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2016/06/05

豊田章男と成瀬弘

 東洋経済の「経営者 豊田章男」を読んで知った『豊田章男が愛したテストドライバー』(稲泉連著)を読みました。読みごたえのあるノンフィクションです。稲泉連がトヨタで自動車に所属していたテストドラ-バー・成瀬弘の生涯を丹念な取材で書いた力作です。
 臨時工としてトヨタに入った成瀬弘は、トヨタ自動社長・豊田章男に運転を教えた師匠となります。本書では成瀬弘と豊田章男の交わりを軸に、成瀬の歩んだ人生を鮮やかに描いています。
 日本における自動車レース創世記、福沢幸雄、川井稔がいた時代からたどり、テストドライバーとはどのような存在なのか。そしてテストドライバーは自動車つくりにどのような役割を果たしたのかを歴史に添って書かれていきます。そして世界一の自動車メーカー・トヨタの社長、豊田章男の生き方にも深く迫っています。
 例えば自動車ファンでなくても、トヨタ嫌いでも、読む価値がある一冊だと思います。久々にいい本を読みました。


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