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2015/04/24

仙台の書店とKADOKAWAの選択

 河北新報の「夕刊編集者ブログ」に「下町の本屋さん さようなら」と題された記事がアップされていました(4月22日)。仙台市若林区にある「穀町書店」が先月31日に60年の歴史に幕を閉じました。穀町書店は1954年秋に四倉栄子さん(88)が、夫の邦彦さん(89)と開店。
「店の草創期、人々の暮らしは豊かでなかったが、皆が活字を欲していた。米国の総合誌「リーダーズ・ダイジェスト」の日本語版や人気婦人雑誌の発売日になると行列ができた」
 かつて街の本屋さんには活気がありました。
大型書店の進出、インターネット販売の拡大などありながらなんとか踏ん張ってきましたが、東日本大震災以降大きく売り上げが減ります。栄子さんは
「本に親しむ状況ではなくなったのでしょうか。売り上げが大きく減りました」
 といいます。
  KADOKAWAがアマゾンと紙の書籍・雑誌の直接取引を始めたという記事が一昨日の日経新聞にありました。
「出版物を書店に届ける取次を介さないことで物流を効率化。消費者に早く商品を送り届けられるようにする。仕入れ費用を抑えられるアマゾンはポイントなどの形で消費者に収益を還元することも可能になる」(4月22日 日経新聞朝刊) 
 これまでは日本出版販売とトーハンを経由して、アマゾンに商品を卸していたものを直取引に切り替えたというわけです。アマゾンの販売力の強さを改めて知る出来事です。
 河北新報の夕刊日ブログは記事の最後でこう書いています。
「閉店の数日前、栄子さん直筆のあいさつ文を店頭に掲げた。長年の感謝をしたためた文章の一節に『残念無念のおもいです』とあった」
街の本屋さんに将来はあるのか。寂しい思いがよぎります。

下町の本屋さん さようなら

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