新しい奈良美智
横浜美術館で奈良美智展をみてきました。「奈良美智:君や僕にちょっと似ている」と題された大規模な企画展。奈良の作品は青森県立美術館の常設で何度か見てきましたが、今回の展示は昨年と今年に制作された新しい作品だけで構成されている意欲的な内容です。
NHKの番組で奈良がインタビューに応じていて、「これまではなめているところがあった」という表現をつかっていました。創作することと真剣に向かい合っていないところもあった、ということなのでしょうか。奈良のこんな気持ちが本展では充分表れています。
会場に入ると、まずは大きいブロンズ像で構成された展示スペースです。照明が落とされ、床のカーペットがはがされた空間にブロンズの彫刻作品が11点並びます。日経新聞によれば
「昨年9月から約半年、母校の愛知県立芸大に滞在し、ヘラやナイフを使わず、素手で粘土と格闘するように巨大な少女の頭像などを制作した」(8月30日朝刊)
とある力作です。なにせ大きなあの女の子たちが会場に何人もいるんですから、迫力があります。
絵画もお馴染みの女の子、おねえさんたちも、ちょっと雰囲気が違います。より存在を感じさせるといえばいいのでしょうか。これが本展の意図する「:君や僕にちょっと似ている」ということなのかな、と思ったりします。
奈良はこう言っています。
「もはや自分が作るものは、自分の自画像ではなく、自分や誰かの子どもや友達だと感じる」(パンフレットより)
新しい奈良美智に出会える素敵な企画展。おすすめです。
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