街からは書店が消えるだろう
書店が減っているのはたびたび伝えられています。経済産業省は3月に書店振興のプロジェクトチームを立ち上げています。書店の苦境はニューヨークでも同じようで「THE NEW YOKER」は「Are Bookstores Just a Waste of Space?(書店は単なるスペースの無駄なのでしょうか?)」なる記事を掲載しています(2024年8月19日)。
書評(確か「週刊文春」)で取り上げられていたので読んだ『2028年 街から書店が消える日』(小島俊一 著)。出版関係者30人のインタビューで構成された内容です。前書きから引用すると、
「(本屋が街から消えることに対し)この答えを出すために日本初の試みとして出版界のプロフェッショナル達が実名(一部匿名)で、それぞれの立場で本屋について熱く本音を語ってくれました。読者のあなたと一緒に出版界の現状を俯瞰しながら、問いの答えに近づいてゆこうと思っています」
と著者の思いは熱い。
でも、残念ながらそのアプローチは中途半端です。30人ものの人にきいているため、それぞれの内容が浅い。また、対談形式(著者と架空の甥との対話が各インタビューの前に入る)での構成から、著者の視点が曖昧と感じざるを得ません。人選を絞りキーパーソンにきっちり取材し、問題点とその解決法を明示して欲しかった。
そもそもなんで2028年なの? これが明確に書いてない。
私見ですが、本を再販価格維持制度から外し、正味(書店への仕切)を50~55%にすること。まず、これをやらないと、リアルな書店は滅びるでしょう。
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