ミュージアムは変われるのか
コロナ終息もみえかと思えましたが、東京では感染者がまた増え出す状況で先は見えません。すでに3年目になったコロナ禍の中、ミュージアムの現状はどうなっているのか。この状況を日経新聞が「コロナ3年目のミュージアム」で伝えています。記事によれば、
「2020年の収入は19年比6割減、感染対策でコストは増加――。日本博物館協会(東京・台東)が21年に実施したアンケート調査で、全国の博物館や美術館の厳しい経営状況が浮かび上がった」(2022年3月29日・日経新聞)
収入が6割減という厳しい状況。
閉館したミュージアムもあります。
「岩立フォークテキスタイルミュージアム(東京・目黒)が一般公開をやめた」
「愛知県出身の西洋画家、故・杉本健吉の作品を展示する杉本美術館(愛知県美浜町)だ。運営母体の名古屋鉄道が21年3月期にコロナ禍で287億円の連結最終赤字(前の期は288億円の黒字)に転落したのを受け、21年10月に閉館した」
「イタリアの現代具象彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの個人美術館、ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡県長泉町)は公的支援を求めた。来館者数の激減で閉館せざるを得ない状況にあるとして21年10月、静岡県に支援を要請。建物などを無償譲渡し、県に運営を委ねたい考えだ」
厳しいです。
ミュージアムも手をこまねいているわけではありません。ひとつの方法はクラウドファンディングです。
「美術館の間でCFに注目が集まっている。大手のREADYFOR(レディーフォー、東京・千代田)によると、21年の文化関連全体の支援総額は20年の1.5倍、博物館・美術館関連に限れば7倍に上る。調達金額の合計は4億5千万円に達した」
ということです。記事によれば徳川美術館、永青文庫、大原美術館がクラウドファンディングを活用しています。
しかし、クラウドファンディングによる資金調達も限界があります。ミュージアムへは国により本格的な支援が必要だと思います。
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