いつか自分の本屋をもつ講座
東京藝術学舎での「続・いつか自分だけの本屋を持つのもいい」に参加していましたが、全5回の講座が終わりました。この講座はタイトル通り、「小さくてもセレクト系ブックストアを作りたいという人に有益な入門講座」です。まあ、書店をすぐに作る気はないのですが、ちょっと気になるので参加しました。
講座の内容は、編集者で美術ジャーナリストの鈴木芳雄氏と個性ある書店主との対談と受講者とのQAというもの。登場した書店主はみな個性的な方々でした。
第1回 B&B:内沼晋太郎
第2回 スノウショベリング:中村秀一
第3回 古書日月堂:佐藤真砂
第4回 オオヨ書林:山崎有邦
第5回 6次元:中村邦夫
第1回のB&Bを除いては、すべて古書店です。巷で広がりつつあるようにみえるブックカフェはほとんどが古書店です。ブックカフェにいく習慣がないので、古書店(つまり置いてある本は古本)とは知りませんでした。
5回の講座を通してよくわかったのは、書店が本を売るだけで商売として成立することは難しいということ。要は本を売るだけでは利益が極めて薄く、採算がとりづらいということです。B&B、スノウショベリング、6次元の3つの本屋ではイベントを積極的に行って、収益を上げています。イベントのほうが利ざやが稼げるからです。
古書店という視点でみると、昔ながらの古書店は価値ある書籍、資料などをお客に提供する店として存在しています。かたやブックオフの拡大で、1冊100円の本が当たり前のように販売されるマーケットがあります。その間にあってブックカフェに代表されるニューウェーブの古書店が台頭しています。
書籍のマーケットが縮小していくなかで、新しい形態の本屋は存在し続けるのか。とても興味深いテーマです。また、講座に参加していた半数以上が若い女性でした。書店の新しい展開が作られようとしているのかもしれません。
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