上質の演劇『チェーホフの奏でる物語』
演劇の醍醐味を味わった舞台です。『チェーホフの奏でる物語』(東京芸術劇場シアターウエスト)を観劇しました。
ロシアの文豪・チェーホフに触発されたニール・サイモンが、短篇集をモチーフに、9つのお話で構成した1973年に発表した作品です。この作品を小田島創志が翻訳、演出は内藤裕子。一人の作家が進行役として登場し、作家が創り上げた短い作品に出てくる登場人物24役を、作家役を含めたキャスト5名によって次々に演じ分けます。
作家役のイッセー尾形を含め5人の役者はだれもが好演です。イッセー尾形が演じる作家の語り口がさすがに上手いし、その他の役者(安藤玉恵、福田悠太、小向なる、松尾貴史)も素晴らしい演技をみせてくれます。特に「弱くて無力な生き物」での安藤玉恵は怪演。
朝日新聞には「何よりの成功の要因は配役」と書き、
「中でも、語り手となる作家を演じて全体の空気を縦横無尽に広げるイッセー、その運動をしなやかに受けて次につなげる松尾、攻めにも抑えにも回る安藤が、100年を超える時間を溶かし、繰り返される営みに柔らかい光を当てる」(2026年1月29日 夕刊)
と評しています。
客席には若い女性が多い。福田悠太くんのファンらしい。
いい脚本があり、いい役者が演じれば、上質な演劇ができる。そんな当たり前のことを改めて感じた舞台でした。
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