岡田謙三と自由が丘あたり
岡田謙三はモダンな作風で、好きな画家の一人です。戦後ニューヨークに渡り50~60年代の抽象表現主義で活躍しましたが、1929年に目黒区自由が丘にアトリエを構え、制作活動をしていました。うちからほど近いところにあったみたいです。
目黒区美術館で開催中の「岡田謙三&目黒界隈のモダンな住人たち展」をみてきました。岡田謙三と、岡田と親交のあった自由が丘界隈に居を構えていた作家、目黒界隈に住む作家たちの作品を展示するものです。
展示室に作家の住んでいた場所が地図で展示されています。名前を知っている画家、初めて知るアーティスト、20人以上もいます。本展では美術館の所蔵するアーティストの作品から、目黒という地域と文化を探ろうとする企画です。
美術館のコレクションを活用し、構成した企画展です。ただ、それぞれの作品、作家たちの関係は必ずしも明確ではなく、全体的にはぼやけた印象になっているのは少し残念です。予算が限られた中でやっているという事情が窺えます。
個人的には須山計一が描いた自由が丘・金田の絵に興味をひかれました。金田酒学校と呼ばれる名店ですが、かつて画家達が集っていた店だったのです。楽しそうな人たちが描かれています。
モダン、という言葉も古くさく感じさせるいまの自由が丘ですが、よき時代だったのではないか。そんなことを感じさせてくれる企画展でした。
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