桃井かおりとイッセー尾形の2人芝居
8月も盆を過ぎ、イッセー尾形一人芝居の季節になりました。毎年恒例の新ネタ公演は来週から始まりますが、今年はその前に桃井かおりとの二人芝居というスペシャルな公演があります。3日間、わずか4回だけの公演、初日に拝見してきました。
イッセー尾形の二人芝居と言えば、小松政夫、米倉斉加年、篠原ともえとの共演を見ましたが、桃井かおりとの芝居は初めて。これまでの二人芝居はイッセー尾形が共演者のこれまでみせてこなかった本質的な魅力を引き出し、それにイッセーがいつもとはちょっと逸脱した演技で絡み合う、といった展開が面白さのひとつでした。
しかし、桃井かおりは達者な演技によってイッセーと芝居を繰り広げます。自分のペースで演技をしていますが、それが上手い。長らく女優として映画で主役を演じてきたすごさを、その演技で示しています。そもそも、舞台での桃井おりは初めてみました(ウキペディアによれば、イッセーとの共演以外、ほとんど舞台には出ていません)。おまけにちょっと披露してくれる歌も素人レベルではありません。
会場でもらったパンフには森田清子さんの文章があり、ここに桃井かおりとの二人芝居の思い出があり、面白い。桃井かおりとイッセー尾形の初共演は、1990年。まだイッセーが渋谷ジャンジャンで公演をしていたころです。マネージャーをしていた森田清子さんが桃井かおりに手紙で二人芝居をお願いしたそうです。それに対して桃井かおりから「はい、いたします」と電話。森田さんは
「六畳一間と一畳の台所の生活、半畳の玄関にある黒電話で桃井かおりさんの生声を聞いた森田オフィスを想像ください」
と回想しています。
イッセー尾形、桃井かおりそれぞれの新しい面をみせていただいた素敵な二人芝居でした。
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