マネーリテラシーが必要です
先日、ポストにとある銀行のチラシが入っていました。最寄りのメガバンクからです。この中に「外貨預金 特別金利キャンペーン」というのがありました。これちょっと前の日経新聞にも広告が載っていて、ちょっと気になってました。キャンペーンの概要はこうです。
・米ドル、オーストラリアドルの外貨預金にキャンペーン期間中に申し込むと、特別金利を適用する。
・例えば米ドルだと1ヶ月もので年利12%、3か月もので4%に金利。ただし、この期間後は通常の金利にて運用。
・申込み金額は1万ドル以上300万米ドル以内。
円預金の定期預金でさえ、メガバンクでは300万円以上を10年預けても0.02%ですから、12%の金利は破格です。適用期間は12%の場合1か月ですが(4%で3か月適用と同じこと)、利息はどれほどでしょう。例えば、1万米ドルを預けた場合の例がチラシにあります。
・1万米ドル×9.6%(12%の金利に20%の税金がかかる)×30/365=78.90米ドル
1ドル80円と仮定すると、金利は6312円。80万円くらい余裕資金がないといけないですが、1か月でこれだけ儲かるわけですから、いい話かな。
実はそうはうまくはいかない。円で外貨預金に預け入れた場合、円から米ドルへの交換費用(為替手数料)がかかります。この銀行では1米ドルあたり1円の手数料。すなわち1万米ドルだと1万円かかるわけです。金利で6320円儲かっても、手数料で1万円とられるので、赤字です。
こんなんで、外貨預金する価値があるのか。外貨預金はいうまでもなく為替変動がポイント。1ドル80円のときに預け入れ、円安になり例えば1米ドル85円になれば、1万米ドルで5万円の利益がでます。でもその逆、1米ドル75円になる可能性もあるわけです、こうなると5万円の損となります。更に、為替レートで儲かっても、米ドルから円に戻すには1米ドルあたり2円かかります。1万米ドルを円にすると、2万円かかるわけ。
なんか、手数料で儲けているとしか感じられませんが、違いますか。これらのことはチラシには明記してあるんですが、消費者は全部理解して読んでいるかは疑問です。ちょっと難しい言葉ですが、お金のことを理解する能力、マネーリテラシーが現代ではとても重要ではないか。そんなことを思わせてくれた銀行のチラシです。
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