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2014/09/27

年功序列廃止と非正規雇用

 賃金制度を変えようする大企業がいくつもあります。昨日は日立が新たな管理職の賃金体系導入を発表しました。日経新聞の電子版によれば、
「月例賃金は職務や職責の重さ、賞与は個人業績の目標達成度で決め、年功的な要素は廃止する」
 と表現されています。ソニー、パナソニックはすでに年功制度の廃止する賃金制度の実施を明らかにしています。日立もちょっと遅れましたが、同じく年功の廃止です。成果によって給与を決める流れは当然のことのようですが、成果による報酬を真に望んでいるビジネスマンはどれほどの割合なのでしょう。多数派なのか、それとも少数派なのか。
 賃金といえば、昨日は国税庁の民間給与実態統計調査の発表から
「2013年の1年間の平均給与は、前年比1.4%増の413万6千円で3年ぶりに増えた」(日経新聞)
 と報じられました。
 増えたといっても1.4%。ほんの少しです。
 一方、調査では非正規雇用の賃金は167万8千円で0.1%減です。数字だけみると正規労働者と非正規雇用の格差が広がっています。格差は問題ではあります。正規労働者を望みながら、非正規で働かざるを得ない人が多いのも事実です。
 しかし現在非正規雇用で働く自分の実感では、非正規雇用は楽な面もあります。成果給ではないし、重い職務も与えられません(なかには非正規で正社員と同じレベルの労働を求められている人もいるようですが)。給与は安いけれど、いろんな面で楽です。その楽さを選ぶ人がいるのも事実です。
 成果に対する厳しい評価を行い、給与を決める体系はひとつのやり方。それに対して非正規雇用という働き方もあります。この国の雇用がかわりつつありますが、年功序列を廃止する企業がどこまで広がるか。そんなに多くないだろうと考ている私は、もはや古い人間なのでしょう。
 

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