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2013/05/19

タックスヘイブンの闇

 税金を巡る事件はしばしばニュースで報じられます。所得隠しや利益を申告しなかったなどで、通帳課税を課せられるケースです。丸源の社長が脱税容疑で逮捕された事件は記憶に新しいです。少なくとも無駄な税金は払いたくないと思います。
 租税回避というものがあります。脱税とは区分されていて、あくまで合法に租税負担の軽減または排除を行うことです。租税回避を自国以外の国を使って行うことが、世界的には当たり前のことになっています。この実体に迫った『タックス・ヘイブン 逃げていく税金』(志賀櫻 著)を興味深く読みました。タックスヘイブンとは租税回避地のことです。
 著者は元大蔵官僚で、長らくタックスヘイブン対策に係わり、その体験を元にタックスヘイブンの実体に迫っています。そもそもタックスヘイブンとは何なのか。タックスヘイブンはどこにあるのか。そのために世界の主要国は何をしてきたのか。タックスヘイブンの基礎が説明されていてとてもわかりやすい内容です。
 本書に紹介されている資料ですが、日本では所得が1億円を超えるとになると、税負担率が下がっています。(グラフはクリックすると大きくなります。出典 財務相「申告納税者の所得税負担率」

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 日本の所得税は累進課税ですから、所得が増えれば税負担も増えていくはず。不思議な資料です。所得が多い人はうまく租税回避をして、税金を回避しているということです。企業も同様です。例えばユニクロはオランダを使って、節税をしているようです(ファーストリテイリングのサイト)。
 本書では日本はもちろん、米国など世界の企業、個人が租税回避をどのように行ってきたかもレポートされています。しかし、その実体はほんの一部しかわかっていないようです。詳しいこと、例えば具体的な租税回避の方法、手口は細かく踏みこんでは書かれていません。専門的になりすぎるのを避けたのか、それとも実体を(なんらかの事情で)細かに書けないのか。その当たりがいささか不満に残りました。
 タックスヘイブンは何処までも続く闇ではないか。そんな恐いことが頭をよぎりました。『タックス・ヘイブン』、お金を巡る刺激的な一冊です。


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