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2019/03/15

『食べたくなる本』の面白さ

 食の本だけを置いている本屋をやっているので、興味深く読みました。本が売れないと言われる中、料理本は次々と出版されていて、膨大な本が流通しています。
 本書は「料理本批評」(帯の文章による)ということで、あくまで料理に関して書かれた本を研究、批評する本であり、料理家の研究でありません。その点で、例えば阿古真理の『小林カツ代と栗原はるみ』とは論点が違います。
 本書では、高山なおみ、細川亜衣、有元葉子、ケンタロウ、冷水希三子といった料理研究家の料理本を取り上げ、細かに論評しています。しかし取り上げた料理研究家には偏りがみられます。
 現在、新刊書で流通する料理本(絶版になっていない本)で、冊数が多い料理研究家は(有元葉子を除き)批評の対象にはなっていません。例えば大御所の栗原はるみ、それに続く藤井恵、ワタナベマキ、飛田和緒、行正り香、渡辺有子、坂田阿希子などはレシピ本の世界ではメジャーな存在ですが、取り上げられていません。
 この偏りはもちろんいいことで、著者の食べ物、料理に対するこだわりのある熱を感じることができます。そして、ここが本書のもっとも読みどころではないかと思います。
 うちの本屋に置きたいのだけれど、仕入れができないのでありません(苦笑)。

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