シクラメンのかほり
小椋佳のコンサートに来る人は年齢層が高い。会場内、公演が終わった後などにスマホを触っている人は確かほとんど見かけません。自分の年はさておき(笑い)平均年齢は60歳以上ではないかと推測します。
小椋佳のファンと明言していますが、熱心に聴いたのは初期。1980年代から90年にかけての作品は聴いていないものが多い。小椋佳はここ20年くらい精力的にコンサートを行っていたようですが、公演に足を運んだのは1回だけです。「生前葬コンサート」にきているシニア層よりは不熱心なファンです。
2日目のコンサート、2部のオープニングは「シクラメンのかほり」でした。布施明が歌い、大ヒットとなった有名な曲。1975年のことです。このヒットのおかげで小椋佳は表舞台に引っ張り出されます。歴史にもしもはありませんが、「シクラメンのかほり」のヒットがなければ、小椋佳のアーティストとしての足取りも異なっていたでしょう。
このコンサートで歌う曲について綴った『小椋佳 生前葬コンサート』で「シクラメンのかほり」のところにちょっと驚くことが書いてありました。
「シクラメンのかほり」の文体は、エルヴィス・プレスリーのMary In The Morningの歌詞から借りてきたというもの。Mary In The Morningの冒頭の歌詞は、
Nothing's quite as pretty as Mary in the morning
(朝のマリーほど魅力的なものはない)
です。これが「シクラメンのかほり」の
真綿色したシクラメンほど清しいものはない
と創られた、と小椋佳は書いています。
小椋佳を聴き始めて42年、エルヴィスのファンになって41年。いままでこの事実を知りませんでした。調べてみるとウィキペディアにも書いてあるので、すでに有名なことかもしれません。
小椋佳によれば「シクラメンのかほり」はアルバムの入れる曲を選ぶ段階で落とした作品で、布施明の新曲用としてB面曲として渡したものだそうです。それが、後世に残る大ヒットになるとは、曲の評価の不思議さを感じます。
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