「勇者は語らず」とホンダ
ホンダと日産の経営統合は再来年8月に持ち株会社を設立し、両社が傘下に入ることが昨日発表されました。
城山三郎の小説『勇者は語らず』を再読。とはいっても内容は忘れています。戦後の自動車産業を描いた物語です。本作に登場する川奈自動車工業はホンダがモデルとされています。ここに働く冬木と下請け会社を経営する山岡が中心に、ストーリーは語られます。本田宗一郎をモデルとする川奈自工の社長・川奈も登場します。
本書が発表さえたのは1982年(昭和57年)。急激な成長を遂げた日本の自動車産業は、欧米でその強大な力ゆえ、激しい非難を浴びます。特にアメリカでは日本車を叩き壊す過激な運動が発生。自社の車が破壊される現場を目の当たりにする冬木と山岡。
山岡はアメリカがやるべきことをしかなった結果だと、冬木に問います。
「アメリカは、自分で自分の首を締めたのです。なぜ、それを日本側はいわないのですか」
「勇者は語らず、さ」
と冬木は言います。
本書が世に出てから40年余年が経ったいま、日本の自動車産業は苦境の中にいます。
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