小説
2025/04/17
2020/08/29
村上春樹の『一人称単数』
単行本『一人称単数』を買ってしまいました。村上春樹の「6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集」という一冊です。「一人称単数」シリーズは昨年から「文學界」に不定期に掲載されていました。その度ごとに買って、それぞれの短編は読んでいます。
でも、単行本化にあたり、書き下ろし1編を加えるという狡猾な(?)なことをやってくれました。しかたないので、単行本を買うことに。
この短編集は、村上春樹の読者としてどう読めばいいのか。村上春樹マニアではないので、そのあたりがちょっと知りたい。アマゾンのサイトにはこんな文章が。
「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のことだ。しかしその切り口が増えていけばいくほど、「単眼」はきりなく絡み合った「複眼」となる。そしてそこでは、私はもう私でなくなり、僕はもう僕でなくなっていく。そして、そう、あなたはもうあなたでなくなっていく。そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 「一人称単数」の世界にようこそ。
難しいな。誰が書いたんだろう。
思いつきでしかないのですが、村上春樹も私小説を書きたくなったのか、というのが感想。本に収められた8作では、「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」が好きです。あと、「石のまくらに」の短歌が引っかかります。
2020/01/12
2020/01/11
『マチネの終わりに』雑感
ベストセラーで、映画化された平野啓一郎の『マチネの終わり』。昨年暮れに文庫ででた本を書店で見かけ、購入しました。年末から読み始めましたが、なかなか進ません。寝る前にベッドで読んでいると、必ずすぐに眠気を催します。
ラブストーリーなのですが、読んでいても心が揺り動かされません。どうしてなんだろう。平野啓一郎の小説ははじめて読みましたが、他のものもこんなレベルなのか、なんても思ってしまいます。
昨年の秋に公開された映画ですが、日経新聞に短い評が載っていました。
「世界的なクラシックギター奏者(福山雅治)とパリ在住の女性ジャーナリスト(石田ゆり子)という中年男女の恋。べたべたのメロドラマであるのはよいとして、後半の筋の運びがあまりにご都合主義。西谷弘監督」(2019/11/1 日経新聞)
で星2つ(5つ星満点)です。星2つは珍しい。
純文学はもう過去のものかも。
2020/01/08
文學界と村上春樹の新作
今月号の「文學界」(2月号)に村上春樹の新作「品川猿の告白」が掲載されているので、買いました。『東京奇譚集』に収められた「品川猿」の続編とか。先月、24年振りに行った川上未映子との朗読会でこの「品川猿の告白」を短縮したものを朗読しました。
毎年、ノーベル賞の時期、大きく注目される村上春樹。ノーベル賞はともかく、世界で50カ国以上の国で出版される作家です。短編ではありますが、この村上春樹の新作が掲載される「文學界」は、あまり注目されていないようです。
「文學界」の部数は9000部です(日本雑誌協会の発表している印刷部数)。雑誌の返本率は40%といいますから、実売は5600部ほど。このうち(きっと)図書館が購入する分もあるので、純粋に個人に売れているのは4000部くらい?
純文学はもう過去のものなのか。多分、そうなんでしょう。なんとも寂しい時代ではあります。
2020/01/02
MURAKAMI 2020 DIARY
面白い本を買いました。「MURAKAMI 2020 DIARY」です。タイトルからはどんな本なのかわかりにくい。村上春樹のダイアリーです。これもわからないね。
小説でもなく、ノンフィクションでもなく、ダイアリー。要は2020年の手帳です。見開きの左ページに1週間単位のスケジュール欄。右ページには村上春樹作品の英語版の表紙などが載っています。スケジュール欄の欄外には英語版の出版日が記載されています。
表紙をみてわかるように洋書です。発行は英国のHarvill Secker(ペンギン・ランダムハウスが母体みたいです)。なので、基本は英語で書かれていますが、日本語も併記されています。例えば1月13日は「成人の日」とか。このDIARYは誰がターゲットなのか。欧米など英語圏の人、それとも日本人も含めているのか。また、この本村上春樹の公認なのかな。
この本、アマゾンで村上春樹の別の本(『女のいない男たち』の英語版)を探していてたまたま見つけました。アマゾン以外では、買えるところがありません(紀伊国屋書店のウエブにはありますが、6~9週かかる)。
ということで、手帳は要らないに買ってしまいました。手帳として使うのはもったいない感じです。
2019/05/30
村上春樹、父を語る
買って読んでいなかった文藝春秋6月号「猫を棄てる 父親について語るとき僕の語ること」を読みました。作家・村上春樹が父について書いた文章です。読み始める前は、村上春樹が父親について語るエッセーかなと思っていました。しかし、内容はその思いに反していました。
村上は父親の人生を丹念に資料にあたり調べています。エッセー、手記ではなく父について書いたノンフィクションのようです。もちろん、村上の様々な思いが語られ、精確な意味でのノンフィクションではありません。
納得いくまで調べ、父のことを書いたひとつの作品だと思います。
70歳になった村上春樹が語る父。少し重くて、心を動かされる文章です。
2018/04/24
伴走者というアスリート
マラソンで視覚障害のランナーをサポートして走るのが伴奏者。リオパラリンピックでは道下美里が銀メダルを獲得しています。小説『伴走者』(淺生鴨)は予想していたより遥かに刺激的な伴奏者の物語でした。
本書には<夏・マラソン編>と<冬・スキー編>の2編が載っています。マラソン編は人物設定、場面設定とも凝っていて、マラソン大会を走るランナーと伴走者、二人の優勝を目指す走りがスリリングで面白いストーリーです。
これにも増して、刺激的だったのがスキー編。ブラインドスキーという競技を初めて知りました。盲目の女子高生スキーヤーと伴奏者の闘いは、目標に届くのか。ハラハラしながら読みました。
伴奏者という存在を知り、スポーツの可能性を教えてくれた素晴らしい小説でした。
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2017/09/06
日経新聞の連載小説
新聞小説はあまり読みません。毎日読み続ける習慣がつかない(?)ので、いつの間にか読むのを忘れて、読まなくなってしまいます。
日経新聞の朝刊文化面に載っている小説が、今日から変わったのに気づきました。林真理子の『愉楽にて』です。愉楽、という言葉は知らなかった。広辞苑にも載ってました。そこに、にて、を付けるとどんな意味なのか、なんてつまらんことを考えます。
昨日で伊集院静の『琥珀の夢』が終わりました。サントリー創業者の鳥井信次郎を描いた企業小説でしたが、これも出だしから読みそびれ、終わりのほうだけ読みました。伊集院静にとって珍しい企業小説でしたが、単行本になったら読みます(笑)。
新聞小説は新聞を取ってれば無料で読める愉しみですが、なかなか続きません。林真理子の小説はほとんど読んだことがないので、とりあえず第1回は読みました。どこまで続けられるかはわかりません。
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