結局、東大秋入学は見送り
東京大学の秋入学を見送りました。これまでのマスメディアでの報道をみていた限りでは、他大学も巻き込んで、導入されるかという感じでしたが、あっけなく導入断念です。日経新聞の記事では、「東大、現実路線にカジ」として、
「入学時期を国際標準にそろえ、国際化の遅れを挽回する試みは学内外で一定の支持を集めたものの社会の変化が追いつかず、現実路線にかじを切った」(日経新聞 6月20日)
と、日本の社会が世界標準に追いつくにはまだまだ時間がかかりそうだなと思わざるを得ない結果です。
秋入学導入を妨げたのは、就職への対応です。
「議論を始めると慎重論が噴出。国家資格試験や企業の新卒採用の時期とずれることが大きな課題として浮上した。『高校卒業から入学までの半年間を有効活用するノウハウがない』『社会環境の整備が先だ』などの意見も強まった」
確かにそうなんだけど、現実を考慮していたら、新しいことは何も始まらない。
秋入学に賛同した京都大や早稲田大、慶応義塾大など主要11大学は教育改革推進懇話会を設立したのですが、東大が導入を見送ったことで、戸惑っているところもあるでしょうね。肩すかしという感じでしょうか。
また、政府の対応が面白いです。
「政府ははしごを外された格好だ。文部科学省は今月、秋入学推進の検討会議を参院選後に設けると公表した直後だった。文科省幹部は『東大は先導役を期待されていただけに、政府の大学改革にも影響を与えかねない』と懸念を示した」
東大の影響力は大きいんですね。
かわりに東大は4学期制を導入するとのことですが、カリキュラム編成とかが厳しくなりことが予想され、これは現場の負担を増すことになるのではと懸念されます。
日本の大学が変わるのは、いつのことになるのでしょうか。
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