猫ひろしのオリンピック
巷で注目を集める男子マラソンのオリンピック代表選考レース。「市民ランナーの星」川内選手はちょっと厳しい状況のようですが、その結果は12日に発表されます。オリンピックのマラソン代表といえば、オリンピック出場を目指す猫ひろしがいます。ネットでは3月上旬にも代表が決定されると報じられています。
今週号の週刊現代に曽野綾子さんが「猫ひろしさんへの違和感について」という一文を寄せています。カンボジア国籍を取得してオリンピックに出ようとする猫ひろしの姿勢に曽野綾子さんが明確に申し立てをしています。
曽野さんは冒頭でこう書きます。猫ひろしさんは、日本ではタイムのいいランナーが大勢いるため、オリンピックに出場することができない。
「そこで国籍というものを利用し、カンボジア人になればオリンピックにも出られるだろう、と彼が安易に考えたのだとしたら、その行為はあまりに軽くて、常識的な人間だったら考えにくい行為ですよね」
国籍をとることとはどれほど大変なことなのか。曽野さんは自らの体験から書きます。20年ほど前、フランスから来た修道女が日本国籍の取得を希望します。しかし財産がないため、法務省が帰化を認めません。修道会は全ての財産を捨てて入る場所なので、貧しいのは当たり前です。そこで曽野さんが保証人になって国籍を取得することができました。どうしてそこまでして日本国籍を取得したいか、との問いに修道女は、
「同じ国の国民でなければ、その国民と同じ運命を分かち合えないからです」
と答えました。
国籍のもつ大きな意味を考えさせられます。曽野さんはこう書きます。
「自らに与えられていた条件を受け入れ、その中で目一杯の力を出して闘うときにこそ、人間はその人を完成するんです。素晴らしい舞台に出ることができなくても、そのようにして闘って破れたときにこそ、人間は学ぶんです。それは十分に意味のあることでしょう」
猫ひろし、読んだかな。反論をききたいです。
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