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2013/10/06

人を欺すということ

 オレオレ詐欺(最近は母さん助けて詐欺ともいいます)の被害情報は、しばしばニュースで伝えられます。被害者はますます増えている印象です。詐欺という行為について、これを仕事として考えれば、元手もほとんどいらず、効率的な業務ですから、この世からなくなるわけはありません。
 小林信彦の『紳士同盟』を読みました。かなり前に買って積ん読になっていた一冊ですが、オリジナルは1979年に書かれたもので、5年前に文庫化。この小説はコン・ゲームの代表的な作品とされています。コン・ゲームとはconfidence gameの略で、相手を信用させて欺すこと。詐欺ですね。『紳士同盟』はテレビ、映画業界を舞台にした痛快な詐欺小説です。
 詐欺という行為は、始めると癖になるのかもしれません。先日、国有地の架空取引を持ち掛け、住宅販売会社から約2億円を欺しとったとして、詐欺容疑で6人が逮捕されました。その主犯格は80歳の弁護士。日本弁護士連合会常務理事などを務めた人物です。独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」を仲介させることで安く購入できるなどと持ちかけていたといいます。詐欺は逮捕された事件だけでなく、これまでに同様の手口で50億円以上を欺しとっていたとみられています。
 弁護士という仕事を長年つとめた人が、詐欺という行為に及ぶ。何らかの事情があったのでしょうが、人を欺すということは、ある種の快感なのかもしれません。コン。ゲームとは、まさにこのこと。恐ろしろいしいことは、小説だけにして欲しいですが、それは無理でしょうね。人間ですから。

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