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2025/06/06

伊東豊雄建築の秘密

 伊東豊雄の建築が好きです。国立競技場は伊藤豊雄の設計案にして欲しかった(もちろん隈研吾の設計も良いし、好きな建築はいくつもあります。例えば那珂川町馬頭広重美術館は素敵な空間のミュージアムです)。
『誰のために 何のために 建築をつくるのか』は建築家・伊東豊雄のエッセイ。著者が主催する伊東建築塾でのレクチャーをまとめた内容で176ページのボリュームなので、さらっと読んでしまえると思ったのですが、中身がとても濃いので、じっくり読まないと理解できません(おそらく著者のメッセージを完全には受け取っていません)。
 感銘を受けたことは多々あるのですが、中でも設計に対する考えには新鮮な教えがあります。

<私の設計に対する考えは、
 現実世界 → 非現実世界 → 現実世界
 です。>

 そしてこう書きます。
<私にとっての設計は能の「橋掛かり」を往来する仕事と言えるかもしれません>
 と。
 ただ現実化の過程で非現実の世界で描いたイメージはほとんど消えてしまう。ただある程度まで非現実の世界を残すことができたとして、「中野本町の家」と「せんだいメディアテーク」をあげています。

 伊東建築が素晴らしいのは、「非現実の世界」への飛躍(この言葉が正しいのか)があるからなんだと腑に落ちました。

 万博に伊東豊雄設計のEXPOホールがあります。なんとか体験しにいきたいと思っているのですが。
 建築の素人にも、建築とは何なのかを考えさせてくれる本です。

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