日本の財政はどうなるか
先日、内閣府が、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、令和7年度に8千億円の黒字が見込めるとの試算を明らかにしました。黒字化すれば34年ぶりです。税収が確定したわけではないので、あくまで見込み。
日本の財政は絶望的に悪い状況です。国や自治体などを含めた「一般政府」でみると、対GDP比の債務残高は260%で、先進国でワースト1です。イタリアでさえ、約144%。
『日本の財政―破綻回避への5つの提言』(佐藤主光 著)は我が国の財政について問題点を整理し、財政破綻を回避するための方策を提言していいます。
本書で、「筆者を含む財政学者等は、財政危機を繰り返し強調してきたが、実際の危機は未だ起きていない。そのため『オオカミ少年』と揶揄されてきた。しかし、イソップ物語の「オオカミ少年」の結末はどうだったろうか」
と書いている。
多くの人にとって無縁と思われている財政危機。やり過ごしていい問題ではないでしょう。
筆者は興味深い言葉を引用しています。ノーベル経済学賞受賞のサイモン・クズネッツが1960年代に、
「世界には4種類の国がある―先進国、途上国、日本、アルゼンチン」
アルゼンチンは第一次世界大戦前には世界で十指に入る豊かな国だったが、2000年代には2度、国の債務不履行(デフォルト)に陥っています。60年代、日本は高度成長の真っ只中です。なんか、怖い。
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