白い一日
小椋佳と井上陽水。アーティストとしては大まかな分け方では同じカテゴリーに分類されるかもしれない2人ですが、パーソナリティーはかなり異なります。銀行員を長らく務めた小椋と天才肌の井上。その2人は活動の初期に同じポリドールレコードからレコードを出していました(いまやポリドールレコードもなくなっています)。1970年代初め、ポリドールの若きプロデューサーだった多賀英典が手がけたのが小椋佳と井上陽水です。
小椋佳と井上陽水は兄弟弟子ともいえます。その2人が共作したのが、「白い一日」です。作詞が小椋佳、作曲が井上陽水。井上版はかの「氷の世界」(1973年)に収録。小椋版は「残された憧れ」(1974年)に収められています。恋のはじまりを歌った美しい歌です。
ある日踏切のむこうに君がいて
通り過ぎる汽車を待つ
遮断機が上がり振り向いた君は
もう大人の顔をしてるだろう
井上陽水の初期の作品「いつのまにか少女は」も、同じ少女の思いもしれない大人への成長を描いた歌です。2人とも若くて純粋でした。
コンサート最終日は、淡々と進みました。内心期待していた「白い一日」に井上陽水が飛び入りしてデュエットするというサプライズもありませんでした。しかし、これまでの3日間よりは長く、20分の休憩時間を含んで4時間に及びました。
これで小椋佳は本当に音楽活動に終止符を打つのか。今は信じられませんが、現実かもしれません。40年以上お疲れ様でした。多くの喜び、感動を与えてくれた小椋佳に感謝します。ありがとうございました。
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