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2023/09/06

若者の読書離れはウソ

 なんとなく思い込んでいる「若者の本離れが進んでいる」という先入観を覆すのが、『「若者の読書離れ」というウソ 』(飯田 一史 著)。著者は、データをもとに実態を明らかにし、小中学生の読書量は2000年代以降V字回復し、子供の本離れは進んでいない、と書きます。そして若者(小学生、中高生)はどのような本を読んでいるかを分析しています。読まれる本には「三大ニーズ」と「四つの型」がある と提示します。
 10代の若者が読む本も興味深かったのですが、それに加え(本書の本筋ではないかもしれませんが)、そもそも若者から大人へなるにしたがい、読書の仕方は変わるのか、という点。著者はこう書いています。
「読書世論調査では『16歳から70歳以上』までの書籍の読書冊数を1981年から調査・公表しているが、多少の波はあっても不読者(1月に一冊も読まない)も含めた平均では月に1冊台で、やはり2冊以上になったことがない」
 そして、大人が若者にもっと冊数をを読めとか、高度な内容の本を読めという要求は無理筋な要求だといいます。
「大人も平均すれば2冊も書籍を読んでいないのだから、『平均的な大人』はたいした読解力もないし、歯ごたえのある本も読んでいない」
 と書きます。
 本を読む、という行為をあらためて考えさせられる一冊です。

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