能・狂言

2025/08/08

青い月のメンフィス、再び

 あれから1年、英語能「青い月のメンフィス(Blue Moon Over Memphis)」をみてきました。エルヴィス・プレスリーへのオマージュ。昨年、早稲田大の大隈講堂で行われた英語能が、十四世喜多六平太記念能楽堂で再演されました。大隈講堂のときは橋掛かり、鏡板など仮設の能舞台でしたが、今回はもちろん正式な能舞台です。

「世界各地から集まるシアター能楽メンバーによって英語で演じられる能『青い月のメンフィス』(Blue Moon Over Memphis)。
日本伝統の能をベースにしながらも、デニム素材を使用した衣装や、エルヴィスをモデルにした能面を使用するなど、これまでにない自由で新しい演劇のスタイルを築いています。」(公式サイトより引用)
「青い月のメンフィス」に先立ち、舞囃子「岩船」、狂言「寝音曲」が演じられました。能の演目の一部や要素を抜き出して演じる舞囃子は初めてみました。興味深かったのは狂言「寝音曲」。シテ(太郎冠者)は台詞をほとんどフランス語で話します。これはとても珍しいことらしい。

「青い月のメンフィス」は素晴らしい出来でした。間もなく、8月16日、エルヴィスの48回目の命日が巡ってきます。

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2025/07/30

7月の国立能楽堂ショーケース

 国立能楽堂では、今月は通常月に1公演の狂言・能入門編のショーケースが3演目、6公演が開催されています。この中から7月の国立能楽堂ショーケース「蝸牛・船弁慶」を鑑賞しました。

プレトーク:観世喜正(シテ方観世流)
狂言 蝸牛(かぎゅう)若松隆(大蔵流)
能  船弁慶(ふなべんけい):遠藤喜久(観世流)

 ショーケースでは能、狂言についてや、当日の演目についての解説があり、これを聴くと理解が深まります。
 この日の狂言「蝸牛」能「船弁慶」とも有名な演目とのことですが、初心者の私は初めての鑑賞です。事前に予習をしたためか、よくわかり、狂言、能の世界に入り込めました。
「船弁慶」は前シテと後シテが「まったく異なる人物(役)」を演じる、能としては珍しい演目です。前シテでは静御前(生者・現世の人物)、後シテ:平知盛の霊(死者・怨霊)を遠藤喜久(観世流)がひとりで演じます。また源義経を子方が演じるのも興味深い。
 いろいろ収穫があった能楽堂ショーケースでした。

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2025/06/20

今月の能は「六浦」

 国立能楽堂で狂言・能。今月2つある定例公演のうち、狂言:秀句傘、能」六浦を鑑賞。
 狂言 秀句傘(しゅうくがらかさ):野村万蔵(和泉流)
 能  六浦 (むつら): 大槻文藏(観世流)

 狂言「秀句傘」の秀句とは機知に富んだ秀逸な句。狂言らしい滑稽味と風刺を併せ持った小品で、俳諧や連句を題材にした珍しい作品。
 能「六浦」は六浦(現横浜市金沢区)を舞台とした観阿弥の夢幻能。草木の精が主役となる作品があり、「六浦」もそのひとつで楓が主人公の作品。
 今回は脇正面の橋掛かりに近い席を取りました。ここからは正面席とは見え方が違って、これも一興です。でもまだまだ狂言・能の楽しさを味わうレベルに達していません。やはり予習が足りないだろうな。

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