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2013/01/14

「がん保険のカラクリ」とは

 最近、新聞で医療保険の広告が目立ちます。オリックス生命の広告はしばしば載っているようですし、ソニー損保(ソニー生命でなくソニー損保)の広告も多い。医療保険では特にがんに対する保障が強調されています。医療保険、特にがん保険は必要なのか。そんな疑問に対する答えが『がん保険のカラクリ』(岩瀬大輔著・文春新書)です。
 著者の岩瀬氏はネットで生命保険を販売するライフネット生命の設立に参画し、現在同社の副社長です。ネット販売という新業態ながら、同業者が書くがん保険の内部事情が、本書の内容です。岩瀬氏は『生命保険のカラクリ』を2009年に著していて、その続編でもあります。
 本のタイトルは『がん保険のカラクリ』ですが、内容はがん保険を含む医療保険全般について書かれていて、その問題点を中心に論を進めています。
 がん保険というのは日本、韓国、台湾でしか販売されておらず、他の国ではがんに特化した保険はない。日本では  がん保険を含む医療保険の年間新規契約数は491万件(2012年3月期)で、生命保険の終身保険の435万件を上回って、生命保険業界の主役になっている。本書ではこんな事実が提示されています。
 医療保険はどこが問題なのか。医療保険にはどのような基準を持って加入すればいいのか。著者はいくつもデータを示しながら解説します。健康保険の制度も丁寧に説明され、現在の公的な制度を踏まえ、医療保険、がん保険をどう考えればいいかが論じられています。
 個人的には医療保険は要らないと思っていますが、人の置かれた状況は、様々です。単にお金の収支だけで判断もできません。保険に加入することで、安心を買いたいという人もいるでしょう。家族のために入るという人も少なくありません。
 重要なのは今加入している医療保険、がん保険が金銭的、精神的にどれほどの意味をもっているのかを、しっかりと検証してみることです。毎月、口座から自動的に保険料が振り替えられているので、意識が薄くなっている。そんな人はいちど保険を点検してみることが必要かもしれません。本書は、医療保険を見直したいという人にはおすすめの一冊だと思います。


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