『AZUMINO 1977』と丸山健二
少し前のことですが、東京マラソンを走る前に村上春樹の『走ることについて語るときに僕の語ること』を再読しました。もう、何度目だろう。ランナーにとっては、読むたびに新たなことを教えられる一冊。
この本が発刊されたのは2007年ですが、村上が1983年にギリシャのアテネからマラトンまでほぼフルマラソン(村上にとっては初めてのフルマラソン)を走ることを書いている。これは「ペントハウス」(日本版)による企画で、 ここに同行して撮影したのが写真家が景山正夫さんで、写真が本書に載っている。
景山さんとは1988年頃だったか、仕事をさせていただいた。カナダ大使館がスポンサーで、カナダでの取材だった。 『走ることについて語るときに僕の語ること』を読みながら、景山さんのことを思い出し、ネットで検索したら『AZUMINO 1977』という本が見つかった。古書で少々高かったが購入した。
景山正夫による写真集で、ここに丸山健二が文章を寄せている。丸山の一文から、丸山による『私だけの安曇野』(朝日新聞社 1978)での写真を撮ったのが景山正夫だが、多くの撮影から使われた写真がほんの少しだったので、『AZUMINO 1977』が発刊された旨のことが書かれている。
『私だけの安曇野』をこれも古書で買い読んだ。「朝日ジャーナル」に連載したものをまとめた本だが、鋭い視点から安曇野が描写されている。景山正夫の写真も、もちろんいい。
景山さんは残念ながら亡くなっている。お元気であれば、村上春樹のことをきけたのに、と後悔しても、遅い。
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