GDPと消費税
国内総生産(GDP)の数字がこれほどまでに注目されるのは珍しいことです。来年4月に予定されている消費財の引き上げを判断する重要な指標とされているためで、株式のマーケットも今日はGDPの発表数字に反応していました。
発表されたのは今年4~6月のGDP速報値で、実質成長率は前期比0.6%増、年率換算で2.6%と小さくない数値です。物価変動を反映した名目成長率は0.7%増で、年率2.9%。名目成長率のほうが生活実感に近いとされるのですが、これが実質成長率を上回っているので、4~6月はデフレ脱却へ向かっているということです。
名目成長率が年率2.9%は小さな数字とも感じますが、この率が10年続けばGDPは1.3倍ほどになります。我が国の名目GDPはこの20年、500兆円あたりでほとんど増えていないので(むしろ減っている)、2.9%でも大きな成長です。
GDPを押し上げた大きな要因に個人消費があります。朝日新聞には
「安倍政権の経済政策『アベノミクス』で株価が上がり、株式でもうけた人が消費を引っ張っている」(8月12日夕刊)
なんてありますが、これはあまりに短絡的な見方。しかし「景気が良くなっているような気がして」消費を増やしている人がいるのは事実でしょう。アベノミクスの3本目の矢はこれからなのに、消費が先行しているわけです。
最近は株価も低迷し始めている状況。雑誌の記事に煽られて投資を始めた人は、あまり儲かっていないはず。本格的な景気回復と経済成長が達成されるのか。アベノミクスの正念場はこれからです。
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