講談社の影響力
1週間ほど前のニュースですが、アマゾンが講談社と直接取引すると報じられました。日販、トーハンといった取次を通さず、アマゾンは直接講談社から仕入れる「直接取引」を今月から始めた、と伝えられています。ただ講談社のすべての書籍、雑誌ではなく、いまのところ
<直接取引の当面の対象は人気の3シリーズ「講談社現代新書」「ブルーバックス」「講談社学術文庫」の既刊本。効果を見極めた上で他の書籍や新刊本への拡大を検討する。>(9月16日 朝日新聞デジタル)
という状況です。
いうまでもなく講談社は業界では最大手です。最近『出版と権力 講談社と野間家の110年』を読みました。今年の2月にでた本ですが、600ページをこえる大作でやっと読み終えました。著者の魚住昭は、100年以上にわたる講談社の歴史を、講談社に保管されていた内部資料を含め、膨大な資料、データを読み込んで書いています。講談社の成り立ちから成長、挫折を細かに描写した労作だと思います。
ただ、視点はあくまで講談社です。競合する出版社、例えば小学館のことなどはほぼ触れられていません。時代に合わせて変革しているようにみえる講談社も、その未来図は見通せません。アマゾンとの直接取引がどのように進展していくか。興味深いところです。
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