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2023/05/03

村上春樹:街とその不確かな壁

 村上春樹の新作『街とその不確かな壁』を読み終えました。650頁をこえる長編で、私の読書力ではすらすらと読み進める内容ではなく、2週間ほどかかりました。
 この作品にはあとがきがあります。村上春樹本人が、
<自分の小説に「あとがき」みたいなものをつけることをもともと好まないが(多くの場合、多かれ少なかれ何かの釈明のように感じられる)、この作品についてはやはり、ある程度の釈明が求められるだろう。>
 と冒頭に書いています。
 メディアなどで報じられているとおり、1980年に『文學界』に発表した同名の作品には本人が納得がいかず、書籍化されていなかった。村上はその後、80年発表の『街とその不確かな壁』は「長編小説にもっていくにはいささか無理があった」のでまったく違うストーリーで『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を1985年に発表する。
 2020年に「根っこから書き直せるかもしれない感じるようになり」書き終えたのが本作です。

 これだけの作品を書けることは(うまい表現はできませんから、ただすごいしか言いようがないです。おそらく再読すれば、新しい発見があるでしょう。そして、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』も読み直さなきゃいけない、と思いました。

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