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2012/09/28

国連総会、野田首相の日本語演説

 NHKのドラマ「負けて、勝つ」を見ていますが、外交という視点から見ると面白いです。吉田茂のことをよく知らなかった無知を恥じるばかりですが、吉田は英語で堂々とマッカーサーらアメリカ人を渡り合って、交渉をした政治家ということを改めて認識しました。それに対し、今の首相はどうでしょうか。
 国連総会で野田首相が演説をしました。中国、韓国との領土問題について、法の支配を強化するよう呼びかけた内容で、「日本外交上、異例の対応だ」(ウォールストリート日本版ウェブサイト)とも表現される踏み込んだものです。内容はともかく、演説を伝えるテレビをみていて、ちょっと驚きました。野田首相が日本語で堂々と演説していたからです。なぜ、英語でやらないのでしょう。
 国連総会は世界のトップが集まる外交の場です。世界の共通言語は(その是非は置き)英語です。そこで日本語での演説は、その意志を伝えるという点で正しい選択ではありません。例えばロシアのプーチン大統領がロシア語で演説するのとは違います。ロシア語は国連の公用語ですから当然の行為ですが、日本語は公用語になっていない一言語です。
 日本人以外は(日本語学習者を除けば)ほとんど理解できない言語で演説をすることは避けたほうがいいでしょう。野田首相サイドは英語や国連の公用語に同時通訳されるからいいと思っているのでしょうか。玄葉外相は英語でやっていました。たとえ原稿棒読みでもいいから、英語での演説をすべきでした。
 今の時代、一国の首相、それも先進国とされている国のトップが英語で演説をできないなんて、情けないだけの事態です。ほんとに野田首相は英語ができないのでしょうか? ちょっと信じられません。大学を卒業してすぐに松下政経塾に1期生として入り、政治家を志した野田佳彦。20代から国の政治家を目指したのなら、外交に必要な英語力をつけようしてきたはずですが、そうではないのかな。週刊文春の先週号では「野田首相は総理大臣には珍しく、外交問題にほとんど関心がない」と書かれていましたが、外交に関わりたくないので、関心がない振りをしているのかもしれませんね。
 国連総会一般討論はまだ終わってないのに、さっさと帰路についた野田首相。我が国の外交は、この男にはまかせられません。

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