夏祭浪花鏡:歌舞伎と能
先日鑑賞した歌舞伎「夏祭浪花鏡」に続いて、能で同じ「夏祭浪花鏡」をみてきました。歌舞伎では二幕三場で、序幕の「住吉鳥居居前の場」に続いて、二幕目で「釣船三婦内の場」「長町裏の場」が演じられました。
能でも同じく「釣船三婦内の場」「長町裏の場」が演じられます。実話に基づき書かれた作品で、1754年に大阪・竹本座で初演。
ラストで主人公の団七九郎兵衛が舅を殺してしまう陰惨な殺人劇が展開します。この表現が歌舞伎と能では違います。悲劇のシーンながら歌舞伎は祭りの明るさとの対比で演じられ、陰湿なイメージはあまりありません。一方で能ではあくまで暗く真正面から悲しく演じられます。
このように同時期に同じ作品をみるのは、歌舞伎、能、それぞれの表現を知り、とてもいい体験でした。
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