機とまではまだ遠い関係にある我がPENTAX K10Dですが、最近は少しずつさわる機会もふえつつあります。PENTAXブランドマニアの私にとって、前から気になっていた「ペンタックスファミリー」に先日入会し、昨日会員証が届きました。このペンタックスファミリーは、『ペンタックス愛用者の全国的な写真クラブ』(案内書より)だとか。  
 その内容は、年会費7350円でイベント参加の割引、オリジナルグッズの割引、修理料金の割引など、そんなに心に響くものでもありません。また、この会は年間で会費を納めるのですが、その期間が5月~翌年4月と11月~翌年10月までの2つの選択だけ。すなわち、入会したときから1年間という対応にはなっていません。いまどきの顧客満足度から判断すると、なんとものんびりした対応です。
 こんな文句をいっていますが、きっとペンタックスのカメラを選ぶ人たちは、こんな時代にちょっと遅れたシステムにも文句を言わない気がします。そこが、ペンタックスたる所以だと(なんとも曖昧な表現ですが)。
 そうそう、会員証と一緒に会員バッチが同封されていました。今時、こんなものどう使うのか。なんとも、のどかなものを感じてしまいました。これもまた良しではありませんか。

Pentax_family


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2008/01/26

出ましたね、PENTAX K20D

 河北新報のサイトをみていたら、とあるバナー広告に気がつきました。「PENTAX K20D 画質新次元」。ちょっと驚き。PENTAX ファンしては、新機種K20Dの噂は聞いていたのですが、いきなり発表とは。
 スペックを見てみると、デジタル一眼レフのいちばん重要な撮像素子は、1460万画素のCMOSセンサー。PENTAXとしては初のCMOSですね。最近のデジタル一眼レフは、CCDからCMOSへ移ってますね。
 難しいことはさておき、ファンとしては心がとてもうずきます。実機をはやく見てみたいです。

 PENTAX K20D

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2008/01/06

PENTAXのカレンダー

 前から買おうと思いいつつ、昨年末に買い損なったカレンダーをやっと手に入れました。SPENTAX CALENDARです。新宿のペンタックスフォーラムまで行ってきましたよ。昨年はもらい物のキヤノンカレンダーを使っていたのですが、意外と写真が地味でした。
 今年のPENTAXのカレンダーは、竹内敏信さんの「大欧羅巴」(大ヨーロッパ)です。ヨーロッパの深遠なる風景が美しい。カレンダーの写真はペンタックスの大判カメラを使って撮影されており、さすがの写真表現です。これで1050円とはお買い得。

Calendar

 今、ペンタックスフォーラムでは、竹内さんのカレンダー作品を中心にした写真展「大欧羅巴」が開催中です。風景写真を見ていると、そこに行きたいなという気持ちになってきます。これが、不思議。今年一年は竹内さんの写真とお付き合いです。

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2007/12/25

ペンタックスK10+昔のレンズ

 愛用のデジタル一眼レフカメラのペンタックスK10Dには、以前のフィルムカメラの交換レンズがつけられます。レンズをつけるカメラのマウントが当然違うのですが、アダプターをつければつけられます。先日、ヨドバシカメラでこのアダプターを購入しました。昔の一眼レフである、ペンタックスSPには、55ミリの固定焦点レンズがついてます。フィルム時代は55ミリレンズが標準レンズの定番でした。
 カメラに装着してみました。

 これは、本来の18-55ミリレンズがついたカメラ。
Pentax2
 
 これに古いレンズをつけると。
Pentax3

 この古いレンズは、F値が1.8のレンズなので、絞り開放だと、すごく被写界深度が浅い。こんな写真になります。

Glass_takumar


 新旧の邂逅ですか。趣があります。

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2007/12/11

写真はブームのようです

 最近、私にとっては「写真」は、もっとも気になるものです。なかなか、カメラをもって出かけられないのが、残念ですが・・・。巷でもカメラは流行っているようです。本屋ではカメラ関係の雑誌を沢山見かけます。『女子カメラ』なる雑誌もあり、これまでは男の世界だった(?)カメラが、女性に広がっていることを再認識します。
 岩波新書の11月新刊で『写真を愉しむ』がでました。写真評論家として著名な飯沢耕太朗さんによる一冊ですが、内容は写真を「見る」、「読む」、「撮る」、「集める」の4つの視点から、簡明に解説したわかりすい写真の入門書です。

Img_8180_2

 岩波新書が写真をテーマにした新刊をだすことからは、いま写真が流行していることが分かります。デジタル技術に支えられた写真術は、いま、明らかにその表現領域を広げていき、その創作活動に加わる人が増えていきつつあります。写真表現からは、しばらく目が離せません。

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2007/11/26

フォト五七五、難しいかな

 オジサン(私のこと)が好きなテーマを扱ってくれるNHK教育テレビ「趣味悠々」。いま、『フォト五七五』をやっています。最近、この写真を撮って、五七五の文字をつけて楽しむことが「中高年」で静かなブームだとか。
 すでに3回分の放映が終わりましたが、番組をみているとなかなか楽しそう。先生と生徒3人の構成で、わかりやすく進行していきます。俳句なんぞ、学校のころつくったきり、ほとんど縁がありません。でも、この写真との組み合わせなら、意外とできるかもしれない、と思わせてくれます。時間ができたら、チャレンジしたいものです。
 ところで、このフォト五七五って、誰が始めたんでしょう。知りたいです。
※こんなWEBもあります。 「フォト575倶楽部」

575


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2007/10/18

買ってしまった『デジタル一眼レフ写真術』

 昨日、会社の帰りに本屋に立ち寄ったとき見つけた一冊の本『デジタル一眼レフ写真術』。手にとってちょっとみて、即レジに・・・。この本、今年の春に、NHKの教育テレビの趣味悠々で放映されていた「デジタル一眼レフ風景撮影術入門」を再構成したもの。全部で9回の放映でしたが、内容はわかりやすく熱心にみていました。
 でも、番組が終わったら、折角の写真術もほとんど忘れてしまいました。この本は、番組を下敷きにしてはいますが、本だけでデジタル一眼レフの写真術がよくわかる内容です。おまけに、番組は付録のDVDに収録されています。これで、1890円はお買い得。私のようなデジタル一眼レフ初心者には、おすすめです。

Img_7951


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2007/06/24

写真美術館に出掛けました

 大学の課題「映像文化論」と格闘中。テーマが芸術としての写真と、けっこうハードルが高いです。資料を探しに、恵比寿の東京都写真美術館へ。

Syabi

 ここ、恵比寿ガーデンプレースの一画にありますが、地味で目立たない感じですが、実はかなり優秀なミュージアムです。一時は閉館の危機とも言われながら、資生堂のもと社長の福原さんを館長に迎え、劇的な改革をして、入場者を増やした実績を持っています。
 この美術館の4階に資料室があります。そんなに広くはないのですが、スペース亜快適です。また、資料は充実していて、写真のことを調べるには最適。個人用の机もあり、じっくり調べものをすることもできます。昨日も、課題用にいくつか資料を探すことができました。
 美術館をでたあとは、ガーデンプレースでエビスビールなぞも楽しめます。なにせ、ガーデンプレースですから。かなり贅沢な時間が過ごせます。いいですね。

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2007/05/20

がんばれ、ペンタックス

 3ヶ月ほど前に、デジタル一眼レフカメラを手に入れました。ペンタックスK10Dというカメラです。デジタル一眼レフは前から狙っていた(?)のですが、いろいろ調べてみても、ぴったりくるのがありませんでした。キヤノンはスペック的にいまいちだし、ニコンはキムタクがCMにでててるのはちょっと・・・。
 半年くらいほっておいたのですが、今年の初め、「デジタルカメラマガジン」なる雑誌にデジタルカメラの格付け記事がありました。この中で、このペンタックスの評価が抜群でした。決定打になったのは、あるカメラマンの言葉。
「負け組になると思われたペンタックスが、9回裏に放った満塁彈」
 判官贔屓の私としては、これは買わねばと店へ。しかし、2月の時点でも、すでに発売から数ヶ月がたっているにもかかわらず、品切れ。人気だったのですね。あるとき、仙台の量販店でたまたま在庫があり、買いました。誌上の評価通り、すばらしいカメラです。もう30年以上前、ペンタックスの一眼レフカメラSPというのを使っていました。実はペンタックスファンなのかも。

K10d

 しかしその後、ペンタックスの会社そのものが負け組になりそうな事件が。最近、マスコミを賑わせているHOYAとのTOBを巡る経営陣の迷走です。一ユーザーとしては大丈夫なのかなと、心配。でも、これだけのすばらしいカメラをつくる開発力を持った企業です。きっと再生してくれると思っています。
 おりしも、昨日報じられたニュース。K10Dが、「カメラグランプリ 2007」を受賞しました。ペンタックス、がんばって欲しいです。

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