厚生年金基金の廃止がおよぼす被害
AIJ事件の発生以来、検討されてきた厚生年金基金の問題ですが、今朝の日経新聞によると廃止への道筋が決まったようです。記事によれば、厚労省が制度改革案をまとめ、来年の国会に提出。法施行から10年で厚生年金基金の制度が廃止されという内容です。
厚生年金基金の維持は現状では維持するのが難しいと判断し、廃止するということは正しい選択だと思いますが、問題はそのやり方です。最大の課題は厚生年金基金が抱える積立金不足。「年基金の半数にあたる287基金が積み立て不足に陥り、その総額は1.1兆円にのぼる」(日経新聞)をどうするかです。現在の制度では厚生年金基金に加入している企業が積立不足になっているお金を分担して負担し、国に返還しなければいけません。
厚労省の改革案によれば、厚生年金基金がこの返還が出来ない場合、厚生年金保険料で穴埋めするとなっています。これは関係のない会社員の積み立てた保険料を取り崩し使うということ。そうすれば(わずかかもしれませんが)将来的にもらえる厚生年金が減ることになります。これって安易に許されることでしょうか。
厚生年金基金は厚生年金に上乗せの年金を支払うための制度です。これを廃止するならば、公務員が加入する共済年金制度での上乗せ年金支給である職域加算をまず廃止すべきでしょう。ほんと、官僚はひどい。まず、自らの制度を改めましょう。石原慎太郎が立ち上がったの、なんとなく理解できます。
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