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2023/01/09

物価の謎

 新年になり、値上げが加速しそうです。
<「値上げラッシュ」の今年に続き、来年も身近な食品が高くなりそうだ。帝国データバンクによると、2023年に値上げを予定する食品の数はすでに7千品目を超えた。>(2022年12月 朝日新聞デジタル)
 値上げの原因は一般的には感覚で言えば、ロシアのウクライナ侵攻と円安ということでしょうか。原材料の輸入価格と原油高によるコストの上昇が大きいと伝えられているようです。
『物価とは何か』(渡辺努著)を読みました。先に著者の近著『世界インフレの謎』を読み、面白かったので、前作の『物価とは何か』をやっと読み終えました。そもそも物価とはどのようにして決まるのか。経済学的は難しい問題を、私のような素人にもわかるよう書かれています。
 著者の渡辺努さんは「週刊東洋経済」(2022年12/24-31合併号)のインタビューでこう答えています。

──ウクライナ侵攻がインフレの原因だという見方があります。
 非常にわかりやすいが、違うと思う。戦争が始まったのは2022年2月。米英欧のインフレは21年4月には起こっていた。明らかに戦争とは関係ない。
 確かに、日本の物価上昇が加速し消費者が物価高を実感するようになったのは開戦後かもしれない。だが、海外発のインフレがたまたまそのタイミングで日本に入ってきた、というのが大きな構図。戦争の影響も少しはあるかもしれないが、ほとんどはほかの要因によるものだろう。

 インフレ=物価高は日常生活に大きな影響を与えています。これを解決するためにはやはり賃上げです。渡辺さんは、


物価の上昇に合わせて、賃金を上げる。それによって日本経済の悪い部分を根本的に直していくというものだ。消費を大幅に減らす必要はないし、GDPも大きくは下がらない。


 充分な賃上げがされるのか。この春は日本経済の正念場かもしれません。

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