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2025/04/29

地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか、を考える

 先月3月20日、地下鉄サリン事件から30年。これに合わせ出されたのであろう『地下鉄サリン事件はなぜ防げなかったのか』(垣見 隆 著 / 手塚 和彰 編著者 / 五十嵐 浩司 編著者 / 横手 拓治 編著者 / 吉田 伸八 編著者)。『週刊文春』の書評欄で知ったが、当初は読む気にはならなかった。軽く読める内容ではないことだろう、と思ったからだ。でも、30年という月日の流れから、いま読んでおくべきだと購入した。
 著者に何人もの名前が書かれている。本書は事件当時、捜査の最終意思決定者である警察庁刑事局長の職であった垣見隆が、当時の資料やメモをもとに初めて証言を内容をもとに記されたもの。編著とされているメンバーが垣見の聞き取りにあたった。

 捜査の最終意思決定者とはいえ、ひとりの証言であるから、内容がすべて真実で肯定できるものではないかもしれない。しかし、地下鉄サリン事件をなぜ防げなかったか、を検証するためには、極めて大事なものだと思う。

 読了後、録画されていたNHKの「オウム真理教 狂気の“11月戦争”」(3月20日放送)をみた。この番組はタイトルの通り、オウムが1995年11月に首都・東京を制圧し、国家を転覆させるクーデターを起こそうとしていたことを数々の証言で検証するもの。番組には当時、警視総監であった井上幸彦もインタビューに応じている。本書とテーマは違うが、オウムという宗教組織に警察がどう闘ったかを知ることができる。

 失われた30年が始まった90年代には、あまりいい記憶がない。あれから30年、この国はどれほど変わったのか(今更だが)。

 脱線するが、本書には中高の友人のことが記されている。彼の結婚式に招待いただいたのだが、警察の方がたくさん出席されていたのを思い出した。

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