少女たちの戦争
APK STUDIESのゲストが推薦の本ということで小林エリカ(昭和53年生まれ)の『女の子たち風船爆弾をつくる』(以下「風船爆弾をつくる」)を読みました。太平洋戦争の最中、東京宝塚劇場に集められ、風船爆弾の製造に従事する少女たちの生きてきた道と時代を重ねて描く小説。風船爆弾についてほとんど知識がなかったので、膨大な資料と風船爆弾をつくった人たちへの聞き取りなどから構成される内容に、太平洋戦争での哀しい真実を知りました。しかし残念ながら、この時代の少女たちの切実な非日常が切迫感をもって伝わってきません。これは作家・小林エリカ(昭和53年生まれ)が、同時代に体験していないことを、小説という方法で描いたためではないでしょうか。
「風船爆弾をつくる」を読んだあと、思い出し『一少年の観た聖戦』 を再読しました。著者は小説家・小林信彦(昭和7年生まれ)。「風船爆弾をつくる」で書かれる女の子たちは(推測するに)昭和3年前後の生まれなので、小林は少し若い。 『一少年の観た聖戦』は少年時代に体験した太平洋戦争を回想した自伝的ドキュメントで小説ではありません。映画少年である小林信彦が太平洋戦争開戦前から戦後までみた映画の評論を軸に、当時の社会状況を資料を参照しながら書いた内容です。小説家でありながら本作ではドキュメント(ノンフィクション)の手法で書いています。
また、小説家・曽野綾子(昭和6年生まれ)は、昭和20年の沖縄での女生徒部隊たちの闘いを『沖縄女生徒の記録 生贄の島』として、これもノンフィクションで書いています。
先日、終戦の日に放送されたNHKスペシャル「少女たちの戦争 ~読み継がれるクラス日誌~」(2026年8月15日NHK総合)は東洋英和女学院に保管されている昭和初期から書き続けられている学級日誌を使い、授業を行った細かな内容が報じられています。
学校内に工場が建てられた「学校工場の内実」や、81年前の先輩たちが戦争末期に召集令状を書かされていた悲しい事実も映像で伝えられます。
太平洋戦争という大きな歴史事実。そこに起きていた小さくても、伝えられるべきことがある。これをどのように伝え、私たちが受け取るか。決してやさしいことではありません。











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