研究

2019/09/18

東京アートポイント計画

 文化政策に関するテーマで卒論、収支論文を書いたので、ちょっと前には熱心にやっていたのですが、最近はとんとご無沙汰です。ですが。ネットで見つけた「文化に時間をかける「ことば」をひらく―東京アートポイント計画の10年から紐解いてみる―」というレクチャーに参加してきました。
 東京アートポイント計画とは。もちろんアートを買うとポイントがもらえことではありません。東京都が行っているアートプロジェクトの総称で、2009年から始まっています。アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)は知っていますが、アートポイント計画は知りませんでした。
 このレクチャーは3回構成ですが、参加したのは昨日の第2回。テーマは「文化政策の流れを比べてみる~「10年単位」で起こること」です。ゲストスピーカーに横浜市で文化振興の仕事をしている鬼木和浩さん。この人の話がとても興味深いものでした。10年単位で国と地方自治体の文化政策をまとめていたのが、簡潔でわかりやすい内容でした。
 2020年はオリパラだけでなく、文化のイベントも行われます。いまの文化政策を考えるための有意義なレクチャーでした。

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2019/06/03

別刷というもの

 学会の研究紀要に投稿して、査読が通り掲載されました。投稿原稿が掲載された紀要はまもなくくるはずですが、先立って注文しておいた別刷が送られてきました。「別刷」といって意味がお分かりの方は珍しい存在(笑)。
 研究紀要の中で自分の書いた原稿のみを印刷したものです。論文とかを書く研究者保存用とか他の研究者に渡すために用意された仕組み。もちろん料金が別にかかります。
 その料金ですが、1部でも50部でも同じ料金です。刷る手間は1部でも50部でも同じということか。そんなに沢山のあっても無駄になるだけなので、原稿書く際に取材してもらった方に配る分などで20部たのみました。
 昔、雑誌の編集をやっていた頃は「抜き刷り」といって広告タイアップ記事をクライアントに進呈するため用意していました。「別刷」と「抜き刷り」は同じものでしょう。
 いまどきは原稿がデジタルデータ(PDF)で渡されるので、別刷の必要性も薄れているかもしれません。印刷の世界に残る慣習といっていいでしょう。

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2019/04/20

研究紀要の投稿校正

 もう昨年のことですが、とある学会の研究紀要に投稿しました。たぶん、研究者以外は「研究紀要」などには縁がないと思います。そもそも研究紀要とはなんなのか。広辞苑によれば紀要とは「(「紀」はすじみちを立ててしるす意)大学・研究所などで刊行する、研究論文を収載した定期刊行物」とあります。
 研究者を仕事としていないのですが、あることから論文みたいなものを書いてみようと思い立ちました。そこで退会しないままでなっていた学会の研究紀要に投稿してみたわけです。幸い、査読も通り、研究紀要に載ることになりました。査読者からはかなりの修正指摘がありましたが。
 昨日、紀要原稿の校正の連絡が来ました。プリントアウトしていると、一人前の原稿に見えます(笑)。研究者はこの校正原稿を見るのが楽しみ、なんて人もいるのでしょうか。ネットの時代に原稿が印刷物になる、というのも面白いものではあります。

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2017/08/01

法科大学院の現状

 もう8年ほど前のことですが、青山学院大学の大学院にいってました。当時、研究室がある建物は決して立派とは言えませんでした。歴史ある建物を改築したもので、エレベーターがない2階建てでした。
 とある講義で法科大学院の校舎を使ったのですが、綺麗で豪華な建物でした。大学の法科大学院への思いを感じました。
 その青山学院大学の法科大学院が来年度から生徒募集を停止します。5月に発表されていたのですが、昨日の朝日新聞の報道で知りました。青学の法科大学院は司法試験の合格率では低迷していました。2016年は40人受験して合格したのは1人。合格率は2.5%です。生徒募集停止もやむなしです。
 青学に限らず、法科大学院は苦戦しています。
「弁護士や裁判官ら法曹人口を大幅に増やす狙いで国が設立の旗を振り、ピーク時には74あった法科大学院の半数近くが、廃止や募集停止になったことがわかった」(朝日新聞デジタル)
 と制度そのものが問われる結果がでています。
 国もお金を投入しています。「政府は16年度までに964億円を支援した」(朝日新聞デジタル)と膨大な金額です。
 法科大学院はどうなってしまうのか。そろそろ抜本的見直しが必要なようです。
 

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2015/10/08

幸運は強い意志を持った者に訪れる

 大村さんに続いて梶田さんのノーベル賞受賞。この国の研究者は素晴らしいことを成し遂げていると確信しました。文学賞も日本人がとるかもしれません。
 昨日の「クローズアップ現代」に大村智さんが出演されていました。ノーベル賞受賞の後、ニュースで報じられていた大村さんは、穏やかな研究者という印象でした。
 しかし、クローズアップ現代に出演されたいた大村さんは、研究を成し遂げるための経緯を静かに、そして熱く語っていました。いまでは当たり前の「産学連携」を大村さんが研究を続けるために行ったこと。そしてそれが変人行為と非難されたこと。幾多の難関を乗り越えて、病気で困難に陥っている人を救ました。
 番組の最後、大村さんはこう言っていました(覚えていることを書いているので、不正確なことがあると思います)。
「パスツールの『幸運は心の準備のできている人のところにやってくる。』といいますが、私はこれをモディファイして、
『幸運は強い意思をもった者に訪れる』」
 強い意志をもつことは簡単ではありませんが、ノーベル賞をとるほどには難しくないかもしれません。

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2012/06/03

久しぶりの学会

 昨日、所属している学会の大会に参加しました。最近は諸般の事情から研究がほとんど進んでおらず、アカデミックな場にいくのは久しぶりです。学会に所属しているといっても、まだ1年足らずの新参者なので、この学会の大会は初めてです。
 学会は昨日、今日の2日間で、1日目は総会、特別講演、シンポジウム、そして懇親会。2日目の今日は会員による研究発表です。昨日の特別講演では大原美術館理事長の大原謙一郎さんが「社会におけるミュージアムの価値」という演題で話をされました。非営利、公益というキーワードからミュージアムの社会における価値を論じる内容で、新鮮な視点を与えていただく有意義な講演でした。
 学会では年1回研究紀要が発刊されますが、今年度版が大会で配布されました。その研究紀要に昨年書いた論文が掲載されています。本になるとちょっと論文らしくみえるから不思議です。久しぶりの学会で、いろいろ刺激になることがありました。たまにはアカデミックなこともしてみなくてはと思った学会初日でした。  

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2011/12/18

学会での発表

 日本政策学会という学会に今年の4月から所属していす。所属といっても会費を納めれば誰でも入れます。学会というとそこに関わっていない人は、「いったい何をやっているの」という感じでしょう。私もちょっと前まではそうでした。
 しかし、この夏に日本建築学会の大会に参加して少しだけ学会の内容がわかってきました。そんな学会初心者が、昨日の学会で発表をする機会を得ました。昨日、今日と日本文化政策学会の年次研究研究大会が開催されていて、そこの分科会での発表です。
 与えられた発表時間は25分の発表に15分の討議の計40分。会社にいたときでも25分もの長いプレゼンした記憶はありません。発表資料を作るだけでも大変です。おまけに学会初心者です。内容の点でも研究発表というレベルに達しているか怪しい(苦笑)。発表会場には、なぜか30人くらいの人がいらして、緊張。
 でも、発表してみると、いろんな批評をいただくことができます。とても有意義なものばかりです。とてもありがたいです。研究の入り口にいる者としてはとても貴重な経験をさせてもらいました。
 今日は学会2日目。今日は聴かせていただき立場で参加させてもらいます。


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2011/12/17

文化の復興、文化による復興

 日本文化政策学会の年次研究大会が今日、明日と開催されます。昨日、学会のプレイベントとしてラウンドテーブル「文化の復興/文化による復興 〜震災後の文化政策を考える〜」(日本文化政策学会・早稲田大学演劇博物館グローバルCEOプログラム主催)があり、参加してきました。震災から9ヶ月余が過ぎ、文化の復興はどうなっているのかを討論するイベントです。
 イベントの討論者は次の方々です。
モデレーター:桧森隆一(嘉悦大学経営経済学部)
細井崇久(仙台市文化振興課長)
岸浪行雄(株式会社東北共立代表取締役)
大澤寅雄(ニッセイ基礎研究所研究員)
島添貴美子(富山大学芸術文化学部)
松本茂章(静岡文化芸術大学文化政策学部)
伊藤裕夫(文化政策研究者)

 被災地現地の文化施設被害状況と復旧状況についての報告、伝統芸能の復旧への取り組みと問題点、NPOの取り組み、企業メセナ協議会の助成活動などこれまで行われてきた活動状況をきくことができました。
 討論者と会場でのラウンドテーブルでの討論で感じたのは官と民の連携。震災後、一般論で言えば動きの鈍い官と、素早い動きをした民がどのように連携していくか。文化の復興を考えていく上で大きな課題だと思います。それと、やはりお金がなければ復興はできないこと。文化復興にどれだけお金が使われているか。ここも検証しなければいけない。
 様々な課題を認識したイベントでした。さて、今日からは学会本番です。

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2011/11/28

学会とは

 昨日、学会の研究発表会に参加してきました。日本ミュージアムマネジメント学会の会員になっていて、勉強のため出席させてもらいました。会社勤めをしているときには「学会」という言葉からは、大学の先生など研究者が研究成果について発表する場、だと思っていました。なんとなく、憧れの世界という感じでした。
 会社を辞めて大学で学ぶ立場になって、その憧れの学会にいくつか入りました。入るといっても、無条件でお金を払えば入ることのできる学会と、会員の推薦など入会条件のある学会があります。これってどう違うんでしょうね。学会の格の違いでしょうか。
 昨日、日本ミュージアム学会の研究発表会に参加して感じたのは、ここは実務型の組織だということ。出席者の多くがミュージアム(博物館、美術館など)に所属している人です。私のように大学になんらかの形で籍を置くのは少数派。学会とはWikipediaには
「学会(がっかい)は、学問や研究の従事者らが、自己の研究成果を公開発表し、その科学的妥当性をオープンな場で検討論議する場である。また同時に、査読、研究発表会、講演会、学会誌、学術論文誌などの研究成果の発表の場を提供する業務や、研究者同士の交流などの役目も果たす機関でもある」
 とあります。これによれば、学会とはあくまで研究成果を問う場であると理解できます。研究成果とそれをどのように実務に生かしていくか、は普遍的な問題です。日本ミュージアムマネジメント学会はあくまで現場でなにを実践するかが主軸になっている学会のようです。
 会社員だった頃経験した研修会に比べるとゆるやかな場ですが、これが学会というものかな。比べてはいけません。組織としてはまったく別なことと思ったほうがいいです、当然ですが(笑)。

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2011/08/24

建築学会の大会

 昨日から日本建築学会大会が始まっていて、一応会員になっているので勉強のために参加してきました。学会の大会はもちろん初めてですが、学会というと週末の土日に開催と思い込んでいたのですが、建築学会の大会は平日に3日間行われます。その内容も、シンポジウム、講演会、パネルディスカッション、研究懇談会、建築作品展などなど盛りだくさんです。
 会場は早稲田大学の早稲田キャンパスですが、大隈講堂を含む8つもの校舎を使って行われます。普通は大会議場ひとつで済んでしまう学会も多いなか、日本建築学会とうのはかなり大きな学会なんだな、と妙なことで感心してしまいました。
 大会のメインテーマは「いま、私たちにできること」です。学会初心者としては、専門的なセッションは難しい。昨日は記念シンポジウム「大災害を克服し、未来の建築・都市へ」に参加してきました。専門家、学者の方たちの講演、ディスカッションで構成される内容です。基調講演として建築家の伊東豊雄さんが話されました。
 伊東さんは設計されたせんだいメディアテークのこと、震災の後に取り組んでおられる宮城、岩手での活動ことを中心に話をされました。そのなかで、震災について考えていること(指針のようなものでしょうか)として、5つをあげていて、これが印象的でしたので紹介します。
1.私は震災の当事者である
2.批判をしない
3.小さなことからでも活動を起こす
4.ゼロから考える
5.私を超える
 建築という門外漢な分野ではありますが、いろいろ勉強になりました。とてもよい経験です。


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2011/05/22

シンポジウム「東日本震災と報道メディア」

 昨日、日本学術会議で「東北大震災と報道メディア」と題されたシンポジウムに参加してきました。そもそも日本学術会議というところに行くのがはじめてです。場所は国立新美術館の隣といのは知っていたのですが、何をやるとことは知りません(笑)。
 日本学術会議では頻繁に公開のシンポジウムを行っていて、内容はちょっと難しそうなものも多いですが、様々な学術の姿に触れられる機会として有意義なものです。昨日のシンポジウムは東日本大震災を受け、専門分野の異なる学者によるシンポジウムです。シンポジウムのまとめ役は社会学、文化研究、メディア研究を専門とする吉見俊哉氏。大学で教えている6人の先生によるプレゼンテーションとそれに続き全員での討議。
 先日参加したメルプラッツの公開研究会では先生方の震災への本音が聞けました。例えば自分の専門領域が震災に対して無力なのでは、という問いかけなどもありました。今回のシンポジウムは、それぞれの専門領域で震災後何を行ってきたかの発表で、純粋な学問レベルの内容でした。先生方の本音みたいなところは当然ですが聞くことはできませんでした。まあ、それを期待するのも無理な話ではありますが。
 来場者からも指摘がありましたが、学問領域での理論と現場で起こっていることの乖離は、避けられない。今後、この乖離をとう埋めていくかが、学者、研究者に求められると改めて感じました。しかしながら、これだけの学者さんの話を聞けるのはあまりないと思います。有意義なシンポジウムでした。

「東北大震災と報道メディア」

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