« ボストンマラソンテロの恐さ | トップページ | 久しぶりの富士屋本店ですが、 »

2013/04/18

西武のTOB

 西武への投資ファンドTOB(株式公開買付)がニュースになっています。米サーベラスによるTOBが既に始まっていて、ちょっと前の日経新聞に告知広告が掲載されていました。昨日の朝日新聞には西武ホールディングスによる「西武ホールディングス株式の皆さま・西武グループご愛顧の皆さまへ」と題された広告が掲載され、株主に対して、公開買付に応じないように要望しています。
 サーベラスが西武ホールディングスに西武秩父線や多摩川線などの廃止を求めたとも報じられ、地元では「署名集めや国会議員への支援要請など、各自治体は路線存続に向けた世論の盛り上げに奔走している」(4月13日日経新聞)と、反対運動が起きています。
 しかし、署名を集めてどれほどの効果があるのか。ちょっと疑問です。それよりも秩父商工会議所が計画していた西武HD株の売買を促して路線存続を求める株主を増やす対策のほうが有効的です。「秩父商議所内に受け付け電話を設け、西武HD株の売却希望者を募集。路線存続を望む購入希望者を同商議所が紹介し、両者の相対取引を促す」(毎日.jp)という計画でした。しかし金融庁に尋ねたところ、適法ではないとのことで、この計画は頓挫しました。
 世間で生存している西武株はどれほどあるのでしょう。不祥事で上場廃止になったのが2004年11月です。その時は株はまだ電子化されておらず、株主は紙の株券を保有していたはず。上場廃止になる前に売り損ねた株主の株はどんな状況になっているのでしょうか。
 西武ホールディングスのホームページによれば、昨年の9月30日で紙の株券はすべて廃止になっているとあります。上場していないので株価はついていません(相続のときなどに株価の評価方法はあります)。市場で売却できないのですから、株価ゼロ円とも言えます。保有している人は心配でしょう。
 サーベラスによる公開買付格は1株1400円。もし株を保有していたら応募したくなる魅力的な価格です。世間では日本企業・西武対ハゲタカの構図として報じられていますが、西武ホールディングスができる経緯をみると、そんな単純なものでもなさそうです。
 西武の今後は、TOB締め切りの5月17日にはっきりします。結末はいかに。

| |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 西武のTOB:

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。