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2014/12/17

黒川紀章建築事務所の破綻

 一昨日ニュースで報じられた黒川紀章建築事務所の倒産にはいささか複雑な気持ちになります。負債額12億円と決して小さくない数字で民事再生法の申請をしたと報じられています。
 築設計事務所は素人考えだと仕入、在庫のリスクはないと思われるので、負債はどのようにして膨らんだのか。事務所の従業員数は14人とのことなので人件費、家賃などが原因かな、とも思います。
 そもそも世界的に著名な建築家が没後も建築設計事務所を維持し続けられるのか、という疑問があります。建築の設計は個人の才能によるところが大きい。黒川紀章のような天才肌のアーキテクトは、その技術を後継者に伝えることは難しそうです。跡を継いだ息子さんも大変だったと思います。
 黒川紀章だけでなく著名建築家の名前を冠した建築設計事務所はあるのか、ちょっと調べてみたら、建築家のフルネームをつけた事務所は少数派のようです。例えば黒川の師匠・丹下健三は丹下都市建築設計。モダニズムの前川國男は前川建築設計事務所。建築に明るい人なら分かりますが、一般人には分からないようになってますね。
その中で黒川紀章建築事務所は故黒川紀章のネームバリューというか、スター性に頼っていたのかもしれません。
 建設業界は景気がいいともききますが、一流設計事務所はその波に乗れなかったようです。

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