読書を新しい視点から紐解く
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』は新聞広告で知っていたのですが、タイトルから購買欲をそそられなかったので買わないままでした。でも『週刊東洋経済』の書評欄を読み、この内容なら、と購入しました。
知的にとても面白い本です。
1994年生まれの若い文芸評論家・三宅香帆は多くの文献を参照しながら、日本人がどのように本を読んできたかを分析します。特に働くサラリーマン(著者は「ビジネスパーソン」でなく「サラリーマン」を使用)が誕生後、労働と読書の関係を解き明かします。
本書の帯には「読書史と労働史でその理由がわかる」とありますが、読者の側からみた出版史でもあります。
本書はベストセラーになっています。昨日(6月17日)の新聞広告には15万部突破とありました。アマゾンのレビューは500以上です。
誰がこの本を買っているのか。本をいつも読んでいる人? それともタイトル通り「本が読めない」と思っている人? 本を読む行為に問いを投げかけた一冊だと思います。
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