荒木一郎の世界
荒木一郎について、これまでほとんど知りませんでした。歌手やっていた人くらいの認識でした。『まわり舞台の上で 荒木一郎』(荒木一郎著・文遊社編集)を読んで、荒木一郎の多彩な才能に驚きました。昨年の10月に買ったのですが、今頃やっと読み終えました。
刊行時に週刊文春で小林信彦と鹿島茂が絶賛していて、すぐに買ったのですが、なにせ500ページをこえる大作。時間がかかりました(言い訳)。
荒木一郎は1944年生まれ。歌手だけではなく、俳優、音楽プロデューサー、小説家などいくつものジャンルで実績を残しています。本書は荒木一郎に音楽、映画・テレビドラマ、小説の各ジャンルそれぞれににインタビューアーがインタビューした内容をまとめたもの。これが400ページ近くの量。これに亀和田武との対談、資料があり、約560ページの内容。荒木一郎著となっていますが、基本はインタビューにより構成された内容です。
インタビューゆえ、本人が著すより客観性もあり、真実味感じられます。荒木一郎の現代での評価は決して高いとはいえません。再評価されていいと思えるし、ここまで荒木一郎の全貌、本質に迫った本書はまさに傑作と言えます。世代が違う人にもおすすめです。
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