岩谷時子の歌
岩谷時子は、同時代に活躍した作詞家とは、少し違った存在でした。作詞だけでなく、訳詞を多く手がけたためでしょしょう。歌謡曲の作詞家という俗っぽさは感じられない詩人でした。訃報を伝える新聞記事で、越路吹雪のマネージャーを、80年の彼女の死まで約30年、つとめたていたことを知りました。越路吹雪のため訳詞をいくつも書いています。
しかし歌謡曲ファンとしては、加山雄三のためにつくった一連の詩を忘れることができません。「君といつまでも」をはじめ、「旅人よ」「お嫁においで」「青い星屑」、どれも素敵な歌詞です。作曲家・弾厚作(=加山雄三)とのコンビがなければ、加山雄三は歌手として大成功をしなかったかもしれません。
その他、「恋の季節」「いいじゃないの幸せならば」「ベッドで煙草を吸わないで」「男の子女の子」など多くのヒット曲を書いています。うまく表現できませんが、ちょっと洒落た感覚の歌詞と言えばいいのでしょうか。多くの作品の中で、いちばん好きなのは「夜明けのうた」。岸洋子の曲ですが、スケールの大きいラブソングです。
歌謡曲の歴史を作った人が、亡くなりました。ご冥福をお祈りします。
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