新刊書の貸し出す猶予の問題
一昨日、新潮社の佐藤隆信社長が、一部の書籍について、新刊発売から1年間、図書館での貸出をしないよう求める考えを明らかにしたことが話題となっています。 TBSの報道によれば、横浜で開催されていた図書館総合展で
「著者と出版社の合意がある新刊に限って図書館での貸し出しを1年間猶予してほしいという考えを明らかにしました」
といいます。佐藤社長は
「売れる本を貸し出しでぐるぐるまわされてしまうと、少し出版全般が傷んでしまうという構造にあることをご理解いただきたい」
と発言したと伝えられています。
新刊書の貸出を一定期間やめる要望は出版社側から提起されていました。これに対し、図書館側は
「今回の『貸し出し猶予』の要請の動きに、日本図書館協会は困惑する。山本宏義副理事長は『図書館の影響で出版社の売り上げがどのくらい減るかという実証的なデータがあるわけではない』と話す」(10月29日 朝日新聞)
と複雑な心境です。
本が売れない一因に図書館の新刊貸出があるとは思いますが、大きな要因ではないのでしょうか。出版産業不況の原因は古い体質の流通制度にあるのではないか。個人的にはそう感じます。
出版社と図書館の問題が、解決の道があるのでしょか。厳しそうです。
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