ムンク展―共鳴する魂の叫び
『ムンク展―共鳴する魂の叫び』(東京都美術館)の目玉は、もちろん「叫び」です。ムンクは何点も「叫び」を描いていますが、今回来ているのは1910年の作と推定されているテンペラと油彩で描かれた作品です。
ノルウェーのオスロ市立ムンク美術館には約28,000点もの作品が所蔵。本展はこのムンク美術館のコレクションで構成されています。膨大なムンク作品の中から選ばれた約100点が展示されています。ムンクと言えば「叫び」が刷り込まれていて、他の作品が思い浮かばないという貧困さに気づきました。
ムンク作品は、不安を抱え込み、暗い作品が多いです。「叫び」と並んで展示されている「絶望」、「不安」はその典型です。しかし、暗く、絶望的な作品ばかりではありません。クリスチャニア大学講堂の装飾画「太陽」や、「庭のリンゴの樹」は明るく、希望を抱かせる作品です。ムンクという画家をもっと知りたくなりました。
ムンクの才能を充分に味わえる展覧会だと思います。
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