年金の繰り下げ受給
年金制度を変更しようとする動きが活発です。厚労省は年金の繰り下げ受給の年齢を75歳まで選択できるようにしようとしています。
「厚生労働省は18日、公的年金を受け取り始める年齢を60~70歳の間で選べる今の仕組みを変え、75歳まで繰り下げられる案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会に示した」(朝日新聞)。
厚労省の案では、年金受給を75歳まで繰り下げると、もらえる金額が1.84倍になる。ずいぶん増えるなと思いがちですが、もとを取るためには87歳まで生きる必要があります。日本人の平均寿命は、女性が87・32歳、男性が81・25歳です。健康寿命はもっと短い。これであえて75歳まで繰り下げる人がどれほどいるのか。
一方、受給を繰り上げると、これまでは65歳から1カ月早めるごとに0.5%減りましたが、これを減額率を0.4%に縮める案です。受給年齢を60歳まで繰り上げると24%の減額になります。
繰り下げ、繰り上げをする人は実際、どれほどなのか。
「17年度末で70歳の国民年金受給者のうち、65歳より遅くもらい始めた人は1.5%とごくわずか。一方、早くもらい始めた人は19.7%にのぼる」(日経新聞)
厚労省の案が実施されても、その効果は薄そうです。
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