儲からない書店
出版産業の窮状はたびたび伝えられていますが、現場からの声をきくとその状況が厳しいことを実感します。今週号の「週刊東洋経済」には<出版界であらわになる格差」という記事が掲載されています。この特集はすでに東洋経済オンラインで「激動の出版」として掲載されていた内容ですが、改めて読むとかなり衝撃的です。特に書店大手の有隣堂社長・松信健太郎氏へのインタビューが現状を的確に表現しています。その内容をいくつか引用してみます。
―有隣堂グループは20年8月期に最終赤字に転落しました。
「(前略)営業利益率1%を目標に、懸命に(経営の)立て直しを図っている。競合する書店グループの多くも同じ状況で、2%以上の利益率(を達成するの)は難しくなっている」
ー返品率の改善のため、AI(人工知能)の活用なども議論されています。
「(返品率の改善には)限界がある。市場がピークを迎えた90年ごろに年間約3万点だった、現在では同7万点となっている(編集部注:1995年より書籍の新刊点数の収録範囲が改訂され、現在の水準と単純比較できない)」
営業利益率1%を目標、年間3万点→7万点という事実。
出版界の未来はないのか。今さらながらこんな思いになる記事です。
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