出版、過去最大の落ち込み
どこまで落ちるのか、と思わざるを得ない出版産業です。昨日報じられた2015年の紙の出版物の販売額は14年比5.3%減の1兆5220億円。これは
「減少率は1950年に調査を始めてから過去最大となった」(1月26日 日経新聞)
という記録的な落ち込みです。
販売額のピークは1996年の2兆6564億円で、いまや6割弱まで減りました。約20年、ずっと減少している産業です。これはもはや「出版不況」というレベルではありません。
特に落ち込みが激しいのが週刊誌です。
「雑誌の販売額は7801億円で前年比8.4%減。特に週刊誌の落ち込みが激しく、前年から13.6%も減った」(1月26日 朝日新聞)
電車の中で週刊誌読んでいる人、見かけることが少なくなりました。
一方、電子書籍はどうかというと、
「電子出版の市場規模は1502億円で、14年比31.3%増と大幅な伸びとなった」(日経新聞)
と成長。とはいってもまだ1500億円ほどの規模です。
もはや今ののビジネス形態では厳しいでしょう。
「出版社、卸である取次、書店の3者が中心となる出版流通を維持するのが難しくなっている。本の返品率は4割に達し、返品する際の梱包や物流費用が書店と取次の収益を圧迫している」(日経新聞)
という現状には抜本的な改革しかないのですが、なんとも危機感が感じられない出版産業です。
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