老後難民とは
国会で審議は始まったが、なかなか進まない感がある税と社会保障の一体改革。あとひと月ほどの国会で法案採決までたどり着けるのでしょうか。年金の将来はほとんどみえません。そのせいで、最近あちこちの雑誌で目に付くのが老後の資金問題です。週刊ダイヤモンドの今週号では「老後難民にならない資金運用の鉄則」が特集です。
記事の冒頭にこうあります。
「生きている間に老後の生活資金が枯渇し、生活に困窮する―。これが『老後難民』である。まさに悪夢としかいいようがない。少子高齢化の進展で財務基盤が揺らぐ公的年金制度は、もはや当てにできない」
生活が困窮。恐い話です。しかし、このこのことが現実ではないかと思わせるデータが記事にあります。フィデリティ退職・教育投資研究所が2010年に行った「サラリーマン1万人アンケート」からのデータが紹介されていますが、その中で「老後の生活資金として現在どれくらい準備していますか」との問いがあります。これに対して<50代男性>の場合27.7%が0円、10.5%が100万円未満との回答。これにはかなり驚きます。50代は(一般的な雇用では)定年まで10年ない世代です。この世代の3分の以上が老後資金100万円未満とは。
現行の年金制度が維持されるという仮定でも、60歳の定年退職時には、夫婦の場合3000万円の蓄えが必要といわれます。データによれば50代男性では約75%が1000万円未満の蓄えと示されています。ましてや年金制度が現行のままでいくとは思えまない状況です。現状は厳しいです。
記事でははこのような現実を踏まえ、資産運用を4年代別にアドバイスする内容になっています。資産運用とは預貯金だけでなく、株、投資信託などを組み合わせてお金を増やしていくことです。素人には難しいことですが、これをやれば老後難民にならないですむ、ということらしい。
老後のお金のことはあまり考えたくないという人が少なくないのが実態かもしれませんが、国会の迷走をみていると、この国の社会保険の将来は極めて不安です。自分のことは自分で考えなければいけません。
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