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2024/02/12

生涯脚本家:橋本忍「鬼の筆」

 91歳にしていまもなお創りつづける山田洋次が最近の朝日新聞記事でこう語っています。「僕には師と呼ぶ人が二人います。一人は脚本家の橋本忍さん、もう一人は監督の野村芳太郎さんです」(「夢をつくる」1月20日・朝日新聞)
 黒澤明『羅生門』で脚本家としてデビューし、『七人の侍』『砂の器』『八甲田山』など多くの作品で脚本を書き、「戦後最大の脚本家」とされる橋本忍。『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』(春日太一 著)は橋本忍へのロングインタビューを含め、取材、調査で構成された橋本忍の評伝です。取材開始から12年かかった、と著者は後書きで書いています。
本書は分厚く480ページに及びますが、それ以上にボリュームを感じます。それぞれのページに書き込まれた内容が膨大なためでしょう。
橋本忍と関係した人たちの描写が特に面白いです。例えば橋本は自分の制作組織「橋本プロダクション」を立ち上げますが、ここに参画した野村芳太郎。森谷司郎の二人の監督とのやり取り、特にことの核心を示す野村芳太郎の言葉に感心します。
帯には「“全身脚本家”驚愕の真実」とあるとおり、橋本忍の生涯を丹念に描いた力作です。

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