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2012/10/30

アイアンシェフとフジテレビ

 かつて「世界の料理ショー」という番組がありました。料理家のグラハム・カーによる料理バラエティ番組で、熱心にみた記憶があります。楽しい番組でした。料理をエンターテイメントに仕立てた先駆けでしょう(折しもこの番組11月5日よりテレ東で放映されます)。
 先週からフジテレビで「アイアンシェフ」が始まりました。昔を知る人にとっては「料理の鉄人」のリバイバルということはすぐにわかります。1993年から99年まで放映されていた「料理の鉄人」は、これも熱心にみました。料理の鉄人と対決、という斬新な設定。キッチンスタジアムという舞台で、ライブ感溢れる展開の新しい料理番組でした。世界の料理ショーと同じく、料理をエンターテイメントにした優れた番組です。
 時は経て、2012年に「アイアンシェフ」を番組にする意図は何なのか。何か、新しいメッセージがあるのか。少しの期待をもって初回の放映を見ました。何も変わっていません。料理の鉄人をそのまま焼き直しただけです。
 アイアンシェフが作る料理は確かに美味しそうです。でもそれだけです。見ていてわくわくしません。時代が違うからなんでしょうか。自分が年をとったせいなのか。
 昨日、ネットで「アイアンシェフ」初回の視聴率が報じられていました。初回は金曜午後7時からのスペシャルで10.7%です。「料理の鉄人」は午後11時台に放映されたのにもかかわらず平均視聴率が14.8%だったとのことですから、初回ではオリジナルに及ばなかったことになります。
 フジテレビは定席だった視聴率3冠王を日テレに昨年奪われ、今年にはテレ朝にも抜かれ3位になっています。今週号の「週刊文春」に「フジテレビ『失敗の本質』を衝く」なる記事があります。ここでかつて「東京ラブストリー」をプロデュースした大多常務がこう語っています。
「久しぶりに『アイアンシェフ』を見て鳥肌が立った。手間とお金をかけて大遊びしているけど、フジテレビのアイデンティティはこういう馬鹿らしさです」
 この人はいつの間にか、時代から置き去りにされてしまったようです。フジテレビ、しばらくは3冠王奪取は難しそうですね。

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